『今日からちょっとやってみて! ★YouTuber税理士うば先生が教える経理のポジティブ仕事術』-第3回“ミスゼロ付箋ノート”の作り方


うば としこ(税理士)

経理の仕事をするには、業務の知識はやっぱり必要。
でも、知識はあってもそれだけで成果が上がるわけではありません。
仕事を円滑に進め、成果をあげるためには、業務知識のみならず、ぜひ知っておきたい仕事のコツがあるのです! 本連載では、今週5回にわたり、うばとしこ先生(税理士・人気YouTuber)に経理パーソンがすぐに実践できる仕事術について解説していただきます。

先生、私、税理士試験の勉強をしながら中小企業の経理をしています。最近試験のことで気をとられて、大きなポカをしてしまいました・・・。

そういうこと、あるわよね。両立は大変だから・・・。

どうすればミスを防げますか?

私は“ミスゼロ付箋ノート”を作っていたわ!

イラスト担当:ハシケン(コンテアニメ工房/株式会社Create Archives)

うば先生のアドバイス

大反響の“ミスゼロ付箋ノート”

 以前、『日経WOMAN』様で取り上げていただいた独自の管理方法。それが「ミスゼロ付箋ノート」です。
 税理士事務所勤務時代のものですが、中小企業の経理担当者にはぴったりの方法だと思うので、こちらでもシェアします。

≪用意するもの≫
① カレンダー機能付きのノート(1日のマスが大きく、付箋を貼ってもまだ余裕があるもの)

〇お勧め品
コクヨ エッジタイトルノート
マルマン ノート デ ダイアリー A5 プラスチックバインダー

② 付箋(半透明で書き込みしてもにじまないものがお勧め)

〇お勧め品
ニトムズSTALOGY ふせん 半透明

③ にじまないペン(長く使う付箋なのでより鮮明に書きたいというこだわりから・・・)

〇お勧め品 
ステッドラー ピグメントライナー 03㎜

 経理の仕事は常に日付が重要な役割を果たします。
 請求書発行日、請求書受取の〆日、支払日、給料日、売掛金の入金日、納税期日、借入金の返済日、各種契約の更新日、各種自動振替日など。
 その月によって暦の影響を受けるため、月末の予定が月をまたぐこともありますし、銀行が混み合う日などもあらかじめチェックしておく必要があります。
 そのため、細かく、いつ何をするということを把握しておくと安心ですし、うっかりミスを防ぐことができます。

どうやってつくるの?

 まず、②の付箋に「毎月発生するタスク」を③のにじまないペンで、1つずつ書き出します。
 ポイントはあまり抽象的なタスクにしないことです。
 「決算の準備」というタスクでは、抽象的で何をするのかが明確でないことから、何日もかかる場合もあるため、なかなかコンプリートすることができずにモチベーションが下がります。
 長くても半日くらいで終わる程度のタスクに分け、付箋に書き出します。
 あわせて、月数を書いておき、終わった月にチェックを入れられるようにしておきます。

 さらにそのタスクを「いつ」やらなければならないのかを決め、①のノートの日付のマスに貼っていきます。
 タスクを終えたら、その付箋に「済」の印鑑など好きなマークで消していきます。

 たとえば私のノートはこんな感じです。

 そして、ここからがポイントです。
 経理のタスクは継続的にやることが多いので、当月分が完了したら、翌月やるべき日付のマスにその付箋ごと貼り直しておくことです。そうするだけで、あらためてタスクを書く必要がないのです。
 写真では11ヵ月分チェックできるようになっていますから、次に同じタスクを書き出すのは11ヵ月後で良いということになり、書く時間を省くこともできます。
 ちなみに、すべての期日分をコンプリートしたら、新しい付箋に同じタスクを書き、終わった分は破棄しています。

 タスク管理はアプリなどもたくさん試しましたが、結局アナログじゃないと不安な性分で、いまのところはこれが最高だと思っています。
 デジタルにすると、まずはスマホやパソコンを確認する環境を準備しなきゃならない、活字はすべて正しい情報のように美化されて眼に入ってくるため間違いを発見しにくい、操作ミスが致命傷になりかねない、アプリの機能を熟知していない限りどんな落とし穴があるかわからない、といったデメリットを感じているためです。
 デジタル時代に反していてお恥ずかしい話ですが、私の場合は、幼い子供の子育てとの両立を考えると、スマホを見なければ大切な情報にアクセスできない環境では、その都度、子供達にスマホをおもちゃにされるリスクと隣り合わせ……ということも大きな理由です(笑)。
 子供が大きくなったらもっとデジタル化できるかもしれませんね。
 ともかく、最終目的は効率よくタスクを管理してうっかりミスをなくすことなので、自分に合う方法を追求していただければと思います。

<著者紹介>
伯母 敏子
(うば としこ)
税理士。大学卒業後、大手リース会社の営業職、税理士事務所への転職、結婚、出産を経て、2016年4月に税理士登録、2017年11月に独立開業。主に法人税務顧問のほか個人事業主を対象とした経理サポートのオンラインサロン「ゆるふわ経理部」を主宰。YouTube「ゆるふわチャンネル」を機に全国各地でセミナー講師を担当。各種媒体への執筆も積極的に行う。
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●バックナンバー
第1回 はじめて経理の仕事をする際の心得
第2回 税理士試験の勉強や実務の知識は小学生に教えるつもりでインプット!


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