どこ(ワシントン州USCPA)
<編集部より>
「英語」×「会計」を強みにしてスキルアップを目指したいと考えている人も多いのではないでしょうか。日本語では知っている簿記や会計の用語でも、英語では何と言うのか意外と知らないかもしれません。
そこで、本連載では、『USCPAになりたいと思ったら読む本』(中央経済社)の著者でワシントン州USCPA(米国公認会計士)のどこ先生に、英文会計をゼロから始めるときに知っておきたいことを超入門レベルから教えていただきます(全10回予定)。英語に抵抗がある人も、本連載で登場する「困った君」と「どこ先生」との会話を楽しみながら気軽に始めてみませんか。
「決算」の会計用語、英語で何と言う?
困った君:
外資系企業の経理になりたいから、英文会計の勉強がしたいよ。
簿記検定3級と英語検定2級に合格済みで、簿記も英語も基礎はわかっているけど、それでも英文会計って難しそうで、どう勉強したらいいかわからなくて困ったな。
どこ:
簿記検定3級の知識があれば、英文会計も理解できるよ。
簿記のルールは世界中で共通だから、あとは英語で会計用語を覚えるだけの問題だよ。
簿記検定3級レベルの会計用語をご紹介するから、英語で何と言うのか覚えてみようね。
困った君:
そもそも簿記って何だっけ?
どこ:
簿記は会社の毎日の取引を記録し、内容別に集計して、1年間の成績をまとめた報告書を作る技術のことだよ。
簿記は帳簿に記録することだよね。
簿記は英語で「Bookkeeping」で、「Book」は帳簿、「Keeping」は記録することという意味だよ。
取引は英語で「Transactions」だよ。
困った君:
その報告書は財務諸表のことかな?
どこ:
そのとおり。簿記は財務諸表を作ることがゴールだね。
財務諸表は英語で「Financial Statements」だよ。
取引→簿記→財務諸表
Transactions → Bookkeeping → Financial Statements(FS)
困った君:
財務諸表は1年ごとにつくられるよね。
どこ:
会社は永遠に継続すること(Going Concern)が前提なので、一定期間で区切る必要があるよ。
通常は1年で区切って1つの期間とするね。
困った君:
この期間のことを会計期間って言うよね。
どこ:
そうだね。会計期間は英語で「Accounting Period」だよ。
会計期間の初めの日が期首、最後の日が期末(決算日)だね。
英語で期首は「Beginning of year」、期末は「End of year」だよ。
困った君:
簿記検定では、すべての取引は資産、負債、資本、収益、費用の5つのどれかに該当すると習ったよ。
英文会計でも同じなのかな?
どこ:
この5つは会計の5つの要素(5Elements)と言うけど、世界中で共通の概念だよ。
英語では、資産は「Assets」、負債は「Liabilities」、資本は「Equity」、収益は「Income」、費用は「Expense」だよ。
困った君:
じゃあ、英文会計でも、会計等式「資産=負債+資本」が成り立つのかな。
どこ:
もちろん、会計等式(Accounting Equation)が成り立って、英語で書くと「Assets=Liabilities+Equity」になるよ。
会計の5つの要素(5 Elements)も会計等式(Accounting Equation)も大事だから必ず覚えてね。
会計の5つの要素(5Elements)
1 資産(Assets)
2 負債(Liabilities)
3 資本(Equity)
4 収益(Income)
5 費用(Expense)
会計等式(Accounting Equation)
資産 = 負債 + 資本
Assets = Liabilities + Equity
困った君:
簿記検定3級の知識があるから、英文会計も理解できそうだよ。
今回教わった会計用語の英語は、しっかり覚えることにするね。
どこ:
英文会計は難しくなかったでしょう。
今回ご紹介した会計用語の英語は超基本だから、ぜひ覚えてしまってね。
<執筆者紹介>
どこ
ワシントン州USCPA(米国公認会計士)
USCPA試験全科目合格後、大手監査法人に転職し、東京事務所の国際部にて、外資系企業をメインのクライアントとする会計監査人になる。
その後タイのバンコクに移住し、米国企業のタイ子会社にて、親会社への会計レポーティングを担当し、さらに帰国後、日系グローバル企業の東京本社にて、連結決算に携わる。
著書に『USCPAになりたいと思ったら読む本』(中央経済社)がある。
・ブログ:USCPAどこのブログ
・Twitter:dokoblog