公認会計士試験(論文式)に向けて2ヵ月でやるべきこと


株式会社M-Cass代表取締役 平井孝道


公認会計士試験短答式試験に合格された皆様、ひとつ関門を突破ですね。
当然ながら、次は論文式試験(11月14日・15日実施予定)が控えています。

私自身、短答式試験は突破できても、論文式で撃沈するという経験を何度もしております。
そこで、この記事では、受験される皆様が私のようにならずに、今年度の試験で突破できるよう、論文式試験合格のために、2ヵ月間でやるべき学習ポイントについて、計算科目と理論科目の2つの観点から述べさせていただきます。


1 計算科目の学習ポイントアドバイス

(1)実は、租税法は要注意です。財務会計論や管理会計論と比べて、短答式突破のためにほとんど勉強できていないという方が多いからです。
しかし、計算科目は点差がつきやすいので、法人税や所得税、消費税の計算はしっかりとやっておきましょう。
短答式試験あけは、租税法の学習に多くの時間が割かれることになるかと思います。

(2)財務会計論では、得点源になる典型論点があるので、その論点では確実に得点できるように準備しましょう。
例えば、棚卸資産の評価、有価証券、ヘッジ会計、減損会計、資産除去債務、リース取引、ストックオプション、退職給付などが典型論点として挙げられます。また、難しい応用論点(事業分離からの連結や在外子会社の連結など)に目がいきがちですが、典型論点で失点すると致命傷となるため、まずは、典型論点の知識習得度チェックをしっかりとやってください。

(3)管理会計論では、基本的な問題と現場思考の応用問題がセットで出題されます。
現場思考の応用問題は、その場で閃くことができれば解けますが、必ず閃きがえられるとは限らないため、基本問題(計算も理論)で確実に得点できることが重要です。
そうすると、本番の時には、後回しにした難しい問題に遭遇しても、多少の余裕をもって応用問題にあたることができます。
ちなみに、管理会計論では、問題文を読んで、資料を整理するだけでも大変なので、すべてを解こうとはせず、解ける問題を見つけ出し、そこから手を出して、確実に部分点を拾っていくという解答戦略も必要になってくるかと思います。
その意味で、過去問を使って、徹底的に解答戦略については練っておきましょう。

(4)計算科目共通として、過去問を使ってシミュレーションを何度もやっておきましょう。
本試験では、特に計算科目において、ボリュームなどの関係で全ての問題を解くことが困難な場合があります。
その場合、いかに点数の拾いやすい問題で部分点を取れるかが合否を握りますので、過去問を使って、問題の解く順番や計算用紙の使い方、どこまで捨てて大丈夫かといったことの検討などをしっかりとやっておきましょう。

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