【公認会計士試験(短答式)合格発表!】結果を受けた受験生が今すべきこととは?


藤木 広
(資格試験のFIN主任講師/公認会計士・税理士)

令和3年公認会計士試験(短答式)の結果はどうだった?

5月23日(日)に実施された令和3年公認会計士短答式試験の結果が発表されました。

令和3年公認会計士試験短答式試験の合格発表等について

合格者数は2,060人で、答案提出者数9,524人の約21.6%です。

これは令和2年短答式試験の第Ⅰ回と第Ⅱ回の属人ベースでの合格者数1,861人、合格率約21.8%とほぼ同水準です。

受験者数の増加によって合格者数が増加している影響もありますが、やはり、例年は2回実施されるところが1回実施となった短答式試験で、例年どおりの受験者数(3,800人程度)を論文式試験に進ませる方針であったことがうかがえます。

8月の論文式試験に進む受験生へ―科目合格狙いも選択肢に―

短答式試験に合格された方々は、大きく「短答式試験対策に絞って学習してきた方」と「論文式試験も見据えて学習をしてきた方」に分かれると思います。

これが12月実施の第Ⅰ回短答式試験であれば、兎にも角にも全科目一括合格を目指しましょう、ということになるかと思いますが、今や論文式試験まであと2ヵ月です。

特に「短答式試験対策に絞って学習してきた方」は、戦略的に時間を使わなくてはなりません。

「一括合格」の場合より得点比率を4%程度上げる必要がある点が悩ましいですが、今年度は「一部科目免除資格取得」(いわゆる科目合格)を狙い、来年度の最終合格を目指すことも1つの戦略です。

選択科目や租税法の学習を含め、論文式試験対策をどの程度進めてきたかは個人差があるとは思いますが、ご自身の学習の進捗から判断して、今からでは得点比率40%に至りそうもない科目があるなら、切り捨ててしまうことも検討してみてください。

さて、論文式試験直前期の学習方法ですが、新しい教材にむやみに手を伸ばしたりせず、これまで積み重ねてきた教材を確認する、これが鉄則です。

そのうえで、意識を論文式試験対策向きにシフトさせましょう。

財務会計論の計算対策では処理方法の全選択肢を計算条件とともに丁寧に確認する、監査論では短答式試験対策の知識に事例対策になるような具体例を重ねてみる、といった作業が有効です。

もちろん、短答式試験と論文式試験でまったく出題傾向の異なる科目もあります。

企業法などは、これまで学習してきた論証例・記述例を活用して、答案構成を本試験さながらにシミュレーションする、監査論の事例問題は過去問を解くなどして実践力を高めていきましょう。

12月の短答式試験に進む受験生へ―苦手科目を洗い出す―

公認会計士試験は、突出した得意科目・得意分野があることよりも、苦手科目・苦手分野のないことのほうが合格に必要です。

これは、1科目について40%未満の得点があり、かつ、答案提出者の下位33%の者と同得点未満の者が不合格となることからも明らかです。

まずは今回の本試験の結果を精査して、相対的な苦手科目・苦手分野を洗い出しましょう。

公認会計士・監査審査会から受験者の平均点等の情報が公表されていますし、各専門学校からは科目別ボーダーラインだけでなく問題別の正答率も何らかの形で公表されています。

平均に届いていない科目、受験生の7割以上が正答している問題(あるいは重要性Aランクの問題)を間違えていたら、それがあなたの弱点です。

重点的に時間を割いて克服していきましょう。

〈執筆者紹介〉
藤木 広 (ふじき・ひろし)
資格試験のFIN主任講師/公認会計士・税理士
1987年に慶應義塾大学商学部を卒業後、当時の6大監査法人の1つ、センチュリー監査法人に就職。同法人に勤務しながら、大手専門学校で公認会計士講座の専任講師を務め、管理会計論、2006年からは租税法も兼任した(監査法人は5年で退所)。大手専門学校を2013年に退社し、資格試験のFINを設立。


関連記事

【広告企画】会計大学院(アカウンティングスクール)12校の魅力を探る!

重版出来✨『わかる! 使える! うまくいく! 内部監査 現場の教科書』

【広告のご案内】掲載要領(PDF資料)

ページ上部へ戻る