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税理士試験に合格した漁師
【編集部より】
税理士試験まであと1カ月ほどとなりました。受験生の皆さんは追い込みに余念がないと思います。そこで、本記事では合格者の方々が本試験直前にどのような勉強に取り組んでいたかをご紹介いただきます。ぜひ参考にして、残りの時間を効率よく勉強し、本番まで突き進んでください!
税法3科目一発合格へ!
私は簿・財合格後に国税徴収法、相続税法、法人税法を受験して全て一発合格しました。税法は簿・財に比べて合格が難しいですが、時間をかけてやるべきことをしっかりとやれば一年で合格できます。
今回の税法編では税法共通の受験対策の考え方と1ヵ月前の勉強法を科目ごとに分けてご紹介します。
税法共通の受験対策
ざっくりと説明すると、①勉強時間を確保する、②理論はA・Bランクを完璧に覚える、③計算は基礎を完璧にする、の3点です。
理論を覚えたり計算力を養うには勉強時間が必要です。一定の水準に達するまでの速さには個人差がありますが、時間をかければ誰でも合格水準に到達できるのが税理士試験だと思います。
税法に合格するためには絶対的な勉強時間が必要なので本気で税理士試験に合格したい方は勉強時間の確保を何よりも優先すべきです。私が考える勉強時間の目安は国税徴収法400~600時間、相続税法600~1,000時間、法人税法1,400~2,000時間です。
税法は理論が書けて計算の取りこぼしが少ない人から受かります。理論を多く覚えた上で、計算は基礎問題を中心に得点を積み上げればボーダーラインを超えられます。
理論は覚えた分だけ他の受験生との差を広げて合格可能性が上がるのでコスパの良い受験対策になると考え、私は理論集に掲載された理論のうち予備校講師が暗記不要と言った理論以外は全て覚えていました。
私の受験対策はスケジュールを逆算して「〇月までにこの状態にする」というように目標を立て、ほぼ達成しながら勉強を進めてきました。特に6月のTAC全国模試の時点で理論はすべて覚え終えるようにしていました。
勉強スケジュールは、年内は計算中心、年明けから理論暗記を進めるようにしていました。理論暗記は年内から進めると暗記の維持が大変なので年明けからひと月に20~30題程度を覚えて定着させる感じでした。
暗記のしやすさは法人税法、相続税法、国税徴収法の順に簡単でした。暗記のペースは、法人は1ヵ月に30題、相続は20題、国徴は10題くらいです。
法人は計算と理論の関連が強いので暗記がしやすく、相続は計算との関連が薄くて内容が難しく、国徴は手続規定が多くてつまらないため暗記に時間がかかりました。
私の理論暗記方法
少し脱線して私の理論暗記の方法を紹介します。年内は確認テストで書けるようにするために一度覚えた後は覚えなおしません。テスト用に暗記した理論は忘れてOKです。二度と忘れないように定着させるのは予備校の授業が休みになる年末年始からで、ここで覚えた理論は忘れないようにします。
暗記のスケジュール(1週間)は1週間1セットで考えて、1ヵ月の暗記目標に合わせて1日に覚える理論を調整しながら進めていきました。
例えば、月曜に1題(便宜上A理論とします)を覚えたなら火曜に覚え直し、水曜に別の理論(同B理論とします)を暗記、木曜にB理論覚え直し、金曜にA理論の暗記を確認、土曜に新しい理論(同C理論)を覚え直し、日曜にABC理論の暗記を確認する…という流れです。暗記のスケジュール管理は日記帳で管理していました。
理論の覚えやすさにより1日に何題覚えられるかは理論次第なのですが、大まかな暗記の流れはこのような感じです。一度覚えたら翌日、3日後、1週間後、というように徐々に期間をあけて暗記できているかを確認します。これを私は理論回しと呼んでいました。
理論の覚え方は立ちながら声に出して暗記する方法で行い、理論を回す時も理論集の文面をハガキ等で隠しながら理論を声に出して暗記が正確にできているかを確認しました。やり方は人それぞれですが、理論の文章を隠しながら暗唱を繰り返すことで理論集のページを目で覚えられるようになるので私はこのやり方を徹底しました。
科目ごとの勉強方法
国税徴収法
国税徴収法はだいたい理論9割、計算1割というくらい理論の割合が多い科目なので理論を覚えれば勝てると考えて勉強を進めました。
資格の大原、TACの理論集に載っている理論は5月には全て暗記が終わり、7月は理論回しを一日10題ずつ行っていました。合わせてTACの直前対策テキストに掲載された新しい理論や趣旨などを覚えていきました。大原の応用理論問題集も良くて、重要な問題をまとめて掲載してくれているので直前1ヵ月の間に数回解けば十分な試験対策になります。
過去問も重要で、当時の国徴の本試験は似たような出題が繰り返されていたため、過去問20年分を一日に2~3年分くらいのペースで解いていました。解くと言っても腰を据えて解くのではなく、問題を読んで理論の柱上げ(理論のタイトルを書くだけ)をするだけです。1年分を30分くらいで解く感じなので勉強の負担感は少ないので1日に3年分くらいできます。
直前期の答練も初回はしっかりと解答用紙を使って解くのですが、2回目からは理論の柱上げだけをして1日に3回分を解く感じで進めていきました。TACと資格の大原のすべての答練は3回は解いたと思います。
まとめると、7月の勉強法としては、①理論はABCランクを回す、②過去問と応用理論問題集を解く、③答練を回す、の3点を重点的にやり抜きました。
やっておいて良かったこととしては答練を解き直した際に「いい問題」と感じた答練はクリアファイルにまとめ、本試験1週間前の時期に集中的に見るようにしていました。
「いい問題」と感じるポイントは結論を間違えたり、新鮮味のある問題、本試験に出そうな問題です。解き直し後には答練の表紙に理論のタイトルを書き、論点ごとに重点的に復習したい場合に役立てました。本試験は平易な問題が多く、満点に近い出来でした。
相続税法
相続税法は法人税や所得税の合格者が最後の科目に選ぶ傾向にあり、理論、計算どちらも仕上がっているのが前提で、問題との相性により合否が決まるような科目です。正直、受かるべくして受かる人はそれほど多くなく、運要素の強い科目です。
私自身は相続税法の受験勉強を始めたのが3月と大きく出遅れたため、理論を3~5月で覚えて計算は後回しにしていたので一番大変な試験となりました。7月になっても基礎が固まっていないため大原の総まとめ問題集をひたすら回し、難しい答練の計算問題は解き直さずに放置していました。
ただ、直前対策用のテキストは熟読して計算式など覚えられるものは覚えて本試験に臨みました。結果として理論はABCランクを全て覚えましたし、計算も基礎を徹底したので本試験もボーダーラインを5点ほど超えて合格しました。
令和6年の本試験は計算が解きやすいため基礎に力点を置いた私と相性が良かったと感じています。
一方、当時の後悔としては理論の事例問題の対策が不足していた点で、本試験でも理論の解答を大きく間違えてしまいました(Cランクの問題のため致命傷にはならず)。
とは言え、本試験には独特の解きづらさがあり、予備校の答練では事例問題の対策が難しいようにも感じます。本試験で何を書けば良いか分からない問題があった時は思いついた理論をサラッと書き、「ほかの問題に時間を使える」と前向きに捉えると良いかもしれません。
法人税法
法人税法は私の受験した税法の中で一番安定した科目でした。5月頭には全ての理論を覚えていましたし、答練も常に上位10%以内に入っていました。何か分からなければ講師にメールや電話で聞くようにして常に疑問の解消に努めていたので受かるべくして受かったと感じています。
とは言え、法人税法は7月になっても新規の論点が出てくるため直前期の辛さは他の税法とは一線を画します。私は合格確実点を超えて合格したかったので全ての論点を覚えて本試験に臨みましたが、これはあまり良くなかったと思います。
令和7年の本試験は各論点の適用可否を問うような問題が多く、一つ一つの論点の知識を十分に押さえていないと失点する問題が多くみられました。私は押さえる論点の範囲を広げすぎたことで基本的な知識が抜けてしまい、計算が伸びませんでした。
それでも理論が8割強、計算は7割強取れたので、合格確実ラインを超えて合格きました。
7月の勉強方法としては、理論を1日に10題程度回して計6日で1周、1日を予備日(暗記不十分なものの暗記にあてたり休みの日にする)とする1週間1サイクルの理論回しをしていました。
計算は講師から「総合問題が大切」と言われたので答練をひたすら解き直していました(※令和7年の試験は個別型の試験で最近は個別重視の傾向です)。
だいたい一日に1~2つの答練を解いていました。新規の答練も安定して上位に入れていたのでトラブルが無ければ受かる状態にはあったと思います。
私は理論をすべて覚えて試験に臨みましたが、これも法人税法においては効果的ではないです。法人税の受験生の方にお伝えしたいこととしては、理論はA・Bランクを徹底し、計算は基礎を徹底することです。
理論はCランク無視で大丈夫です。令和7年本試験では白紙解答の人も受かっています。分からなければ何も書かずに別の問題に時間を使うようにして解ける問題が解ければ受かります
計算も直前期で学習する新規論点は本試験ではほぼ誰も解けないので無視で構いません(緊張しながら馴染みのない問題に手を付けて得点できなければ致命傷になります)。直前期で習う論点の意味は「本試験で出たら無視をする論点を知る」ということです。
法人税法は理論も計算もAランクが取れれば合格できる科目なので、余計なことをせずに基本を固めることが重要です。
受験生が消費税法に次いで多く、消費税法よりも合格率が高いため比較的受かりやすい科目であるため、基本を大切にした勉強が重要になります。法人税法の講師に聞いたところ、初学者ほど色んな問題に手を付け、多くの理論を覚えようと無理な勉強をする傾向にある一方、受験経験者は覚える理論を絞り、理解を深める勉強をするそうです。
法人税法は簿・財のようにみんなが解ける問題を解ければ受かるので、理論計算どちらもA・Bランクを重視する勉強を進めるのが効率的だと思います。
【プロフィール】
税理士試験に合格した漁師
漁業の仕事のない期間に資格を生かした仕事をしたいと考え、繁忙期の重ならない税理士の資格取得に向けた勉強を開始し、2022年の受験から4年で税理士試験に合格(簿・財、国税徴収法、相続税法、法人税法)。現在は北海道で漁業に従事しながら税理士法人に所属し、税理士登録に向けて実務経験を積んでいます。漁業を中心に1次産業専門の税理士になれるように勉強しています。
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