3.入試試験対策
通信制で唯一税法2科目免除に対応した大学院だったので,社会人に人気があり倍率は高めでした(3倍程度)。入試は小論文のみで,大学院から直接過去問3年分を取り寄せることができたので入手したところ,内容は毎年会社法の範囲から出題されていることがわかりました。
知人がいるわけでもなく,ネットが唯一の情報源だった私は,入試の対策もネットを満遍なく調べました。ブログや掲示板などから情報をかき集めたところ,対策として会社法の基礎知識をざっと勉強するとともに,小論文の練習が必要であることがわかりました。
小論文の練習については,過去問を解き添削を受けることで論証の仕方を学びました。実際の試験は「問いに素直に答え,筋道だった文章を書けること」が合格の条件だったと考えております。
入学後の修士論文の作成に必要な論証力の基礎を,既に入試の段階で試されていたように感じております。
4.大学院生活と仕事と家庭の両立
◆1年次は講義が中心
「この時期に修士論文作成の基礎をしっかりと学びましょう」
1年次の講義は前期後期で合わせて全7科目をWebで受講しました。1科目の講義数は15コマで,2ヶ月間いつでも視聴することができました。1科目を1ヶ月間で視聴(2日に1コマ)してからレポートに着手していました。レポートの作成に当たっては,週末に丸一日図書館にこもり必要な文献を集めてから,2〜3日かけて作り上げて提出していました(全ての科目でA4用紙5ページ以内だったと記憶しています)。
◆2年次は修士論文が中心
「しっかりと自己管理して早めに取りかかりましょう」
1年次の11月からは,修士論文のテーマ選びが始まり,2年次から本格的な執筆となりました。論文の作成中も節目節目のスクーリング以外は,自宅で自分一人で対応することになります。教授とのやりとりはメールか郵送で、一部を書いたら教授に提出して指摘を貰い,それを踏まえて訂正して再度提出するの繰り返しで徐々に論文ができ上がっていきました。私の担当教授はレスポンスが早く,一度論文を送ると遅くとも一週間以内には指摘を記述して送り返して頂けました。また,スクーリングで他の同級生も皆税理士になるという同じ志を持っていたので,お話しすることで大変な刺激を頂けました。
通信制は社会人にとっては,時間の面などで大きなメリットがあります。その反面、基本的にレポートも修士論文も一人でやることになるので孤独ですし,自己管理が欠かせません。自分でやろうとする気持ちが足りないと,通学の大学院と比べて成果を出しにくいので,その点を意識する必要があります。
◆大学院在学中は
「大学院での勉強の優先順位を一番に持ってきましょう」
私を含め,同級生のほとんどの人はお仕事をしておりまた家庭もありました。しかし,在学中は大学院での勉強の優先順位を一番にしなければとてもやり切れないと感じました。仕事の業務時間の管理や,家族の理解も大事になってきます。また,私の場合税理士試験の勉強も並行しており,1年次の入学直後から8月の試験までの数ヶ月間は本当に死に物狂いでした。何とか1年次に合格できたので良かったのですが,万が一不合格で修士論文の執筆と被っていたらさらに大変な苦労を強いられたと思います。