今日から9月!
令和3年度の税理士試験が8月に終わり、この9月から気持ち新たに来年度の試験に向けてスタートを切る方も多いはず。
また、税理士試験に興味をもって会計人コースWebを見たけれど、まだ試験のことをよく知らない、何から手をつければよいのかわからない……などと思っている方もいませんか?
そこで、本記事では、編集部が「税理士試験」に関する疑問にQ&A形式でお答えします!
少しでもお悩みを解消し、“新年度”に気持ちよく突入しましょう!
Q1 「税理士」になる方法は?
まず、税理士になるには、3つの方法があります。
1つ目は、税理士試験に合格する方法です。これが、もっとも一般的な方法だと思います。税理士試験といっても、試験科目のうち5科目(会計2科目+税法3科目)に合格するか、大学院に行って会計科目・税法科目の一部免除を受けて5科目合格とする方法があります。
2つ目は、公認会計士あるいは弁護士の資格を有することです。これらの資格は、それぞれの試験に税務に関する内容が含まれているため、要件を満たしたうえで税理士登録をすれば「税理士」を名乗ることができます。
3つ目は、税務署等で国税従事者として勤務した経験があることです。「税務署OB税理士」といわれ、一定年数以上、国税庁や税務署に勤めた税金のスペシャリスト! 国の財政基盤を支える仕事に就いたのち、要件を満たせば税理士試験を免除されます。
Q2 税理士試験っていつあるの?
税理士試験は年に1回、例年8月、連続3日間で実施されます。令和3年度(第71回)の試験は8月17日(火)~19日(木)に行われました。
【例年の主なスケジュール】 4月:官報公告&受験案内交付 5月:申込受付 8月:試験 12月:合格発表 |
Q3 税理士試験の内容は?
税理士試験の科目数は11科目あり、すべて試験時間が2時間の筆記試験です。この11科目のなかから5科目に合格することで税理士試験に合格となります。ちなみに、税理士試験5科目に合格すると「官報」に受験番号と氏名が掲載されるので、「官報合格」ともいいます。
会計科目 ・簿記論(必須) ・財務諸表論(必須) |
会計科目はともに必須科目であり、簿記論・財務諸表論の両方に合格しなければなりません。
税法科目(9科目) ・法人税法(選択必須) ・所得税法(選択必須) ・相続税法 ・消費税法/酒税法 ・国税徴収法 ・住民税/事業税 ・固定資産税 |
法人税法・所得税法は選択必須科目であり、どちらかには合格する必要があります。税法科目は、法人税法or所得税法とあわせて3科目に合格しなければなりません。なお、消費税法と酒税法、住民税と事業税は、どちらか1科目しか受験できません。
……ひと目で科目数が多いことがわかりますね。とくに税法科目の場合、どの科目を受験するとよいのか、悩む人も多いと思います。実際のところ、科目によって特徴はさまざまで、受験した科目がその後の実務に影響することも。
科目選択に悩まれた際は、こちらの記事が参考になるかと思います。
Q4 5科目一気に合格する必要があるの?
いいえ、税理士試験は一気に受験・合格をする必要はありません。実際、5科目に一気に合格しようとなると、現実的にはかなり厳しい状況になるでしょう。そこで、税理士試験には他の試験にはない特徴があるのです。
【特徴1】受験科目を選べる!
税理士試験は、必須科目以外の科目を自由に選ぶことができる「科目選択制」です。難易度や自分の得意不得意などを考慮して受験することができます。
【特徴2】科目合格は一生モノ
税理士試験は、一度の受験で5科目すべてに合格しなくてもよい「科目合格制」です。また、科目に合格すると、それは一生有効です。そのため、毎年1科目ずつ受験する人や複数科目まとめて受験する人、また、一度受験したのち少し期間をあけてから受験を再開する人など、受験生のタイプもさまざまです。
Q5 受験資格はどうなっているの?
税理士試験は誰でも受験できるわけではなく、受験資格が必要になります。受験資格は大きく3つに分けられます。
① 「学識」による受験資格
いずれかに当てはまる
・大学、短大または高等専門学校を卒業し、法律学または経済学に属する科目を1科目以上履修した者
・大学3年次以上の学生で、法律学または経済学に属する科目を含め62単位以上取得した者
・専修学校等で2年以上かつ1,700時間修了し、法律学または経済学に属する科目を1科目以上履修した者
・司法試験合格者
・公認会計士試験短答式試験合格者
② 「資格」による受験資格
いずれかに合格
・日本商工会議所が主催する簿記検定試験1級
・全国経理教育協会が主催する簿記能力検定試験上級
③ 「職歴」による受験資格
いずれかに通算2年以上従事
・弁理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、不動産鑑定士等の業務
・法人または事業を営む個人の会計に関する事務
・税理士、弁護士、公認会計士等の業務の補助の事務
・税務官公署における事務またはその他の官公署における国税もしくは地方税に関する事務
・行政機関における会計検査等に関する事務
・銀行等における貸付け等に関する事務
これまで税理士試験の内容や受験資格などについてサクッと紹介してきましたが、いかがでしたか? 本記事で少しでも試験に関する疑問が解消できたのであれば幸いです。
また、受験資格がないからとあきらめなくても大丈夫。まずは、日商簿記検定、全経簿記検定の受験を検討してみてはいかがでしょうか? これらの試験範囲は税理士試験の試験範囲でもありますので、将来の税理士試験の学習にも役立つはずです。年に複数回とチャンスも多いので、力試しで受験する方も大勢います。ぜひチャレンジしてみましょう!