わたしの独立開業日誌 #ちょこまま・行政書士


【編集部から】
士業の魅力は、独立開業できることにもあります。「将来は独立」を目標に合格を目指している方も多いのではないでしょうか。
そこで、「わたしの独立開業日誌」では、独立した先輩方に事務所開業にまつわるエピソードをリレー形式でお話しいただきます(木曜日の隔週連載)。
登場していただくのは、税理士・会計士をはじめ、業務で連携することの多い士業として司法書士や社労士などの実務家も予定しています。
将来の働き方を考えるヒントがきっと見つかるはずです。

51歳で地方にて開業

はじめまして、「ちょこまま」です。
ハンドルネームはミニチュアダックスフンドの愛犬、チョコからです。

51歳で行政書士として開業しました。
ここでは、私の七転び八起きの受験生時代と開業について書かせていただきます。

プロフィール画像
愛犬・チョコ

独立したい!資格取得を目指す

誰かに雇われ周囲に気を使いながら日々仕事をすることに疲れており、心のどこかで、将来独立して開業したい!と漠然と思うようになりました。

色々調べていく中で、社会保険労務士という国家資格について興味がわきました。

しかし高卒の為受験資格がなく法律系資格では登竜門と言われている行政書士試験からの挑戦でした。
受験時代に離婚問題をかかえる同僚がいて、そんな方々のサポートをするため、資格をとり法律を使った仕事に就きたい!と思うようになりました。

資格取得まで13年。娘達の応援が支えに!

行政書士を目指そうと思いたってから合格を勝ち取るまで、なんと13年もかかりました。
社会保険労務士の資格取得は諦めました(笑)。

最初の3年は独学(ほぼ勉強せず)、4年目から資格試験対策予備校の通信講座を受講。
6年間受験地獄を過ごし、出口の見えない暗闇のトンネルをさまよっていました。
受験回数が多くなるほどプレッシャーは半端なく一睡もせず本試験を受験すること2回。
特に民法で頭が回らなく苦しい思いをしました。

中でも一番苦しい思い出は、合格を期待し娘と県庁まで合格発表を見に行ったのに、番号がなかったことです。
娘の前で号泣しました。毎年応援してくれた家族の前でも何度泣いたかわかりません。

娘達に「決めたことは最後までやり続けるように」と伝えていた手前、自分がやめるわけにはいかないと思っていました。
それだけでなく、受験を辞めようとすると、自分自身の魂が泣いているように感じました。

「私は絶対に行政書士になりたい。国家資格をとり、法律を使って困っている方のサポートをするんだ!」

再度決意し、合格年は開き直り、ほど良い緊張感で受験しました。

択一のみ180点の計230点の成績で、完璧なリベンジを果たせました。
受験回数は9回でした。
受験期間が長くなると、「このまま一生合格できないのではないか?」と思うことも多々あるかと思います。(私がそうでした)。
しかし行政書士試験は諦めることなく正しく努力すれば合格は勝ち取れるのだと実感しました。

夢に見た合格証!

合格後、燃え尽き症候群になるも開業。初仕事は4か月後

あれほど合格を夢見ていたのに、合格発表前に自己採点で180点を取れたのがわかった翌日から開業に対する不安がでてきました。
未経験で即独立することに恐怖を感じ、開業をやめようとしました。

また、長年の受験地獄から燃え尽き症候群を発症。
結局、「あれほど頑張ったのに開業しないなんてありえない」と家族に後押しされ、合格発表後その年に開業しました。

登録証

意を決して開業したものの仕事はすぐ来ることはなく、「何のために私は長年頑張ったのか?」ここでも苦しい思いをしました。

「とにかく会う人に自分を知ってもらおう!」と、名刺を渡し開業したことを伝えて回りました。
「何かあれば連絡をください!」とお伝えし、ポスティングもしました。

初仕事は4か月後。
前職時代に繋がっていたおばあちゃんの元へ開業挨拶をしに行くと、なんとその息子さんが経営者でした(今でもその方から相続関係のお仕事をご紹介いただいています)。

これから

現在は、遺言・相続・会社設立・建設業許可・会計記帳・契約書作成と業務をこなしています。

身近にいる実務に詳しい夫や、夫とつながりのある行政書士の先生や、司法書士の先生など他士業の方々からサポートされながら、何とか3年目を迎えることができました。
未経験でも、行政書士会の研修を受けたり、実務本を読んだりすることで、何とかなったと思います。

支部の先輩から、女性行政書士の勉強会に誘っていただき、業務の話を聴くことができたのは、とても貴重で、人脈も広がりました。

遺言書作成・執行業務で第一人者の週末行政書士・鈴木先生のセミナー等を受けたりし、先日は鈴木先生の全面的なサポートの元、初の遺言執行業務を完成させることができました。

遺言者のおばあちゃんに「生前にあなたと出会えてよかった、本当にありがとう!」と仰っていただいたのは、とても感動しました。
「長年受験勉強を頑張ってよかった」「思い切って開業してよかった」と心から思った瞬間でした。

これからも、親切・丁寧・スピーディーをモットーに、信頼できる&気軽に相談できる行政書士になるために、無理することなく私らしく頑張っていきたいと思っています。

最後に

行政書士試験を初挑戦(又はリベンジ)される方々へ。

法の知識を身に付けることは自分自身だけではなく家族も守れます。

受験時代ずっと応援してきてくれた父が高齢になり、私がサポートをする中で、法の知識を使い法律家としても父を守ることができる、法律を学んできてよかったと心から今思っております。
無駄なことは何一つありません。

一生モノの資格、勉強をして挑戦するだけでも価値のある資格だと思います。
また諦めなければ必ず合格できる試験です!これからも応援しております。

プロフィール
ちょこまま
令和3年度行政書士試験合格。令和4年6月開業。開業当時51歳で地方にて開業。
受験時代は資格試験対策予備校の通信講義をオンラインで受けたものの、勉強方法の誤りと豆腐メンタルのため、七転び八起きならぬ八転び九起きでやっと合格(リーダーズ・合格コーチとチョコママとの対談 YouTube・受験生応援動画あり)。
開業当時は夫の転勤により、二拠点で過ごしており開業にもハードルがあった。
金融機関、調剤薬局勤務等を経て、金融機関で知りあった夫と26歳で結婚。家族構成は夫、社会人の娘が2人、ミニチュアダックスフンドのチョコ。
現在は、家事をする主婦でありながら行政書士として活動している。
note:https://note.com/chokomama3333/

◆他の「独立開業日誌」はコチラから!


関連記事

ページ上部へ戻る