今日からできる! 税理士試験合格をつかみとる環境づくり


※ 本記事は、会計人コース2019年10月号「合格するための心の準備と環境づくり」を編集部で一部抜粋・再編集したものです。

堀川塾塾長 堀川 洋

学習に効果的な場所はどこにある?

皆さんの今の生活環境の中で、学習するためのデスクはありますか。ある程度の広さのテーブルとそれなりに静かな環境があればベストです。しかし実際には、そのような学習スペースがないという方も多いはずです。

まずは学習スペースの基本は自宅です。自分用の個室ではなく、ダイニングテーブルでもリビングルームのテーブルでもかまいません。テキストやノートを広げて電卓が操作でき、騒音がない場所を確保してください。

もし自分用の個室があれば、机の上を整理して不要なものは処分しましょう。できれば机の上には、パソコンはもちろん書籍なども置かず、広いスペースを用意してください。

勉強中にインターネットを見るというのも非常に効率が悪いので、勉強はこの机でインターネットはリビングルーム、という区別も明確にしたほうがよいでしょう。

また、学習スペースとしては公共の図書館も考えられます。しかし、いつも同じように利用できるわけではなく、週末は満席だったり、隣の利用者が気になって集中できなかったりすることもあります。ただ、自宅で学習するよりも集中できそうであれば、もちろん図書館も学習スペースと考えてかまいません。

さらに首都圏では最近、受験生向けの有料自習室があります。私も利用したことがありますが、静かで清潔、またデスクが個別に仕切られており、照明も明るいです。周りの人を気にすることもなく、思いのほか集中することができて感心しました。有料ではありますが、休日など家族が家にいるようなときには、移動時間や利用料などを考えても利用する価値は大いにあると思います。

学校や会社によっては、就業時間外や休日に校内・社内での学習を認めてくれるところもあります。また、大学などでは、卒業生であれば特別な身分証明書を発行してくれて休日に図書館を利用できるところもあります。私の受講生には、上司に申し出て毎週日曜に電話番出勤をしながら会社で勉強し、日曜出勤手当もちゃっかり手に入れたうえで科目合格したお調子者もいます。もしできれば学校や会社の利用も検討してみてください。

もちろん、これ以外で電車やバスの中も学習スペースになります。本当は集中すべき場所ではないように思えますが、意外なことに、電車の中が理論暗記に最適だったりします。かくいう私も、税法科目の理論暗記はすべて往復2時間の電車の中で行い、家に戻ってから暗記した理論を本当に書けるかどうか確認する、という勉強をしていました。

学習は早朝とスキマ時間をうまく活用

学習スペースより、ある意味でもっと深刻なのが学習時間です。私たちは朝から寝るまでいろいろな用事に追われて過ごしています。これからは毎日、そのなかに何時間かの学習時間を割り込ませなければなりません。

多くの方は夜、しかも深夜に学習しなければいけないと考えるかもしれません。しかし、夜遅くの学習は、あまり効果的とはいえないのです。これは脳生理学的な理由ですが、朝から頭を使っていると夜にはもう脳細胞も疲労してしまい、その機能が減退してきます。

ただ不思議なもので、深夜は静かで学習に集中できている気がしますよね。しかし、それは学習内容が脳の中を素通りしているだけで、実際に学習効果はほとんど得られていないと考えてください。

さて、深夜でなければいつ学習時間を作るのか、それは朝です。もっとも効果的なのは、夜のできるだけ早い時間にある程度学習し、早めに寝て朝少し早く起き、前の晩の学習内容を点検するという方法です。「朝は苦手だから早起きは無理」とう方は、いつもどおりに起きて、通勤・通学時間で前の晩の確認をするとよいでしょう。

学習は集中して何時間も行うのではなく、ある程度時間を分けて繰り返すと効果があります。つまり、自宅ではメインの勉強をし、あとは移動時間などでこまめに反復学習をすることが正しい方法といえます。

特に財務諸表論や税法科目では暗記しなければならない項目が多いため、時間を区分しての反復学習は非常に重要です。移動時間にスマートフォンでゲームなどをしているのは、実にもったいないことです。ぜひスキマ時間を見つけて、有効に活用してみてください。

翌日のスケジュールを綿密に立て実行しよう

さて、税理士試験の受験生ともなれば、先ほどお話ししたように、学習時間を作らなければなりません。これにもノウハウがあります。

まず、学習計画は「1ヵ月」という長い期間で立てる必要はありません。1週間程度を単位とし、何をいつ学習するか、大まかに計画しましょう。そして、前日の寝る前に、「明日はこの時間にこれを、その次は何を、家に戻ったらこれ」と細かい計画を立てます。あとは、それを計画どおりに実行します。

実際には予定外の事態も起こりますが、よほどのことがないかぎりは、この前日に決めた計画を実行するように努力してください。たとえば、急に友人に食事に誘われても、「申し訳ない」とはっきり断る決断力が必要です。「今日の分は明日すればいいや」などと考えると、その分だけ後悔することになります。

この前日の学習計画は、特に初心者の方に重要です。というのも、初心者の方は、これまで税理士試験の勉強を継続してきた習慣がありません。まずは「成果は二の次」と考え、学習を規則的・計画的に継続する習慣を生活の中に組み込んでいきましょう。

長い受験生活のなかでは、「試験」に重きを置いたスケジュールが合格の必須条件です。これから1年間頑張ってください。

(執筆者紹介)
堀川 洋(ほりかわ・よう)
堀川塾塾長
大学卒業後、税理士試験に合格。その後、専門学校において税理士講座の指導を約40年担当し、2010年に会計に関連する資格試験の受験を専門にした堀川塾を設立。受験指導を中心に、書籍の執筆や大学での講師など、幅広い経験をもつ。
主著に『電卓操作最短・最速攻略法〔第2版〕』(中央経済社)、『日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳〔改訂版〕』『ここから始める理論暗記の極意』(いずれもとりい書房刊)など多数。

※ 本記事は、会計人コース2019年10月号「合格するための心の準備と環境づくり」を編集部で一部抜粋・再編集したものです。該当号はこちらからお買い求めいただけます。


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