連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第141回)ー 自己株式⑥


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

自己株式処分差益はなぜ資本剰余金として処理されるか?

解答・解説

自己株式処分差益は,自己株式の処分が新株の発行と同様の経済的実態を有する点を考慮すると,その処分差額も株主からの払込資本と同様の経済的実態を有すると考えられるため。ただし,資本剰余金のうち,資本準備金は会社法において分配可能額からの控除項目とされ,その他資本剰余金は控除項目とされていないため,自己株式処分差益はその他資本剰余金に計上する。

*自己株式会計基準37項,38項
『自己株式の処分を“新株の発行”としてとらえ,株主からの払込金のうち資本金・資本準備金となっていない部分のこと』(桜井23版,263頁)

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
9.研究開発費会計①‐⑦
10.繰延資産①‐⑦
11.退職給付会計①‐⑥
12.資産除去債務①‐⑥
13.税効果会計①‐⑥
14.ストック・オプション会計と役員賞与(報酬)会計①‐⑧
15-1.自己株式①
15-2.自己株式②
15-3.自己株式③
15-4.自己株式④
15-5.自己株式⑤

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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