加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
一般債権である売掛金10,000円および長期貸付金(営業外債権)20,000円の期末金銭債権残高の1%について貸倒引当金を計上する。このとき、損益計算書の販売費に貸倒引当金繰入額300円が計上される。
解答
×
営業外債権に対する貸倒引当金の繰入額は、営業外費用に計上される。
(借)貸倒引当金繰入額(販売費) 100
貸倒引当金繰入額(営業外費用) 200
(貸)貸倒引当金 300
解 説
根拠となる実務指針:会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」
繰入額と取崩額の相殺表示 125.当事業年度末における貸倒引当金のうち直接償却により債権額と相殺した後の不要となった残額があるときは、これを取り崩さなければならない。ただし、当該取崩額はこれを当期繰入額と相殺し、繰入額の方が多い場合にはその差額を繰入額算定の基礎となった対象債権の割合等合理的な按分基準によって営業費用(対象債権が営業上の取引に基づく債権である場合)又は営業外費用(対象債権が営業外の取引に基づく債権である場合)に計上するものとする。また、取崩額の方が大きい場合には、過年度遡及会計基準第55項に従って、原則として営業費用又は営業外費用から控除するか営業外収益として当該期間に認識する。 |
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。