はじめまして。税理士の前川秀和です。
事務所は、東京都中野区にあります。2016年6月に独立・開業し、今年(2020年2月現在)は4年目をひた走っているところです。
なぜ税理士だったのか
ミュージシャンの道をあきらめ(本当はまだあきらめていませんが…)、この業界に足を踏み入れたのが、ちょうど(?)29歳のときでした。30という壁に恐れおおののき、何か手に職を! と探し当てたのが「税理士」という資格でした。
大学は経済学部を出ていたため受験資格があったこと、公認会計士を受験していた友人がいたため専門学校で勉強すれば公認会計士や税理士になれると知っていたこと、親が自営業で税理士さんが出入りしていてその存在を知っていたこと等々、いろんな理由を後付けして、税理士への道を歩み出しました。まさか、こんなにも長い道のりになるとは知りもせずに。
29歳、簿記3級からの挑戦
30手前で始めた税理士試験のための勉強は、とても楽しいものでした。簿記3級からのスタート、はじめて知った簿記の仕組みにはちょっとした感動を覚えました。
2年ちょっとの受験専念ののち、都内の会計事務所に就職、結局その事務所には独立するまでの11年間お世話になることになります。
ファースト受験、1月から初学で簿記・財表・消費税を受講・受験するも、全科目不合格。セカンド受験で簿記・財表合格。サード受験で消費税合格。その後は法人税と固定資産税を受験し続けるも、最終的に5科目揃った時には、簿記3級の感動・衝撃から10年の月日が経っていました。その間には、結婚、出産(僕じゃなくて妻がですが)などもありました。合格発表の日、事務所をそっと抜け出し、電話で官報合格の報告をすると、妻はとても喜んでくれました。今思い出してもグッとくるものがあります。
「ガッツのようなもの」とともに
よくもまあ10年間も受験生活を続けたものです。もっとうまくやれたのかも知れませんが、適当に切り抜けた大学受験とか、昼寝ばかりしてた大学生活とか、なんかいろんな心残りを清算するため、僕にはこの10年間の無駄とも思えるあれやこれやが必要でした。
税理士試験、短期間で切り抜けるのがベストではありますが、長丁場になる方も多いと思います。あまり精神論的なものは好きではなりませんが、根性とか、諦めない心とか、往生際の悪さとか、気合いとか、そういったものが最後には物を言います。僕はそれを若干オブラートに包み、マイルドにして、「ガッツのようなもの」と呼んで密かに大事にしています。
あと「戦略的なもの」も
それから、「戦略的なもの」も大事です。僕が法人税を受かったときの勉強のテーマは、「試験に出るものしか勉強しない」です。
理論は、試験に出ないものはどんどんテキストを捨てて薄くしていく。受験勉強のなかで研ぎ澄まされているであろう勘や、講師のヤマなどを頼りに、テキストを薄くしました。出ないと思うけど捨てちゃうのは不安な部分は、自分流にコンパクトにまとめたものをテキストに挟んでおきました。実際、その部分が出題され、その短くまとめた行為も大いに役立って法人税に合格したので、この作戦は功を奏しました。