
A.H(24才、社会人)
<受験情報>
職業:会社員から受験専念
学習スタイル:CPA会計学院
▶トップ画像は短答式対策で読み込んだ予備校のテキスト(本人提供)
社会人を経てリベンジ受験へ
みなさん、こんにちは。このたび、令和6年公認会計士試験に合格したA.Hです。
実は私、大学生のころに公認会計士を一度志したものの失敗し、いったん受験から離れて社会人を経験しています。当時はなぜうまくいかなかったのか、そしてその後なぜ合格できたのか、そのあたりをお伝えできればと思います。
ノリで何とかなると思っていた大学時代
合格した今から振り返ると、大学時代にうまくいかなかった原因は、試験に対する姿勢でした。ノリで何とかなるだろうという、はっきり言ってしまえば甘い考えがありました。そして、ノリで勉強していたために、合格するには各論点をどの程度理解している必要があるのかがわかっていませんでした。計算科目では、その論点の理論的な背景を考えておらず、少しひねった出題がされたときに対応できないことが多々ありました。また、理論科目においても、ただ覚えようとしていたため、実際に問題を解く際にはまったく役に立ちませんでした。そんな状態だったので、1年間で受験をあきらめることになりました。
「成功体験を得たい!」と、受験リスタート
私の大学生活は、ノリで挑んだ会計士試験の失敗だけ。
つまり、大学生活では、なにひとつ目標を達成せずに終えたという悔しさだけが残りました。大学時代に築くことができなかった成功体験を作らなければ、今後の人生に影響が出ると思い、私はもう一度公認会計士試験の受験勉強を再開しました。
リベンジ合格に向けた2つの決めごと
合格に向けた勉強に際して、大切にした点が2点あります。この2つを守れたから合格できたと考えています。
受験生とは距離を置く
1つめは、受験生とは距離を置き、自分に厳しくなるということです。
合格するために何が必要なのかを考え、その上で障害になりそうな点をとことん取り除いていきました。そうすることで、精神的に安心する材料をなくし、合格するしかないと思わざるを得ない環境にしました。
たとえば、予備校に通学した経験のある方はわかると思いますが、「合格するために、受験仲間を作り切磋琢磨しよう!」といった雰囲気があります。しかし、それは「切磋琢磨」ではなく「馴れ合い」を生むだけだと考えました。
そのために、連絡を取るような知り合いに選んだのは、同じ会計士受験生ではなく、すでに営業や経理、エンジニアとして働く社会人にしました。
そうすることで、次の大切にした点を痛感し続けようと考えたのです。
社会人の友人から刺激をもらう
その2つ目に大切にした点というのは、自分はまだスタート地点にも立っていない人間であると、自分に言い聞かせることでした。
受験生は、大学入学や卒業後も毎日勉強をしています。そのため、「頑張ってて偉いな」や「お前すごいわ」と言われることも多かったです。しかし、そういった言葉をかけてくれる友人は、勉強とは異なり、仕事での多くのストレスと日々向き合っています。つまり、仕事で前へ突き進む友人を目の前に、自分は前に進めていません。
このように考えることで、「何としても受からなければならない」、「早く彼らと同じ土俵に立たなければならない」と、考えられるようになりました。
追い込みすぎには要注意
ただ、こうした考えでは、かなり自分自身のことを体力的にも精神的にも追い込むことになります。勉強再開から2回目の短答式試験の際には、完全に精神的に滅入った時期もありました。2回目の短答式試験受験まで、私はほとんど休むことなく、誰とも話さず、毎日自習室に通っていました。しかし、それが失敗だったと思っています。会計士試験の内容にかかわらず、人と話す機会を作り、馴れ合いは起こさない程度に精神的に安定できる時間を作ることが必要です。
そうすることで、勉強においてもどこに問題があるのか目を向けることができ、3回目にしてようやく短答式試験を突破することができました。
論文式試験に向けたマイルールと指標
論文式試験の受験に向けて、カリキュラムの取り組み方では絶対的なルールと指標を作っていました。
問題点を洗い出すマイルール
必ず答練は午前中のライブで受けて、受けた直後にチューターに見てもらう学習のルールを徹底しました。これによって、各科目の問題点の洗い出しがスムーズにできたと感じています。
結局このルールは、私が普段使っていた鉄道が2時間超に及ぶ運転見合わせがあったとき以外は、どれだけ復習が間に合っていなくとも守っていました。
そして、答練で成績が悪く落ち込みたくなるときには、今も営業などの仕事で頑張っている友人を思い浮かべたり、「これを乗り越えて受かった人もいる」、「受かるためには、こんなもの乗り越えなあかん」と言い聞かせたりして、論文模試までの答練の期間を過ごしました。
得意科目と苦手科目の偏差値をベンチマークに
私が論文式試験の受験に当たって定めた指標は、論文模試は必ずA判定をとること。そのために、得意科目は偏差値60を個人的な合格ラインとし、苦手科目は偏差値52を合格ラインとしていました。
私は、会計学が得意で、監査論が苦手でした。そのため、一発目をとにかく偏差値52を取り、会計学などの得意科目でとことん攻めようと考えていました。ただ、自身の設定した合格ラインを超えることはなかなか難しかったため、模試の直前の答練では合格ラインの偏差値付近にもってこようと考えていました。その目標設定を意識していたおかげで、模試では無事に指標をクリアすることができ、本試験までに苦手科目をつぶすことにも成功し、合格につながったと感じています。
受験生へのエールに代えて
これまで私がたくさんの失敗を乗り超えて合格できたのは、目標達成のために何が必要なのかを考え続け、途中段階での自分の立ち位置に一喜一憂しなかったからだと思います。
わたしは、ノリで勉強を始め大失敗し一度は逃げ、その次には自分を追い詰めすぎてまた失敗しています。ただ、追い詰めすぎた後に「では何が必要か」を考え、逃げずにそれを実行できたから今があります。
苦しいことも多々あるかと思いますが、逃げずに考え続ければ、よい方向に向かうと思います。
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