税理士試験を受験するみなさんへ~本番前日の応援メッセージ(第1日目)


第1日目-簿記論・財務諸表論・消費税法

明日18日から、令和2年度(第70回)税理士試験が実施されます。
そこで、「会計人コース」でおなじみの講師の方々から、試験前日の応援メッセージをいただきました。
受験されるみなさんが実力を発揮され、これまでの努力が実ることを願っております。


簿記論・財務諸表論を受験されるみなさんへ

並木秀明 先生(千葉経済大学短期大学部教授)

簿記論について

毎年、定まった形式はない。基本的には、第一問が30分の総合問題、第二問が合計30分の個別問題の組み合わせ、第三問が60分の総合問題である。
事前にすることは、第一問、第二問、第三問の構成とボリュームを把握することである。
第一問は、こだわれば45分は時間を使うし、第二問も同様に45分の時間を使う。そうなると第三問は、残り時間30分となる。この時点で失敗である。
問題解法のための知識を前提または一定とすると、戦略で差がつくのが簿記論である。簿記論の難しいのは、時間配分である。
第一問が途中でも、時間がきたら、第二問へ移らなければならないのである。
第二問が途中でも、時間がきたら、第三問へ移らなければならないのである。
では、何分で第一問から第二問へ、また第二問から第三問へ移るべきなのか。「完全な対策はない」と知っておくことが、対策なのかもしれない。
個人的には、第一問に掛ける最大時間は35分、第二問も35分、残り時間の50分を第三問に割り当てるべきだと思う。
第三問は、50分では仕上がらないのは周知の事実である。それなら、配点の一番大きい「第三問から解けば良い」と考えることもできる。
しかし、第三問は、90分またはそれ以上に掛けることができる「大きな問題」であることが多い。
解法の順番を間違えると第一問、第二問は、白紙になる可能性もある。やはり、簿記論は、順序よく、第一問から解くべきであろう。
結果として終わった試験では、様々な意見が飛び交うのが簿記論の解法である。われわれが直面しているのは、未来の対応である。正攻法が最大の対策であることを強調しておく。

財務諸表論について

毎年、定まった形式がある。いうまでもないが、第一問、第二問は理論、第三問は計算である。
財務諸表論の時間配分は、第一問、第二問の理論に合計45分程度、残り時間75分を第三問の計算問題に掛けたい。
理論に60分以上を掛けたら失敗であろう。
このような目安はあるが、結果として終わった試験には理想が存在する。
簿記論同様に、未来の対応である。事前の決定は、悪いことではない。
しかし、「いつあるかわからない、とっさの好判断」は、正攻法から生み出されるのである。



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