M
(大学3年生・経済学部)
出身地:兵庫県
受験歴:1年目
合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法(2020年)
学習時間:平日2時間/休日4時間(午前のみ)
学習スタイル:専門学校(資格の大原)通信
目 次
☑税理士を目指したきっかけ
☑3科目を同時受験した理由
☑複数科目を勉強するコツ
☑十分な睡眠をとってリズムを作る
☑「勉強しない」時間も大事
☑講義は2倍速で聞いてアウトプット重視
☑簿記論は「速く解く」を重視し、問題を取捨選択
☑財務諸表論は解法をマスターする
☑消費税法は「理論」を重視し、意味を理解する
☑今後の目標
☑メッセージ
税理士を目指したきっかけ
大学に入学する前は簿記のことすら知らず、会計に関する知識はまったくありませんでした。
会計の勉強を始めたのは、簿記に取り組む大学の友達を見て、「この知識を身につければ専門的な仕事ができるのではないか」と直感的に思ったからです。
公認会計士の資格を取得するという選択肢もありましたが、
① 経営のパートナーとして社長に寄り添う税理士の仕事に魅力を感じたこと
② 税務の知識を深く学ぶことで頼りがいのある人になりたいと思ったこと
③ 毎日こつこつ勉強するのが得意な性格が、社会人になってから毎年1科目ずつでもチャレンジできる制度に向いていること
の3つが決め手となって、税理士試験を受験することにしました。
3科目を同時受験した理由
「3科目を受験できるのは時間の制約が少ない大学生の今しかない」と思い、簿記論・財務諸表論・消費税法を受験しました。
大学2年生のとき、2019年の5月から大原の簿財一括コースを、9月から消費税コースを受講しました。
正直に言うと、大学の授業やアルバイトもあったので、長期休暇の期間以外は本当にしんどかったです。
大学生らしく遊びに行く友達の姿を見て、うらやましく思ったことも一度ではありません。
ただ、将来独立して仕事をしたいと考えている自分にとって、今できるだけ多くの科目に合格しておくことが、最も大きなリターンになると考えていました。
アルバイトは資格の勉強に理解のある場所を選んでいたので、最低限のシフトに調整してもらうことができました。
大学の授業は、授業料を払ってもらっている身なので、しっかりやりました。
複数科目を勉強するコツ
3科目に受かるとは思っていなかったので、嬉しかったし開放感もありました。
ただ、自信をつけて本番に臨んだとはいっても、複数科目を受験することは正直怖かったです(3科目すべてが共倒れになる可能性もあったので)。
そのため、科目に優先順位をつけるようにしていました。
消費税法の理論が一番苦手だったので、直前期に時間が足りなければ重要なトピックだけを覚えて、一番得意な財務諸表論に時間を配分する、などです。
他にも、1日のうちに勉強しない科目をつくらないようにしました。
単一科目に専念している受験生、経験者や実務家の方も大勢いらっしゃるなか、同じ土俵で戦うには、毎日10分や20分といった少しの時間でも、継続して勉強していないと勝負ができないと思ったからです。
十分な睡眠をとってリズムを作る
受験生活のなかで一番大切にしていたことは、早寝早起きを徹底してリズムを作ることです。
毎日10分でも20分でも、こつこつ勉強することが重要だと思います。
たとえば、以前合格体験記を読んだ際、「寝る前に暗記するのが大事だ」と書かれていたことを思い出して、就寝前に20分程度、理論の暗記や理解をするようにしていました。
このリズムを維持するため、体調を第一に考え、朝は7~8時くらいに起きて、夜は22時頃には寝ていました。
大学の授業で睡眠中に記憶が整理されることを知ったので、徹夜は一切しないようにし、22時~2時はしっかり寝るようにしました。
また、寝る前の1時間はスマホを触らない、部屋を暗くする、耳栓を使うなどし、睡眠の質を上げることにもとことんこだわりました。
休日でも寝る時間帯は大きく変えないようにしていました。
「勉強しない」時間も大事
毎日勉強していると、生活の中心が試験勉強になるため、どうしてもストレスがたまりがちでした。
実際、「なんでこんなに勉強しているんだっけ」「大学生活で他にもやりたいことはあるのに」と、自分を見失いかけたこともあります。
そのため、モチベーションを保つべく、休日は午前中に数時間勉強したら、午後はゲームやスポーツをしたり、友達と遊んだりして、リフレッシュするようにしました(長期休暇もこのような感じでした)。
また、孤独感を生まないように、友達に声をかけて図書館で一緒に勉強したり、ご飯に誘ったりして、人とのコミュニケーションをとるように心がけていました。
今思うと、試験勉強を始める前にもっと趣味を見つけておけばよかったです。
複数科目を受験するとなると、息抜きができる体制づくりは、よりいっそう大切になってくると思います。
講義は2倍速で聞いてアウトプット重視
3科目すべて、資格の大原のWeb通信講座を受講していました。
Web通信では、コロナ禍でもリズムを崩さず自分のペースを維持でき、それが結果的に合格の大きな要因になったと考えています。
インプットよりアウトプットに時間を割きたかったので、講義は基本的に2倍速、わかりにくいところだけ普通のスピードで聞いていました。
簿記論は「速く解く」を重視し、問題を取捨選択
簿記論は、ある程度の基本事項を理解したら、とにかく一問一答(1問あたり3~10分の問題)を素早く解く練習をしました。
傾斜配点を考慮して解答の優先順位を理解したうえで、練習問題を解き続けました。
大問1と2の形式が苦手で、当初はかなり時間をオーバーしていたので(30分で解くところを60分ということもザラにありました)、とにかく速答の練習を徹底してやりました。
直前期には、大原でも難易度の高い問題が紹介され、ある程度は理解するようにしましたが、本番で出たら難しい問題は飛ばそうと考えていました。
結果的に、飛ばすべき(解かない)問題を認識するスピードと質も上がり、大問1と2どちらも6~8割を安定してとれるようになりました。
財務諸表論は解法をマスターする
財務諸表論は、簿記論の大問3と内容がほとんどかぶるため、計算は簿記論の大問3と交互に回していました。
理論は、まんべんなく理解できるように、毎日理論サブノートを数ページは開いて確認するようにしました。
また、わかりやすいと思った先生の解き方(図や表を描いたりする方法)を採用し、自分のものにできるように、繰り返し練習しました。
模試で同じような問題が出たときには、その方法で解いて、直前期までその方法は変えないようにしました。
消費税法は「理論」を重視し、意味を理解する
消費税法は、計算では差がつかないと思っていたので、理論を頑張りました。
計算は、毎回の問題で細かい数字を書いていては時間がかかるので、解答の流れを目で追ったり、声に出して確認したりすることを重視しました。
理論は、毎日数ページは理論サブノートを見るようにしていましたが、試験前日になってもすべてを暗記することはできませんでした。
そのかわり、「仕入税額控除」や「軽減税率」などの重要項目は完璧に覚えました。
本番の解答でも意味が伝わればいいと思っていたので、一言一句丸暗記はせず、「意味が理解できているか」に重点を置いて勉強しました。
これは、近年の傾向として、ベタ書き問題よりも事例問題が増えていることを知ったためです。
ただし、模試で表現が適切ではなく減点されたものもあったので、そこはしっかりと暗記しました。
今後の目標
大学3年生のため、税理士試験が終了した直後から、就職活動を行っています。
会計事務所への就職に関心がありましたが、就職活動を始めて幅広い業界を見たことで、自分の将来について考え直す機会を得ました。
具体的には、「総合職の魅力を知った」「会計知識を他の職種で活かして活躍する社員の方を見た」「違う職種を経験することで幅広い視野とスキルが得られると考えた」などです。
大切な選択であるため、時間をかけて考えたいと思っています。
また、今後の受験計画としては、実務で使う頻度が高い科目を中心に受験しようと考えています。
そのため、次に挑戦しようと思っているのは法人税法と相続税法です。
どちらの科目も、非常に難易度が高いことに加えて、仕事と両立しながらの受験となるため、1年に1科目ずつ受験しようと考えています。
2024年までに、残り2科目に合格することが目標です。
メッセージ
皆さんも私も、試験に合格することが最終目的ではなく、また試験の合否が税理士としての適性を決めるものでもなければ、受験生が敵同士というわけでもないと考え、試験会場の周りの方は全員仲間だと思いながら臨みました。
もちろんこれからもそのつもりです!
お互いに税理士として活躍する未来を見ながら頑張りましょう!
これを読んでくださった一人ひとりの仲間の方にとって、1人の仲間の勉強法や考え方が参考になれば幸いです。