楽しむ「テレワーク」


山本守之

 新型コロナウイルスの影響でテレワークをしています。
 この原稿も事務所ではなく自宅2階の机で書いています。
 こうなると面白いもので、事務所では考えなかった新しい考えが次から次へと生まれ、書くのが楽しくなっています。

 例えば、減価償却は、区切られた期間の費用を配分すると考えていましたが、自宅のデスクに向かうと変わってきます。

 昭和20年の改正取扱いでは、「損金ニ算入スベキ固定資産ノ減価償却ハ固定費ノ耐用年数ニ応ジタル償却歩合ニ依リ計算シタル額ヲ限度トス」としており、償却内容もかなり詳細に規定されています。
 この取扱いの内容は、昭和22年の改正に引継がれ、従来の取扱いがはじめて法令(施行規則)において規定されました。
 減価償却の目的が費用配分であったのです。
 
 しかし、企業が生き残りをかけるための市場の短命化のなかでは、「減価償却」を投下資本の回収と考えなければならないでしょう。
 4Kテレビを作る機械はそのまま使用するための期間とすれば10年は使えるでしょう。
 次の8Kのテレビに移る期間はせいぜい3年でしょう。
 そこで、機械に投資したものは3年で回収しなければなりません。
 会計分野で特に強調されているのが費用配分説で、このため、減価償却資産の耐用年数も通常維持、修理を行った場合の物理的年数を基礎とし、さらにこれに経済的陳腐化を加味した効用持続期間によって定められるとされるのです。
 こうなると「耐用年数」などという概念がいいのか、資本的支出と修繕費の区分も考えなくても良いといえます。

 コロナウイルスがこのような考え方を授けてくれると「テレワーク」も楽しい期間になってきます。
 事務所よりも自宅のデスクの方が大切になってきます。
 皆さんも「テレワーク」を楽しんでください。

<著者紹介>
山本 守之
(やまもと もりゆき)
昭和33年 税理士試験合格、同38年 税理士開業
日本税務会計学会顧問、租税訴訟学会副会長(研究・提言担当)、税務会計研究学会理事、日本租税理論学会理事を務め、全国各地において講演活動を行うとともに、千葉商科大学大学院(政策研究科博士課程)でプロジェクトアドバイザー (専門分野の高度な学術研究、高度な実務経験を持つ有識者)として租税政策論の教鞭をとっている。
研究のためOECD、EU共同体及び海外諸国の財務省、国税庁等を35年にわたり歴訪。
机上の理論だけでなく、現実の経済取引を観察し、公平な租税制度のあり方を考える。また、税理士の立場から納税者の租税法解釈権を主張し、法令や通達を無機質的に読むのではなく「人間の感性で税をみつめる」態度を重視している。
元々、国税職員であるが、一般試験を受験して税理士になったという経歴の持ち主。後輩税理士はもちろん、他の業界からも「もりゆき先生」「もりゆきさん」と慕うファンは数多。「法人税と消費税でわからないことがあれば、守之先生に聞け」とは税務関係出版社の全編集者共通の引継ぎ事項。著作は非常に多数。現在『税務弘報』に「守之アーカイブ」連載中。

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