【公認会計士試験 合格体験記】決め手は“ミス対策” ストレスフリーな学習で逆転合格!


闘う会計士の卵
(中央大学商学部3年)

合格時期:短答…2019年12月/論文…2020年11月
学習時間:平日9時間/休日9時間
学習スタイル:中央大学経理研究所

こんにちは、闘う会計士の卵と申します。このたび、令和2年度公認会計士試験に合格することができました。受験期間は約3年。標準的な期間なので、なかには「順調に合格できた」と思う方もいるかもしれません。しかし、そんなことはありません。

私の短答式の成績です。

財務会計論 128点
管理会計論 49点
監 査 論 65点
企 業 法 45点

総合で287点。合格ラインが57%以上だったところ、私は、短答式を57.4%とギリギリで突破しました。講師の先生いわく「短答式をギリギリで突破した人で、論文式を1回で突破できる人は少ない」そうです。

しかし、私は論文式に1回で合格できました。そのため、まず皆さんにお伝えしたいのは、短答式に合格したときの基礎学力がどんなに低くても、勉強への向き合い方や勉強法を改善することで、論文式に合格できるということです。

たしかに短答時代の私は、勉強法や勉強に対する姿勢など何もかもが悪く、成績がまったく伸びませんでした。模試で合格点や偏差値を超えたことがありません。しかし、自分を見つめ直し、講師の先生や先輩たちの助言を素直に聞いたことで、勉強法が確立されていきました。

この合格体験記では、私がどのように至らない点を改善し、論文式の一発合格を達成したのか、その方法論を記していこうと思います。また、コロナ禍でのモチベーション維持の方法やマイルールもご紹介いたします。

目次
プライドを捨て、ミスと向き合ったら合格は近い
【計算】ミスを2つに分類して対策
ミスノートは1ページにまとめる
【理論】説明できるまで理解してから暗記
1週間単位でノルマを設定する
ストレスをためないマイルール
メッセージ

プライドを捨て、ミスと向き合ったら合格は近い

私が短答式に苦労した理由の1つに、「なぜ間違えたのかをまったく考えなかったこと」があります。

これは、「今回は間違えたけど次は間違えない!」とか「ケアレスミスだし次は大丈夫でしょ!」といったような、ただ気合いを入れるだけで、ミス対策をしなかったことをいいます。

また、私は厄介なことに、「できない自分を認めない」というチンケなプライドをもっていました。そのせいで、ミスに対して真剣に向き合うことができず、「問題集さえ解いていれば点数が伸びる」と慢心していました。

私と同じように、思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 厳しいことを言いますが、そんなことでは合格は程遠いです。プライドを捨て、ミスに対してどん欲に対策を練ってください。当たり前のことかもしれませんが、私はそうしたことで成績を伸ばすことができました。

【計算】ミスを2つに分類して対策

自分の悪い点に気がついてからは、計算科目の勉強で、「なぜ間違えたのか」「どうしたら間違えないのか」を意識するようにしました。

まずは、ミスをした場合、①論点の理解不足や知らなくてのミスなのか、②下書きや読み取りのミスなのか、この2つに分類します。どちらに分類されるかで、対応が異なってきます。

①なら、もう一度講義を受講するなど、インプットしなおします。②の場合は、「どうしたら間違えないのか」、ミスを徹底的に分析することで考えます。

答練を受験したら、フィードバックを普段の学習に反映し、また答練を受験する。こういったサイクルを作って、ミス対策を行っていきました。

ミスノートは1ページにまとめる

②のミスをしていたときに用いていたのが「ミスノート」です。

このミスノートには、
・間違えた論点の概要
・間違えた原因
・間違えないための下書き
・対応策
を1ページにまとめていました。

これらを記すことで、自分のクセや理解不足な点、問題の解き方など、1ページにたくさん情報が浮かび上がってきます。また、論点の概要を自分なりにまとめておくことで、論点の復習や理解度チェックにも役立つのでオススメです。

ミスノートは、普段から作っては時おり読み、模試1週間前の復習にも利用すると効果的です。事実、この方法で、私は計算科目を伸ばすことができました。

使っていたミスノート

【理論】説明できるまで理解してから暗記

理論科目の勉強で意識したのは、「自分の言葉で内容を説明できるか」ということです。

私は、自分の言葉で説明できるくらい落とし込むことができれば、暗記もスムーズにできると考えています。理解しないまま暗記しようとしても、それは無意味な数字を覚えるのと同じなことで、すぐに忘れてしまいます。そのため、焦らずに理解したうえで暗記を進めましょう。

また、理論科目ですが、財務会計論と管理会計論を疎かにしたまま突入してはいけません。私は、それらができていないまま、監査論・企業法に入り、どちらの学習も中途半端になってしまいました。

試験が近づいているのに監査論・企業法が間に合っていないから、心配になって勉強を始めたのです。しかし、財務会計論・管理会計論も実力不足だったので、そちらの時間も少なくできない。監査論・企業法に回す時間が減って、4科目すべての学習が中途半端な状態になりました。その結果、4科目すべてで点が低く、総得点が4~5割の状態が長く続きました。

私みたいに中途半端に手を出すと、一つひとつの科目を強化できなくなります。いま、全体的に点数が低いなら、一度簿記に集中することをおすすめします。

1週間単位でノルマを設定する

私は、1週間ごとにノルマを作って、それを1週間で達成できるような計画を立てていました。

なぜ「1週間」を単位としていたのかというと、人には調子の波があります。そのため、毎日計画を立てた場合、ノルマが達成できない日があると、やる気が落ちてしまいます。

勉強は、やる気を維持しながら毎日継続する必要があります。私は、この点を考慮して、心に余裕をもった計画で勉強していました。

特に、これはコロナ禍で効果的でした。ただでさえ人と会えないなどストレスがたまるのに、勉強でもストレスがかかると精神がやられます。私は、余裕をもったスケジュールを組んだおかげで、試験が延期されても、コツコツと努力を積み重ねることができました。これも合格要因の1つだと思います。

ストレスをためないマイルール

私は、マイルールとして①自分の欲求に正直になる、②必ず散歩する、の2つを実践していました。

①は、「疲れた」「ご飯を食べたら眠い」「このアニメを1話だけ見たい」とか、そういった欲求を我慢しないということです。さすがに1日中、寝たりアニメを見たりといった極端なことはしませんでしたが、時間を決めてストレスを発散していました。それも1時間半~2時間ほどと結構長めに。自分の欲に蓋をしないことで、毎日気持ちよく勉強できました。

②は、体を壊してからマイルールとしました。毎日10時間ほど、家から1歩も出ずに勉強する生活を2ヵ月くらい続けていたところ、ある日突然、集中力が続かなくなったのです。同時にものすごい倦怠感。2~3日休んでも回復しませんでした。

それ以来、体を壊したのは運動しなかったのが原因だと感じ、勉強時間を1時間減らして散歩するように。そうしたら、再びいつものように勉強できました。

マイルールは2つとも、「毎日ストレスなく勉強する工夫」です。繰り返しとなりますが、勉強は毎日継続することが大事。根を詰めすぎてストレスをためるくらいなら、私は絶対に欲に正直になります。皆さんも無理しない範囲で勉強しましょう。

メッセージ

最後に、論文式の成績通知書をお見せします。

短答式はギリギリの結果でしたが、自分を見つめ直して勉強法を確立した結果、論文式にはそれなりの順位で合格できました。なかには、小問で偏差値70台を叩き出せたものもあります。短答時代のままだったら、こんな成績はとれなかったと思いますし、そもそも論文式にも合格できていなかったでしょう。

いま、受験生のなかには答練や模試で点数がとれない人、短答の壁に阻まれている人、論文が2回目や3回目で追い詰められている人など、問題にぶつかっている人がいると思います。

そんな苦しいときほど、できない原因をしっかり分析してほしいです。目の前の壁や殻を破るヒントは、必ず「自分の中」にあります。「灯台下暗し」とはまさにこのこと。こんなときは精神的に落ち込んで周りが見えなくなりがちですが、いま一度、自分と向き合ってみてください。

合格のチャンスは受験生全員にあります。自分を信じて、改善しながら突き進んでいってほしいと思います。私は、一足先に実務へ向かいますが、いつか皆さんと仕事でお会いできることを楽しみにしております。


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