ココが間違い!
減損損失を認識するかどうかの判定に際して,「帳簿価額<割引前将来キャッシュ・フロー合計額」となるので,減損損失は認識しない。
1.減損損失を認識するかどうかの判定と測定 (2) 割引前将来キャッシュ・フローの合計額 250,000円×3年=750,000円 よって,帳簿価額が割引前将来キャッシュ・フローを下回るので,減損損失を認識する。 (3) 回収可能価額 使用価値は250,000円×2.577(8%・3年の年金現価係数)=644,250円となるので,正味売却価額500,000円と比較して,大きい方である使用価値644,250円が回収可能価額となる。 2.P/L減損損失 (借)減損損失 75,750 (貸)機械装置 75,750 (注) 720,000円(帳簿価額)-644,250円(回収可能価額)=75,750円 |
【正しい解説】 1.減損損失を認識するかどうかの判定 (2) 割引前将来キャッシュ・フローの合計額 250,000円×3年=750,000円 よって,割引前将来キャッシュ・フローが帳簿価額を上回るので,減損損失を認識しない。 2.P/L減損損失 仕訳なし よって,減損損失はゼロである。 |
チェックポイント
「固定資産の減損に係る会計基準」では,蓋然性基準を採用しており,減損損失の認識の判定において,減損の兆候がある資産または資産グループについて,これらが生み出す割引前の将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に,減損の存在が相当程度に確実であるとして,減損損失の認識を求めている。
よって,本問のように回収可能価額が帳簿価額を下回る場合でも,蓋然性基準を満たさなければ,減損損失を計上する必要はない。