【私の理論暗記「超」追い込み法】インプットもアウトプットもすべて音読!


みぃこ
(令和4年度税理士試験合格者)

【編集部より】
8月の税理士試験に向け、「理論暗記をもっと強化したい」と考える受験生も多いのではないでしょうか。「自分に合う方法をいかに早く見つけるか」が勝負どころのようですが、なかなか一筋縄にはいきません。
そこで、5人の合格者の方々がどのような方法をとって、直前期に追い込みをかけていたのかを教えて頂きました。いいなと思った方法はぜひ取り入れてみてください!

そもそも、スキマ時間がない⁉

こんにちは。令和4年度税理士試験で官報合格しました、みぃこと申します。合格科目は簿記論(R1)、財務諸表論・国税徴収法(R2)、所得税法(R3)、消費税法(R4)です(合格体験記はコチラ)。
受験生、誰もが悩む理論暗記! 勉強法の一つとして、私の経験が参考になれば幸いです。

「暗記はスキマ時間だけでするものではない」というのが持論です。私の場合、そもそもスキマ時間などほとんどありませんでした。「スキマ時間に暗記を」と思っていると、理論が後回しになってしまいます。

机にしっかり座って、淡々と音読している時間が一番頭に入りましたし、効率も良かったと思います。参考程度ではありますが、所得税法受験時、7月の勉強78時間のうち42時間が、ただただ机で理論暗記と応用理論テキストを読んでいた時間です。インプットもアウトプットもすべて「音読」、理論を書いたのはミニテストや答練の時だけでした。

また、「理論を何時間やる」という勉強の仕方よりも「この理論をどの段階まで完璧にする」というタスクの決め方のほうが理論学習にはあっていると思います。「時間をかけても覚えられなかった」では答案が作成できませんし、早く覚えて息抜きしたい!というモチベーション維持にもつながります。

本試験数日前の勉強の割合。時間のほとんどを理論に割いていた。

「4ステップ」音読法

私の暗記法のほとんどを占める「音読」ですが、いくつかのステップがありましたので、それを紹介します。読んでいるだけではあるのですが、2時間もやると頭はクタクタになります…。

ステップ1:黙読

その大問が何についての規定なのかをざっくりと把握します。[1]・(1)・(2)など、項目の数や配置も意識できるといいと思います。声に出してもいいのですが、規定の理解を深めるためには、じっくり眺めて言葉の意味や文構造を確認する時間として、ただ読むだけにしていました。

ステップ2:赤シートで音読

規定の理解ができたら、何度か普通に読んで、いよいよ赤シートで音読です。『理論サブノート』では[1]などのタイトルは赤文字になっていないので、赤シートで消えるペンで塗りつぶし、こちらも一緒に覚えていました。

ただ読むだけではなく、赤シートがおすすめです。正直、文章はほぼ赤文字なので、重要語句・外せない語句はすべて入っていますし、残された僅かな黒文字から言葉をひねり出していると、自然と記憶にも残りやすかったと思います。

この考える工程が重要で、項目ごとのボリューム((1)は6行くらいの文章で(2)は3行だけだった等)や、かっこ書きの位置なども考慮しながら音読をしていくことになり、文構造や全体像も頭に入っていきます。一語句ずつ、丸付けをしながら読んでいく感覚です。

赤シートですらすら読めるようになればこのステップは終了です。

ステップ3:紙で隠しながら音読

赤シートではすらすら読めるのに、いざとなると「何も言葉が出ない!」と何度も自分に落胆したので、このステップが加わりました。半分に折ったB5用紙で隠しながら、1行ごとに音読していきます。このステップにより、文章に抜けなどが減り正確性が出たので、結果的に入れて良かったと思います。

ステップ4:何も見ずに音読

言わずもがな!理論の最終段階です。これができれば言うことなしですが、記憶が薄れてくることもあるので、その際は②、③に戻って特訓をしてから再チャレンジをしました。

アウトプットが音読になるので、心配なのはやはり「答案作成の際に言葉が抜けること」ですが、ステップ2で文の長さやかっこ書きの位置などを確認しているからか、答練の際にもあまり指摘されることはありませんでした。もちろんアウトプットは書いたり入力したりが一番とは思いますが、効率性を追求した形です。

本試験や応用期の答練を見ると、ベタ書きの問題以外は理論を丸暗記しても意味がないのでは…と最初は思いがちですが、使える理論が多いほど、少しでも引っかかる(=同じ語句が出てくる)理論を書いたり、語句や言い回しを使った答案構成ができるので、税法を体に沁み込ませる意味でも、理解を伴った丸暗記をすべきと思いました。

1分1秒を無駄にしないためのツール

先ほど、「スキマ時間はない!」と書きましたが、とはいっても1分1秒を無駄にしたくはないので、以下のようなツールも少しだけ使っていました。

ツール①:通勤中の車内で税法理論を流す

仕事の前日に、あらかじめ車内で覚える理論を決めて録音しておき、通勤中の社内で流していました。運転中なので、のめり込みすぎもよくないと思いますが、なるべくシャドーイングしながら聞いていました。
愛車にBluetoothがついていなかったためボイスレコーダーを使っていましたが、スマホのほうが気軽に使えると思います。

ツール②:赤シートのアプリを使ってスマホに理論を入れておく

ちょっとしたレジ待ち、どうしてもベッドから出られない朝でも理論がみられるように、スマホで『理サブ』の写真を撮って入れていました。赤シートのアプリでは赤文字も隠せるのでおすすめです。私は布団の中で勉強するのに大変役立ちました。

どちらのツールもおすすめですが、ツールの準備(録音や写真撮影)をするのに時間がかかっては元も子もないので、直前期の今でしたら完璧に用意するのはやめて、覚えられない理論や重要理論のみで作成したほうがいいと思います。

コツコツ覚えたことは必ず点数になる!

7月頃になると、専門学校では「直前期モデルプラン」が配られ、いわゆる「回転表」が載っています。苦しいプランではありますが、本試験当日までに7~8回転できるので、なんとか食らいつくことをおすすめします。

5月末頃は実力判定模試が終わり、模試の結果が出て、一番苦しい時期でした。どれだけ勉強しても点数も順位も上がらず、一人で鬱々としていました。やっと点数が上がり始めたのは、理論学習にシフトしてからです。

本試験の半分のウエイトを占める理論。絶対逃げてはいけません! コツコツ覚えたことは必ず点数になります!あと少し、頑張ってください!!

【執筆者紹介】

みぃこ

R4年官報合格(簿・財・国徴・所得・消費)。簿記2級を取得したことから税理士事務所に転職し、出産を経て、税理士を目指す。子育てと仕事をしながらの勉強だったため、とにかく効率重視。プライベートでは、マンガ・小説、某パフォーマンス集団が大好きで、オタ活が趣味。現在も税理士事務所勤務で、2023年夏に税理士登録予定。
・会計人コースWeb合格体験記「【税理士合格体験記】フリーターから税理士へ! 仕事・育児をしながら、簿・財独学&税法一発で官報合格!


関連記事

ページ上部へ戻る