飯田真弓(税理士)
税理士事務所に勤務されている職員のみなさんは、所内、クライアント、税務署との関わりの中で、実はメンタルで病んでいる人が多いようです。
そうした中でも頑張っている皆さんに、税理士および職員の方々へのメンタル相談について経験豊富な飯田真弓先生(税理士)に今週全5回にわたり、アドバイスをいただきます。
第1回 毎日領収書の貼り付け作業ばかりやらされてるんです・・・。
第2回 税務調査で経営者に怒鳴られた!
第3回 社長さんに“税理士の資格、持ってないの?”といわれてしまったんです。
第4回 税理士受験生のアルバイト先のオススメは?
第5回 「なんでうちの会社の担当は女なんだ!」っていわれたんです・・・
(なお、このテーマで2022年春に書籍を出版予定です。ご期待ください!)
税務調査で経営者に怒鳴られた! Rさんのケース
Rさんは、とある税理士法人に勤めている職員。
今年になって担当することになったお客様のところに税務調査の連絡があり代表税理士と一緒に行ったそうです。
Rさんが担当する前、そのお客様の担当者は税理士の資格を持っている人でした。
でもその税理士はメンタルを病んで休職中。
税務調査が入ったので前任者に連絡を取ろうとしたのですが、病気療養のため、旅行に行っているのだと返事が返ってきたそうです。
税務調査当日、お客様は調査官に即答できないことばかり聞かれてパニックになったようで、
「顧問料払ってるのにお前はどっちの味方やねん!税務署の味方なんか。そんな奴はクビじゃ!」
と怒鳴られました。
Rさんはもともとおとなしい性格で、お客様に怒鳴られてとてもびっくりしてしまったそうで、こんなことでは仕事は続けられないと思いはじめたというのです。
今回は、そんなRさんのお話です。
R:「飯田先生、もう、私、ちょっと無理かもしれません・・・。」
飯田:「えっ、いきなり、どうしたん?」
R:「この前、私の担当のお客様のところに税務調査が入ったんですよ。」
飯田:「あら、そうなんや。」
R:「前の担当は、税理士の資格を持ってる人だったんですけど、休んでしまってて、私が担当になったんです。」
飯田:「その先生が入ったから税理士法人にできたっていってたのに、休んでるん?」
R:「はい。3週間の診断書が出てるみたいです。」
飯田:「どうしゃはったん?」
R:「ちょっと、いっていいんかなぁ・・・。」
飯田:「メンタル系なん?」
R:「はい・・・。」
飯田:「そうやったんや。」
R:「税務調査の日、元々の所長先生と一緒に行ったんですけど、調査官が聞いてくることは私の知らないことばっかりだったんです。所長先生はその日お客様と初めて会ったから、何も答えることができなくて・・・。お客様は調査官に対して敵みたいな態度をとるし、もう、どうしていいかわからなくって・・・。」
飯田:「ふむふむ。」
R:「所長先生が、“そんなに突っ張ってても仕方ないですよ。聞かれたことにはちゃんと答えないと・・・”って感じでなだめながらやってたんです。」
飯田:「調査官は痛いところついてくるもんね。」
R:「そうなんですよ。それで所長先生が、“もう、調べ尽くされてるみたなんで、正直にいった方がいいですよ!”っていったんですよ。そしたら、“お前は税務署の味方なんか!”って怒鳴ってしまって、もう、大変やったんです。」
飯田:「あららぁ~。事前に打ち合わせできてなかったんやね。」