読書の秋!きくけ会計士さんがオススメする課題図書
- 2025/9/22
- 書籍・雑誌の紹介

オススメ図書①『企業買収ー海外事業拡大を目指した会社の660日』(木俣貴光著、中央経済社)
MURCでM&A実務に従事する実務家が執筆したM&A小説です。
監査法人でキャリア迷子になっていた時に出会った本で、「勉強したことが活かせるM&A楽しそう!この仕事してみたい!」とFASへの転職を後押ししてくれた思い入れの強い一冊です。
本書は、M&Aに本格参入する事業会社(買手)目線のストーリーです。
M&Aの専門書を通読するのは中々辛いものがありますが、本書ならM&Aにまつわる各種論点や実務の流れも学びつつ、すらすら楽しみながら読むことができます(会計士の勉強をされている方は、財務会計以外の科目も勉強したことが沢山出てくるので、理論と実務の繋がりも楽しめるかと)。
私は、現在FASにてM&A業務に4年程度従事しています。
どの案件も多少なりとも予測できないトラブルや課題があり、(今となっては?)良い思い出として残っています。
自分の小説として書けるように、とまでは言わずとも、自身の仕事にドラマや小説みたいなエピソードがあると、普段の仕事もより一層楽しめますよね!
オススメ図書②『「具体⇄抽象」トレーニングー 思考力が飛躍的にアップする29問』(細谷功著、PHPビジネス新書)
「具体⇄抽象」それ自体は、普段から(無意識含め)活用して生きていますが、それを改めて明確化(抽象化)してくれる本です。
会計監査の仕事の醍醐味である会計相談や、経理業務での会計処理検討は、具体(事象・取引)を抽象(会計基準)に当てはめる必要があるので、「具体⇄抽象」スキルを高めることで、業務のレベルがより一層向上することが期待されます。
「具体⇄抽象」スキルは、それだけでなく、応用力汎用性が高いので、思考力や整理力が研ぎ澄まされ、他の業務や私生活のどんな場面でも大いに役立つこと間違いなしの、全社会人おすすめの本です!
私は、業務の様々な場面で、具体を抽象化して自分の血肉にすることで時短を図れていますし、プライベートでも「具体⇄抽象」思考をする癖がついて、世界の見え方が楽しくなった気がしています。
オススメ図書③『サピエンス全史ー文明の構造と人類の幸福(上・下)』(ユヴァル・ノア・ハラリ 著、柴田裕之 訳、河出文庫)
私たちは、人間が支配する世界に生まれ、その文明を当然に生きています。
では、なぜ人類”だけ”が、これだけの文明を築き、地球の支配者となれたのでしょうか?
そんな疑問にアプローチをしている本です。
単なる歴史書ではなく、生物学や社会学等も含めた多面的なアプローチをしており、そこから現代を考察し、未来を予測している壮大なスケールの本書を読むことで、世界観が大きく変わるし、人類発展のポイントが現在未来にも繋がっているのは、まさに「目から鱗」を体験させてくれる全人類におすすめの本です。
恥ずかしながら、高校生の頃はそこまで勉強していなかったし、普段は実務書ばかり読んでいる私ですが、歴史や科学といった一般教養を幅広く学ぶことの大切さに気付かされました。
歴史・宗教・社会学等幅広いジャンルを学ぶことが、自身の視野・視座・視点を高め、人生を豊かにしてくれるのだなと今では考えています。
本を読む理由は人それぞれだと思いますが、実生活や仕事への直接的な貢献目的になりがちな人は、たまにはこういった視点の本も読むと、視野が広がって世界が楽しくなるかもしれませんね。
【執筆者紹介】
きくけ会計士
公認会計士
大学在学中に公認会計士試験に合格。新卒で大手監査法人に入社し、主に金融機関の会計監査や研修講師等に数年間従事。その後、大手FASに転職し、財務DDやその他M&A関連業務に従事(大手金融機関に出向し、M&Aオリジネーション業務や会計税務相談業務にも従事した経験あり)。
普段の業務における気づきや、書籍の紹介・感想をメインにTweetしている匿名アカウントです。
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