税理士 竹田健司
この記事は、会計人コース2019年6月号特集「解答テクニック7」の記事から抜粋・再編集したものです。
はじめに
皆さん,こんにちは。池袋の開業税理士,竹田健司です。
私は元々,とある政令指定都市の地方公務員でした。そして働きながらの税理士試験挑戦。毎年2科目ずつ受験しておりました。そのため,勉強時間の確保も難しく,勉強スタイルも確立されていないことから,受験生1年目,2年目は本当に苦労しました。
そのような苦労を通して,獲得した点数UPの秘訣を公開致します。
もちろんすべての人が同じやり方で点数UPするものではありませんが,私はこのやり方で点数が大幅に上がって合格することができました。
参考になる部分があれば実際に試して頂き,ご自分に合いそうであれば,取り入れてみてはいかがでしょうか。
私は働きながらの簿記論・財務諸表論2科目受験で,自分なりに色々な試行錯誤を重ね,受験テクニックを取り入れようという作戦を開始しました。
それが「問題用紙の改造」です。
具体的に言うと,問題用紙に書き込み,すべてを問題用紙上で完結させる方法です。それまでは配布される計算用紙を用いたりもしていましたが,この方法を始めて以降,計算用紙は完全無視です。全く使いませんでした。
この方法を始めてから,自分でも驚くほど点数が上がり,普段の2時間の答練では時間が余るほどになりました。
テクニック1 問題用紙を切る
このおかげで税理士試験に合格し,現在の楽しい独立開業生活を過ごせているといっても過言ではありません。最初にこれを聞くと「えっ,問題を切る!?」と驚きを感じる方が多いと思います。問題用紙を切ることに抵抗を感じる気持ちもわかりますし,万が一ビリビリになっても怖いですからね。
切るのは,簿記論でいうところの第三問の決算整理前残高試算表のページです。切った問題用紙を横に置き,問題を解いたら金額を書き加えていくという方法で,最終的に出来上がったものに電卓を入れて解答用紙にそのまま転記するような流れです。
では,なぜ第三問の決算整理前残高試算表を切ることにより点数が上がったかと言いますと,
- 第三問は複数ページにまたがるので,ページをめくる時間が短縮できる。塵も積もれば山となり,これだけで数分の削減に。
- 切ったページは横にあるため,記載する際に視線が大きくずれないことによりケアレスミスの大幅減が実現。
- 切ったページ(決算整理前残高試算表)に電卓を入れると,そのまま解答用紙に転記できるため,集計ミスがなくなり,大幅な時間の短縮が可能。
この方法のおかげで本当に時間に余裕ができるようになり,問題の取捨選択もやりやすくなりました。
そして何よりケアレスミスがほとんどなくなりました。
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