Q5 本書を使いこなすために知っておきたい基礎知識②:法令のしくみと条文の読み方について教えてください。
A 法令等の構成と会社法・金融商品取引法の関係を図解すると、次のとおりになります。
法令等の条文は、箇条書きの形になっており、この箇条書きのことを「条(じょう)」といいます。そして、1つの条を内容に応じて区分する必要がある場合を「項(こう)」といいます。
条または項の中で、いくつかの事項を列挙する場合、「一、二、三・・・・・・」と漢数字で列記し、これを「号(ごう)」といいます。
具体例でみてみましょう。
(配当等の制限) 会社法第461条 次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。 一~八 (省略) 2 前項に規定する「分配可能額」とは、第1号及び第2号に掲げる額の合計額から第3号から第6号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。 一 剰余金の額 二 臨時計算書類につき第441条第4項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額 イ 第441条第1項第2号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額 規116・計規156 ロ 第441条第1一項第2号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額 三~六 (省略) (臨時計算書類の利益の額) 会社計算規則第156条 法第461条第2項第2号イに規定する法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額は、臨時計算書類の損益計算書に計上された当期純損益金額(零以上の額に限る。)とする。 |
上記の下線部分は「会社法第461条第2項第2号イ」といいます。なお、本文の根拠規定を示す場合「会社法461②二イ」と略記する場合もあります。
なお、この条文の後ろに「規116・計規156」とあるのは、法律と政省令の委任関係を示します。つまり、「会社法461②二イ」は「会社法施行規則第116条」と「会社計算規則第156条」に委任されていることを示します。