「勉強したいのに、ついスマホを触っちゃう……」デメリットを活かすスマホ勉強法とおすすめアプリ4選


堀井 博一

最近取り入れる方も増えてきた「デジタル勉強法」。
気になっている方も多いと思いますが、「デジタル」とひとくちに言っても、スマートフォンがあったりタブレットがあったり、アプリもたくさんあったりと、何をどうすればよいのか悩みどころですよね。
そこで、「簿記の教室メイプル」ネット講座をシステム面でサポートされ、また受講生からのデジタル学習に関する相談にも対応されているITストラテジストの堀井博一先生(通称:ひろりん先生)に、記事をご執筆いただきました。
今回は、気軽に取り入れられる「スマートフォン」を使った勉強法やおすすめのアプリをご紹介いただいております。(編集部)

◆◆◆

みなさんは「デジタル勉強法」と聞いて、どのような勉強法をイメージするでしょうか?

なにかハードルが高い勉強法、もしくは導入するために高い費用がかかる勉強法だとイメージする方も多いのではないでしょうか。また、iPadなどを使ったタブレット学習をイメージする方もいるかもしれませんね。

今回は必ずしもハードルが高くない勉強法、また手持ちのスマートフォン(以下、スマホ)を使った勉強法をいくつか紹介したいと思います。

最初からすべてを取り入れる必要はありません。「これなら自分でもできそうだな」と思うものがあれば、まずはそれを日々の勉強の一部として取り入れてみましょう。

いまやスマホは誰もが持っているといっても過言ではありません。しかし、そのスマホを十分に活かせているでしょうか? スマホはパソコンと同じようなものです。高性能な機器、ガジェットなのです。それがいつも手元にある。利用しない手はありませんよね。

しかし、スマホを勉強に取り入れる際に気をつけないといけないこともあります。それは依存してしまうということです。勉強のついでに、ついついSNSのアプリを開いて、だらだらと時間をつぶしてしまう。そうならないように、勉強と息抜きを意識して区別する必要があります。

ということで、まずはSNSを勉強に取り入れる方法を紹介していきます。

代表的なSNSとしてはTwitter・Instagram・Facebookなどがあります。最新の情報収集にSNSは最適なツールです。そのSNSでは、「勉強アカウント」を作って、自身が勉強したことをアウトプットしている人たちがいます。

たとえばTwitterで「#簿記」(単に「簿記」でもよいです)と検索してみてください。すると、簿記試験に関する情報に加えて、今日どんな勉強をしたのか、アウトプットしている人がたくさんいることがわかります。

現在、わたしは「簿記の教室メイプル」という資格学校をサポートしています。その学校でもTwitterを利用して、勉強のモチベーションをアップさせる工夫をしています。そのなかのひとつがハッシュタグ「#」を使った勉強報告ツイートです。

(ユーザーに掲載許可済)

「#簿記の教室メイプルtwitter校」というハッシュタグを付けてツイート(アウトプット)することで、仲間に勉強したことをアピールでき、インプットした内容も明確になります。お互いにツイートすることでモチベーションを高めあう相乗効果が生まれ、仲間と切磋琢磨できる環境が作り出されています。

さらには、勉強してわからないこと、質問したいことがあった場合、簿記の教室メイプルでは自社のテキスト・問題集に限った話ではありますが、質問ツイートをすることで、それを見た講師や仲間が回答するという動きも生まれています。

質問を文字にする、また回答を文字にすることは意外と難しいものです。相手にうまく伝わるように文章を書かなければ、的確な回答も返ってきません。

また、質問を文字にする過程で「自身で解決してしまう」という現象をたくさん見てきました。情報整理できていなかったものを文字にすることでそれがうまくいき、自然と解決できてしまうのです。

勉強アカウントが気になった方は、ぜひ「#簿記」で検索してみてくださいね。そして、そのなかに勇気を出して入ってみましょう。

次に紹介するのはアプリを活用する方法です。

スマホの種類には大きく分けて、iOSを搭載するiPhoneAndroid OSを搭載するAndroidスマホがあります。それぞれのアプリストアで提供されているアプリに差はあるものの、同じようなアプリを探すことができます。

今回は、iPhoneとAndroidスマホの両方に提供されているアプリを4つ紹介したいと思います。なお、わたし自身はAndroidスマホを利用しているため、紹介する画像や動画はAndroidスマホ上でのものとなりますが、iPhoneでもさほど変わらないと思いますのでご安心ください。

①「かんばん」でタスクを視覚化 Trello(トレロ)

勉強でテキストを開くと、まず飛び込んでくるのは「目次」です。さらにテキストを読み進めていくと細かい論点がたくさん含まれています。

「今日はここまでやる」「ここまでできた」といったタスク・進捗管理は勉強には欠かせません。また、「どこまで理解できているのか」「また理解できていないのか」の線引きも非常に大事です。

ここで紹介するアプリはTrello(トレロ)といって、スマホでも簡単にタスク管理ができます。

たとえば、進捗管理として「勉強予定」「勉強中」「勉強完了」という3つのステータスを作成します。スマホを横画面にすると、より見やすくなります。

最初は「勉強予定」にすべての論点が集まっています。中身の論点カード(「簿記の流れ」や「現金預金」など)は自身で作成する必要があります(作成は簡単です)。この1つひとつの論点カードを「かんばん」と呼びます。かんばんは、指で長押しして簡単に他のステータスに移動させることができます。

また、「弱点」というステータスを追加作成すれば、そこにかんばんを移動させて弱点論点を明確化することもできます。

【動画】紹介した一連の流れ

Trello(トレロ)
iPhone
Androidスマホ

②スキャンしてどこでも勉強 Microsoft Lens

テキストや問題集を持ち歩いて、外出先でも勉強したいという人はいるかと思います。しかし、テキストや問題集は重くて、できれば持ち歩きたくないですよね。それがスマホの中に入れば移動も楽になります。

出版社がテキストなどをPDFでも提供していることもありますが、まだまだ少数派です。その場合、まず思いつく方法はテキストを写真アプリで撮影する方法です。しかし、ただ写真アプリで撮影するだけでは、ななめに写ったりして見にくくなってしまいます。

そこで大活躍するのがスキャンアプリです。

代表的なスキャンアプリとしてはMicrosoft Lens・Adobe Scan・CamScannerなどがあります。そのうち、今回はMicrosoft Lensを紹介します。

なお、テキストすべてをスキャンアプリのみで撮影・スキャンするのは非効率的です。そのため、暗記したいページ、また弱点論点のページなどを抜粋したうえでスキャンするよいでしょう。

スキャンアプリのメリットは、ななめに撮影しても、あとから簡単に全体の角度調整ができ、正面から撮影したように見えることです。そのため、読みやすい状態でスマホに保存できます。また、画像としてではなく、PDFとして保存することも可能です。

まず、Microsoft Lensを起動して撮影してみましょう。この時点では、ページはななめになっています。

それを白い枠内にページが収まるように調整します。完了すると、正面から撮影したように、修正されます。

Microsoft Lens
iPhone
Androidスマホ

③自分で問題を作る Quizlet(クイズレット)

Quizlet(クイズレット)は暗記に最適なアプリです。

自身でカード形式の問題と解答を作成します。また、このアプリのすごいところは音声で問題や解答を読んでくれることです(多少の読み間違いはあります)。

たとえば、よく間違える問題と解答を作成して、紙の単語カードのようにパラパラとめくって勉強することができます。

カードをタップすると、裏に書かれた解答が表示されます。

さらに、問題と解答は他者に共有(シェア)することも可能なので、勉強仲間と切磋琢磨するツールとしても活用できます。

Quizlet(クイズレット)
iPhone
Androidスマホ

④マインドマップで体系的に覚える Mindly

マインドマップは、複雑な情報を体系的に、視覚的に整理できるツールです。

マインドマップを作れるアプリはたくさんありますが、スマホを使うのであれば、「Mindly」が直感的に、また簡単に作成できるのでオススメです。

たとえば、「資格」というテーマでマインドマップを作ってみます。

中心となる「資格」の周りのプラスマークをタップすると、テーマが派生していきます。今回は、「会計系」と「法律系」を追加します。

さらに「会計系」からテーマを派生させます。

もちろん、マインドマップ全体を見ることもできます。

【GIF】Mindly使用イメージ

Mindly
iPhone
Androidスマホ

気軽に始めてみよう!

今回は、デジタル勉強法のスマホ編として、スマホでできる勉強法をいくつか紹介しました。

もちろんこれだけではなく、最近ではスマホのカメラで自分の勉強している姿を映し、オンライン自習室のような雰囲気で仲間と勉強する風景も、よく見かけるようになりました。ちなみに、簿記の教室メイプルでもオンライン自習室を開設しています。

スマホでの勉強は気軽に始められるメリットがあります。少しでも気になるアプリがあれば、とりあえずインストールして試してみる。使えそうであれば、そのまましばらく使ってみる、合わなければアンインストール、と積極的に試してみてください。

そうすることで自分に合ったデジタル勉強法がきっと見つかるはずです。

そして、よいデジタル勉強法が見つかったら、ぜひわたしにも教えてくださいね。SNSでお待ちしています!

<執筆者紹介>
堀井 博一(ほりい・ひろかず)
ITストラテジスト
明治大学文学部卒業後、海底ケーブルメーカー、自動車部品メーカー、IT系専門商社にて生産管理、総務人事を経験。IT系資格最高峰のITストラテジスト試験に一発合格。日商簿記1級・全経簿記上級を取得し、現在は、簿記の教室メイプル(通信講座)でグループウェアを使った講座システムの運用サポートをメインに、受講生からのデジタル勉強環境や学習内容などに関する質問に幅広く応じている。趣味は読書、ガジェット・アプリ研究、企業分析など。読書は年間100冊以上。

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