【編集部】
税理士試験まであと約3週間。直前対策に余念がない日々なのではないでしょうか。
他流試合ができる唯一の問題集として毎年好評の『税理士試験 直前予想問題集』を、今年も瑞穂会(千葉商科大学)の現役受験生が解いたとのことで、早速お話を伺いました!
1回転目・2回転目の点数や、これから本試験までの対策などについてお聞きしているので、ぜひ参考にしてラストスパートをかけましょう!
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<瑞穂会・現役受験生が解いてみた!>
聞き手:
渡邉 圭先生
(千葉商科大学准教授。基盤教育機構・「瑞穂会」所属)
お話を聞いた受験生:
・大林 晴さん
(千葉商科大学3年生。高校の時に税理士を目指し、瑞穂会で学ぶことを志し千葉商科大学へ進学。日商簿記1級合格後、今年、簿記論・財務諸表論を初めて受験予定)
・春山棟哉さん
(千葉商科大学3年生。高校の時に税理士を目指し、瑞穂会で学ぶことを志し千葉商科大学へ進学。日商簿記1級合格後、今年、簿記論・財務諸表論を初めて受験予定)
伝統的論点をもう一度復習する!
渡邉先生 例年、瑞穂会では過去問を解いた後に、この『税理士試験 直前予想問題集』を解くカリキュラムを組んでいます。今年も財務諸表論の受験生が解いてみたので、その感想や手応えなどからこれから本試験までの対策の取り方を考えてみましょう。
では、まずこの問題集の「採点結果」を教えてください。
大林さん 2回転した結果は以下のとおりです。
かえる先生 | 瑞穂会 | FIN | 学者×実務家 | |
1回転目 | 76点 | 96点 | 89点 | 85点 |
2回転目 | 84点 | 99点 | 95点 | 96点 |
渡邉先生 解いてみて気づいた今後の改善点はありますか。
大林さん 理論の場合、自分の失点パターンとして、知識がなくて落としてしまった問題、暗記はしていたけど聞かれていることに答えられなかった問題、まったく違ったことを書いてしまった問題に分けられました。
このうち、覚えたのに取れなかった理論がいくつかあったので、それらをしっかり取って点数を上乗せしたいと思っています。特に、伝統的論点などカリキュラムの序盤で学習するような理論ほど、内容を忘れているので本試験までに固めたいです。
計算の場合は、45点以上取ることができているので、問題自体の難易度は高くなく、解く順番などを工夫して丁寧に対応すれば点数が取れると感じることができました。
渡邉先生 掲載されている全4回分のうち、難しかった・基本的だったと感じたのはどの出題者の問題ですか。
大林さん 難しかった回ですが理論は、かえる先生で、会社法の問題の対策ができていなかったので苦しかったです。基本的だった回はFINです。計算はどの問題も同じくらいのレベル感だと思いました。
計算はとにかく今の精度を維持して、無駄なケアレスミスを減らそうという勉強をすでに始めています。理論は暗記の土台はできているので、横のつながりを意識したり、問題に対して素直に答える記述力を高めたいと思っています。
出題意図をしっかり読み取れるように対策!
渡邉先生 春山さんはどうでしたか?
春山さん 2回転した結果は以下のとおりです。
かえる先生 | 瑞穂会 | FIN | 学者×実務家 | |
1回転目 | 48点 | 73点 | 63点 | 63点 |
2回転目 | 61点 | 81点 | 72点 | 71点 |
渡邉先生 解いてみてどんな印象をもちましたか。
春山さん この問題集を1回転目した時が理論の学習途上だったので、点数が伸びていないと感じていましたが、2回転目になると理論の暗記も追いついて、「何を答えればよいか」、「何を問われているか」をつかみとれるようになりました。
計算は、全体的に40点以上を取れていますが、2回転目もどうしても変わらない感じがありました。たとえば、1つの論点をケアレスミスして全体に影響してしまうというミスもあり、なかなか45点以上に点数が伸びなくて悩んでいます。
渡邉先生 私自身は、計算については「40点以上取れれば問題ない」と考えていますよ。
実際、45点以上はなかなか取れないよねというのが現実だと思います。
この点については、昨年の財務諸表論合格者である田中さんはどのように考えていましたか?
田中さん 自分は45点を超えたことは数えるほどしかなかったので、計算で40点を超えているなら、毎日寝る前は理論対策に時間を費やしてよいのではないかと思います。
渡邉先生 うん、春山さんが勉強する姿を見ている限りでも、そこまで不安がる必要はないと思いますよ。
では、掲載されている全4回分のうち、難しかった回・基本的だった回はどれでしょうか。
春山さん 難しい回はかえる先生の第一問で、会社法がわからずにお手上げ状態でした。今だに理解が追いついていないので、空き時間をつくり対策をしなければと思っています。
基礎的だった回は瑞穂会で、小売棚卸法など、税理士試験特有の論点として出題されたら、受験者側としても幅広くカバーできると感じました。
渡邉先生 今後の改善点はありますか?
春山さん 理論対策では、これまでインプットを繰り返していて、アウトプットをしてこなかったので、いざ答えが書けなかったり、解答を見たら知っていたけど、問われている意味が解らずに失点していたりするケースが多かったです。
なので、インプット・アウトプットをしっかりして、出題意図を読み取れるように直前対策として詰めたいと思っています。
渡邉先生 実際書いてみたら書けなかったというのは受験のあるあるだよね。手を動かして書く作業も時間もかかるし大変だから、ここはバランスが大事になってきます。春山さんの場合は、あと1回くらいアウトプット練習をして、残り時間はインプット、最後の確認をして本試験に挑むといいのではないかと思いますよ。
さまざまな出題者の問題を解こう!
編集部 ありがとうございました。最後に、渡邉先生から本書の演習を通して期待することなどについて総括的なコメントをいただけますか。
渡邉先生 多くの受験生が特定の専門学校の授業を受けて、その学校のカリキュラムや教材をベースに学習を進めていると思います。一方で、この『税理士試験 直前予想問題集』はいろいろな出題者が作成した問題が掲載されているので、問題演習自体が勉強になります。特に理論問題では、同じ論点の問題が出たとしても、それに対する解答は出題者によって表現が違うことにも気づけるでしょう。
そういったさまざまな違いに気づくことができるという点もこの問題集を通してこそ学べることなので、瑞穂会では例年、本書の演習をカリキュラムに取り入れています。
一歩でも合格に近づけるように、ぜひ活用して本試験までの残りの勉強に励んでいただきたいと思います! 最後に、簿記論・財務諸表論ともに瑞穂会の問題が難しくなってしまいごめんなさい💦
編集部 簿記論編につづき、財務諸表論編でもお話をいただきましてありがとうございました!