【簿・財 間違いさがしで実力チェック】第8回:固定資産①


ココが間違い!

備品の減価償却方法は200%定率法を採用しているが,期首帳簿価額に償却率(0.25)を乗じた調整前償却額が,期首帳簿価額を残存耐用年数(3年)で除した額を下回るので,当期から定額法により償却しなければならない。

1.決算整理仕訳
(2) 備品
(借)減価償却費  59,326
   (貸)備 品  59,326
(省略)
(注2)減価償却費
237,306円(期首帳簿価額)×0.25(200%定率法償却率)≒59,326円(切捨て)
2.P/L減価償却費
268,750円(建物)+59,326円(備品)=328,076円
【正しい解説】
1.決算整理仕訳
(2) 備品
(借)減価償却費  79,102
   (貸)備 品  79,102
(省略)
(注2)減価償却費
① 定率法による減価償却費
237,306円(期首帳簿価額)×0.25(200%定率法償却率)≒59,326円(切捨て)
② 定額法による減価償却費
237,306円(期首帳簿価額)÷3年=79,102円
∴ ①<②となるので,当期より定額法により減価償却を行う。

2.P/L減価償却費
268,750円(建物)+79,102円(備品)=347,852円

チェックポイント

200%定率法により減価償却を行う場合,取得当初は定率法により償却するが,その後,定率法による減価償却費が,残存耐用年数による定額法の減価償却費を下回る会計年度から,定額法に切り替える。税務上は備忘価額(1円)まで減価償却を行うが,本問では備忘価額を考慮しない点に注意すること。


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