キング墨子
(40代後半・地方公務員)
<受験情報>
・合格科目:財務諸表論(平28)、簿記論・消費税法(令1)、国税徴収法(令2)、法人税法(令4)
・学習スタイル:ネットスクールWEB講座
▶︎トップ画像は、合格祈願のためにいつも訪れる神社「天空の鳥居」(本人提供)
‟ビジネスの世界で通用する公務員になってやるぞ”
「〇〇さん(私の名前)、残念ながら公務員を10年もやれば、ビジネスの世界では通用しないですよ。これまで元公務員を多く見てきたけど、全員使い物にならなかったよ。だって誰もお金の計算ができないんだもの。」
ビジネスのプロブレムソルビングの手法を行政に取り入れて課題を解決するための研修会に参加した後の懇親会で、講師の経営コンサルタントにこの言葉を言われたときは、かなりのショックを受けました。
その研修では問題解決の手法だけでなく、基本的な会計の知識や財務諸表の見方なども学びましたが、確かに公務員はB/SやP/Lを見ることのできる人はほとんどいません。
さらに言えば、そんなものわかる必要などないと考えている人の方が多いでしょう。
「じゃあ、通用する公務員になってやろうではないか」と思い、手始めに簿記の勉強を始めました。ところが、簿記の勉強をすればするほど、その完成されたシステムに感銘を受け、日商簿記2級合格後に「どうせここまで勉強したのならせっかくなので税理士試験を目指そう」と思ったのが最初に税理士を意識した瞬間でした。
そして、ちょうどその頃「このまま後何十年もこの組織でこの仕事を続けるのだろうか」と自分自身の仕事や組織に疑問を感じることが多くなり、「いつ今の仕事を辞めても自分で生きていける力を身につけたい」と考え、本格的に勉強を始めました。
官報合格までの道のり
結局、官報合格まで7回も受験をすることになりました。
受験歴を紹介すると、
・平成28年簿記論・財務諸表論受験(財務諸表論合格)
・平成29年消費税法受験(不合格)
・平成30年簿記論・消費税法受験(不合格)
・令和元年簿記論・消費税法受験(合格)
・令和2年国税徴収法受験(合格)
・令和3年法人税法受験(不合格)
・令和4年法人税法受験(合格)といった感じです。
お世辞にも順調であったとは言えない道のりでしたが、50歳までに官報合格という目標は達成できたので、嬉しいよりもほっとしているというのが正直なところです。
平日は朝3時起床、休日は図書館通い
受験勉強で私が一番苦労したのは、何と言っても勉強時間の確保でした。仕事との両立はやはり厳しく、平日夜はほぼ時間がとれないため、毎朝3時に起床し、朝に勉強するというスタイルで、1日約3~4時間は勉強にあてていました。
主な1日のスケジュールは、朝は計算メインの勉強、通勤時間は車の中で自分が吹き込んだオリジナル理論音声を聞きながらブツブツ念仏を唱え、昼休みは理論集の暗記、ベッドに入って寝るまでの時間も理論集の暗記といった内容でした。
休日は、基本的には近所の図書館に行き、開館時間から閉館時間まで、平日にはなかなかできない総合問題などを中心に取り組みました。
計算対策は「3回連続○で問題クリア」
私の基本的な勉強方法を紹介します。まず計算ですが、個別問題集を解く際、上部の余白部分に日付と解くのにかかった時間、間違えれば×、ほぼ分かったが計算ミスなどした場合は△、ストレスなく解けた場合は〇の記号を書き、「〇が3回連続つけばその問題は終わり」というルールを設定し、何度も同じ問題集を解きました。
直前期に総合問題や答練を解く場合は、同様に日付と解くのにかかった時間、そして解答解説に間違えた部分に赤線を引き、2回目に同じところを間違えた場合はその下に青線、3回目は緑線、4回目は黄色のマーカーといった具合に、自分が間違えた問題、苦手な問題を視覚的にすぐわかるよう工夫をしました。
これをやると嫌でも自分の苦手なところがわかるので、試験直前に全体の見直しをする際にも役に立ちます。
理論対策では60回転してほぼ全部暗記
次に理論ですが、私の理論暗記法は、短期間で繰り返し理論集を何回転もさせるやり方です。最初は重要語句を暗記ペンでマーカーし、覚えたら次の理論という感じでどんどん進めていき、少しずつ暗記ペンでマーカーした部分を増やしていきます。
30~40回転目になると、ほとんどマーカーした状態になり、その頃からは、理論集を見ずに暗唱し、つまれば理論集を見て確認するというやり方に徐々にシフトしていきます。
この方法は職場の先輩から教えてもらったもので、前回受験した国税徴収法と今回受験した法人税法はこの方法で理論集はほぼ全部暗記しました。
直前期は数日で1回転できるようになり、最終的には60回転くらいさせたと思います。税理士試験を乗り越えるには、理論から逃れることはできませんので、暗記に悩んでいる人にはお勧めです。
「あきらめないこと」に尽きる
以上、私の勉強方法を紹介しましたが、税理士試験で最も重要なことは「あきらめないこと」に尽きると思います。
平成30年は合格にギリギリ手が届かなくて、特に簿記論は59点で不合格だったため落胆が大きく、しばらく勉強をする気が起きませんでした。
気持ちがほぼ切れかかった状態でしたが、諦めずになんとか踏みとどまることができ、翌年奇跡的に2科目合格することができました。
現在スランプで悩んでいる受験生も多いと思いますが、何とか諦めずに頑張ってください!
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