1年9か月官報合格税理士が直伝!バケモノと呼ばれた男の最速合格マインド(後編)


山本庸介(税理士)

【編集部より】
税理士講座の多くが9月から本格開講し、税理士受験生は新年度を迎えました。「どうしたら短期合格できるのか」は誰もが気になることのはず。実際に短期合格者はどのような心構えや姿勢で受験勉強に臨んでいたのでしょうか。
そこで、1年9か月で官報合格した山本庸介先生(税理士)にその秘訣を忖度なしで伝授していただきます。
今回は「バケモノと呼ばれた男の最速合格マインド」の後編。
前編にある本企画の「閲覧注意事項」をお読みの上、読む覚悟を決めた人は後編もぜひご覧ください。きっと税理士受験に対する本気度がグンと上がり、これからの勉強に対する取り組み方にも良い影響を与えるはずです!

◆「バケモノと呼ばれた男の最速合格マインド(前編)」はコチラ

勉強する習慣を身につけよ!

勉強「可能」時間は確保できたとしても、実際に勉強する時間が少ない人がいます。勉強を始めてもすぐに休憩したり、携帯電話を触ったり、勉強に集中できていない。このような人は勉強をする習慣がないんだなと思います。可処分時間は皆さんそれなりにあるはずです。その可処分時間の中で勉強にどれだけ振り分けられるかです。

勉強する習慣が既に身についている人はかなり有利です。可処分時間があれば勉強するのが当たり前になっています。1日中遊んでいると、今日は何も勉強していないことが気持ち悪くなってきます。

勉強時間に加えて、「効率性」の面からも有利です。詳しいことはわかりませんが、人によって効果的な学習方法が違うそうです。理論を暗記するにしても、理論集を見て覚える、理論CDを聞いて覚える、口に出して覚える、書いて覚える、自分の認知特性によって、覚えやすさが違うようです。勉強に慣れている人は自分に合ったやり方がわかっています。結果、「効率性」も上がります。

私の場合は、社会人になってから17年間、簿記検定や米国公認会計士試験、慶應大学の通信教育課程、仕事上で必要な知識の習得など勉強を欠かしたことがありません。勉強するのが当たり前になっています。

一般的に通学と通信では通学のほうがよいとされていますが、私は圧倒的に通信派です。通信だと再生スピードを変更できます。

私は初めての場合は1.5~2.0倍で聞きます。復習でもう一度聞きたいときは3.0~4.0倍で聞くときもあります。しかも、わからなくなったと思ったら、何度も巻き戻して再生できます。

通学の場合は、受講生の離脱を避けるためにも、理解度が低い生徒に合わせてスピードを落とさないといけませんが、通信なら自分のペースでできると思い込んでました(真偽はわかりませんが)。

このような方法で社会人になってからの学びは通信教育がほとんどでした。税理士試験も、迷わず通信教育を選択しました。休みの日に1日10時間勉強することなどは、これまでの経験から当たり前にできました。

勉強が習慣化されていない人は、習慣にするところからです。

机に向かい続ける体力がないのです。まずは基礎体力をつけるところからスタート。そのためには机に向かう回数と時間を限りなく増やしてください。1日10時間勉強するなんて当たり前だと感じられるように。

書店に行くと、税理士試験の勉強法等のノウハウ本がありますので、それらを見て自分に合う方法を試していけばいいと思います。

税理士になって人生一発逆転を狙っている人は要注意。勉強する習慣が身についていないでしょうから時間があっても勉強できないし、継続することが難しいと思います。

ライバルの中には既に勉強を習慣化している者たちが大勢います。「ウサギと亀」の話でいうところの、亀の気持ちを持ったウサギは世の中にいっぱいいます。

「俺はやればできるんだ!」と思っている人には、やることを継続することの難しさをわかっていない人が多いです。「太っている人がわずか数か月で〇〇kg痩せた!」がすごいのではありません。日頃から摂生して体型を維持している人がすごいのです。

短期間の努力で駆け抜けられるほど、税理士試験は短距離走ではありません。現状は変えられません。これまで勉強してこなかった自分の責任です。本当に人生一発逆転したいなら、覚悟を決めて本気で取り組んでください。

例えば理論暗記について、意味が理解できないと覚えられないとか、一言一句覚えるのは意味がないといって、暗記する努力を怠る人がいます。そういう人も勉強する習慣がまだついていないと思います。

英単語の覚えるのに、アルファベットの並びが理解できないからスペルが覚えられないという人がいますか? 意味わからなくても覚えようとするのです。

暗記していたら理解が深まるときもあります。税理士試験において、理論暗記は「所与の条件」です。避けて通れません。やりたくなくてもやるしかないのです。

ここを言い訳して逃れようとする方は勉強する基礎体力がついていないと思います。嫌でもやらないといけないのであれば、例えばゲーム感覚でその過程を楽しむとか、自分でできる工夫をして前に進んでください。

勉強することを習慣化して、自分にあった勉強スタイルを確立する。「勉強時間」×「効率性」を高いレベルで実現できれば早期合格の道が開かれます。

失敗を恐れるな!

税理士業界の特性なのか、税理士試験が科目合格制を取っているからか、受験生は保守的な人が多いと思います。早期合格を目指すのであれば、複数科目受験はマストです。1年1科目受験して、その1科目を完璧に仕上げる。その結果、科目合格する。これを毎年できたとしても5年かかります。

不合格になるのを恐れ過ぎてないか?と思います。ここで発想を転換してみましょう。仮に「試験合格=資格がもらえる」だとして、世の中に合格と不合格の2分類しかないとすれば、科目合格は不合格です。世の中の資格試験で受験の申し込みの段階から合格を諦めて、科目合格を目指しているのは税理士試験ぐらいのものだと思います。

この考え方でいくと、1年1科目ずつ合格した人は4回不合格になっています。1年で5科目合格した人以外、つまり、ほぼ全員が不合格を経験しています。税理士試験に挑戦する人の目標は税理士になることのはず。

1年1科目受験して科目合格を喜んでいる場合ではありません。2科目以上受験であっても、全て合格できた人は喜んでいる場合ではありません。

「もう1科目勉強できたんじゃないか」、「限界ギリギリまで勉強していない」と反省してください。不合格の科目がある人はナイスチャレンジ! ですが、もちろん反省です。1年5科目合格者以外は全員反省です。

余談ですが、この考え方でいくと税理士試験の申込時に過年度合格した科目は受験の免除申請をしているようなものです。

税理士のなり方に複数ルートがあるため、5科目合格、大学院免除など、なり方に上下関係があるように思う人もいるようですが、私は1年5科目合格した人だけが免除無しの合格であって、それ以外は全員何らかの免除を受けていると考えるようにしています。

ですので、1年5科目合格した人以外は税理士のなり方に差はない。この考え方のほうが平和でしょ(笑)。

働く場所も大事だぞ!

税理士試験を早期合格するためのマインドについてお伝えしました。とは言っても、気持ちだけではどうしようもない部分もあります。

特に税理士事務所で働いている受験生にとって、税理士試験を支援しているか、残業が多い事務所かどうかは大きな違いでしょう。

業界全体が人材不足ですから、税理士受験生を支援してくれる事務所も増えています。そういった事務所に転職することも税理士試験を早く合格するためには必要かもしれません。ウィズ総合事務所グループでは税理士受験生を始め士業資格の取得を目指す方を徹底的に支援します。

・専門学校の受講料は原則全額事務所負担
・6月以降は受験まで勉強に専念

この2つを事務所の方針として掲げています。
実際に働きながら税理士試験に複数科目合格する人も出ています。福井県大野市というかなり田舎の場所です。仕事か勉強しかすることはありません。勉強も実務も猛スピードで習得したい方にはおすすめです。遠方から就職される方向けのシェアハウスも用意しております。そのような環境に自分を追い込みませんか。

他にも山本式スパルタ勉強法はあるのですが、長くなりすぎるのでこの辺で。弊所HPに続きをUPしています。ご興味ある人はご覧ください。

<執筆者紹介>

山本庸介(やまもと・ようすけ)

税理士法人ウィズ総合事務所 代表税理士
税理士、行政書士、米国公認会計士(Guam)、薬剤師
大阪大学薬学部同大学院卒業、慶應義塾大学経済学部(通信教育課程)卒業。国内外大手製薬メーカーで10年勤務した後に35歳で地元福井県にUターン。2年弱で税理士試験5科目合格(簿・財・法・相・消)。年間売上1,000万円以下から数百億円規模まで幅広い顧問先を担当。2021年7月人口3万人の大野市で山本総合会計事務所を開所。開業1年強でクライアント100社、開業2年でグループ売上1億円越え。2022年マネーフォワードクラウドアワードを北陸地域で初めて受賞。2023年9月税理士法人ウィズ総合事務所を設立。
税理士法人ウィズ総合事務所HP
Xアカウント(@wizyamamoto

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わたしの独立開業日誌 #税理士・山本庸介

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