税理士×クリエイター(HAL)がビジュアルで解説!10種類の理論暗記法 第3回 自分に合った暗記法がわかる!~暗記法フローチャート~


はじめに

さて、繁忙期も終わり、気付けば直前期の足音が聞こえてくる今日この頃。
皆さま、理論暗記の進捗はいかがでしょうか?

これから本腰を入れて着手しようとしている方も、ここまで順調に暗記を進められている方も、様々いらっしゃることと思います。
早期に『理論暗記法』を確立できれば、あとはそれを本試験までひたすら繰り返すのみ。いかに早く『自分の型』を確立できるかによって合否が決まるといっても過言ではありません。

そこで今回の連載は、私自身が家族に内緒で税理士試験に挑戦していたとき(詳細についてはコチラ)に研究した10種類の『暗記法』を、ビジュアルを用いて余すことなくお届けいたします!

きたる直前期に向けて、自分にピッタリの『暗記法』探しに、今までの『暗記法』の振り返りに、ぜひご活用ください。

第1回 なぜ理論暗記法が重要か?~『量』と『質』の関係について~はコチラ
第2回 自分に合った暗記法を見つけよう!~理論暗記法大全~はコチラ

自分に合った暗記法がわかる!~暗記法フローチャート~

さて、ここまで10種類の『暗記法』をご紹介してきました。
しかしながら、「『暗記法』についてはわかったけど、やっぱり自分にどれが合うか、わからない…」という方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、これだけ色々あると迷いが生ずることもあるでしょう。
でも、ご安心ください。

自分にピッタリの『暗記法』が簡単に見つけられるように、今回はフローチャートもご用意しました。どの『暗記法』から試してみようか悩んでいる方は、ぜひこちらをご活用ください。

暗記法フローチャート

理論暗記で一番大切なこと、それは・・・

今一度、第1回で説明した図解を見てみましょう。

暗記精度を分解すると…

『暗記精度』は『量』と『暗記法』が重要とお伝えしてきました。

ご自身にどの『暗記法』が合うかは、人それぞれです。
今回ご紹介した『暗記法』を見比べて、ぜひ早期にご自身に合った『暗記法』を見つけていただけましたら幸いです。

やはり『量』は大事

さて、ここまでずっと『暗記法』について書いてきた手前、最後にこんなことを書くのは憚られるのですが、『理論暗記』において最も大切なものは、やはり『量』です。
上図を見ていただいたらわかるように、結局のところ、『量』で掛け算をするのです。
つまり、『暗記法』が何であれ、『量』で凌駕してしまえば、どんな『暗記法』であっても『暗記精度』を極限まで高められるということになります。

しかしながら、時間は有限です。
そこで、『量』と掛け算をする『暗記法』をご自身に合ったものとし、学習効率を最大化することもまた、暗記時間の短縮に繋がります。
ぜひ、この両者の関係を頭の片隅に入れながら、学習を進めていただければと思います。

私が採用した『暗記法』

前述のように、「『理論暗記』は、とにかく『量』をこなす」これに尽きると考えます。
どれくらいの『量』をこなすのか?
最後に私が採用していた『暗記法』とその流れをご紹介します。

私は、税法科目については「所得税法」「消費税法」「国税徴収法」に合格していますが、以下は特にボリュームの多い「所得税法」学習中の際に採用していた暗記の進め方となります。

私の場合、新規学習理論については最初のステップ(STEP1)として、まずは1回『書いて』みます。
これは『書き出し』の『暗記法』です。意識していたのは走り書きをするのではなく、ゆっくり丁寧な字で一つ一つの言葉の意味を掴みながら書いていくイメージです。
無理に文章を暗記しようとせず、この時点では理解に努めていました。

次のステップ(STEP2)として、『読んで』みます。
読むとは『音読』ではなく『黙読』です。
『音読』の方が頭に残るとの声もありますが、『黙読』の方が読んでいる時に文章全体の流れを掴みやすいので、あえて声に出さずに読んでいました。

あとは、この『読んで』覚えるのをひたすらに繰り返すだけです。
『黙読』で覚えられないという方のよくある誤解ですが、数回程度読んだくらいで覚えられるわけはありません。
最低100回くらいは読まないと覚えられないです。
十数回で覚えられれば神の領域、数十回で覚えられれば上位数%のひと握りの天才の領域です。地道にコツコツと粘り強くやるしかありません。

頭に定着していく流れを感覚的に説明すると、下記のとおりです。

  •  50~60回目くらいで、だいたい何も見ずに暗唱ができるようになり、
  •  60~80回目くらいで、無意識に文章の意味を考えるようになり、
  •  100回目が終わったころには、暗唱完了かつ知らぬ間に全体がつかめた感覚になります。

理論を回せる状態になったら次のステップ(STEP3)に進み、ポストカードで文章を隠し、頭で「思い出す」ということをしながら進めていました。
これは『ポストカード黙読』です。

理論の『黙読』はいわば「インプット型」の学習でしたが、ポストカードで隠して『思い出す』という手間を加えて「アウトプット型」の学習に遷移させます。
「どうしてもこの理論が覚えづらい」「助詞を間違えてしまう」と思ったときは、はじめ(STEP1)に戻り、『書いて』覚え直すと良いです。
急がば回れで、やはり『書いて』覚えるのは、時間は掛かりますがその分効果も大きいように思います。
とはいえ、ボリュームの多い科目なので、すべてを『書いて』覚えるのは時間がいくらあっても足りないので、学習の中心は『読んで』覚えるという結論に至りました。

ここまで述べたことは、あくまでも個人的な感覚ですので、『音読』して覚える、『聴いて』覚える、他にもご自身にあったやり方があるかもしれません。
色々試してみて自分にあったやり方を早い時期に見つけてルーティン化すると、学習効率も飛躍的に上がります。

おわりに

3回にわたり、『理論暗記法』についてご紹介させていただきました。
表のスコア(総合評価)に満点がないことからもわかるように、『暗記法』に完全無欠のものはありません。
どの暗記法も一長一短あり、ご自身にあった『暗記法』を早期に見つけるのが、合格への近道と考えます。

この記事で、皆様にピッタリの『暗記法』がどうか見つかりますように。

【著者プロフィール】
HAL|税理士×クリエイター

東京都出身。法人顧問は受けずに租税教育及び個人に特化している異色の税理士。
小学校などで子どもたちへ『税』について伝えたいと思い税理士になる。合格科目は、簿財所消国。プライベートでは2児の父。税理士試験受験のことを家族に内緒で学習を進め、無事に官報合格。その後、税理士登録の数日前に妻に税理士になることを打ち明けた。
子どもたちへの租税教育推進に寄与すべく、通年で小学校等にて実施される『租税教室』の講師を積極的に務めている。現場での『租税教室』のみでは児童への租税教育の機会が不十分と考え、児童向けのWebサイト『HAL-LABO』(https://hal-labo.com)を開設。
クリエイターとしては、デザイン、ライティングなど、多岐に渡る。


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