【インタビュー第1回】簿・財合格者を多数輩出! 千葉商科大学「瑞穂会」が『税理士試験 直前予想問題集』を解いてみた


税理士試験は直前期まっただなか。

会計人コースBOOKS『税理士試験 直前予想問題集』(中央経済社)は、今年も好評発売中です。

すでに問題を解いた!という方もいらっしゃると思いますが、これから解こうと考えている方も多いはず。

例年、多くの簿・財合格者を輩出している千葉商科大学「瑞穂会」では、毎年7月に、この『税理士試験 直前予想問題集』を2回解くカリキュラムとなっているそうです。

そして今年も、簿記論・財務諸表論に初挑戦する受験生が、「はじめて直前予想問題集を解く」とのこと。

そこで、試験前の貴重なお時間を頂戴し、『税理士試験 直前予想問題集』を解いた感想をインタビューさせていただきました!

2時間の制限時間を計り、実戦的な問題を解いたことで、どのようなことを考えたのでしょうか? 

「瑞穂会」を指導されている渡邉先生のアドバイスも交えてお話を伺いました。

これから解こうと考えている方にとって、参考になる情報が満載です。

本記事では1回目のインタビュー(7月5日実施)の様子をお届けします。 

【今回お話を伺った皆さん】
白木空流さん(現3年生)
梶井佑太さん(現3年生)
藤野拓武さん(現4年生)
渡邉 圭先生(千葉商科大学基盤教育機構准教授)

『税理士試験 直前予想問題集』とは?

この1冊で有力専門学校と「学者×実務家」コラボによる模擬試験問題が解けます!

【令和3年度版のラインナップ】
〈簿記論〉
・資格の大原
・東京CPA会計学院
・ネットスクール
・LEC東京リーガルマインド
・学者×実務家のコラボ

〈財務諸表論〉
・資格の大原
・東京CPA会計学院
・資格試験のFIN
・学者×実務家のコラボ

◆瑞穂会では問題ページや解答用紙を印刷し、解いているとのこと。

はじめて解いてみてどうだった?

――『税理士試験 直前予想問題集』をはじめて解いてみてどうでしたか? まずは簿記論から感想を教えてください。

白木さん 専門学校によって難易度がまったく違いました。特に東京CPA会計学院(以下、CPA)が、問題が難しいだけでなく分量も多く、2時間では解き終わらなかったです。それ以外の学校は、これまで個別問題集などをたくさん解いてきたので、あまりにも点数が低いということはなかったのですが、いつもより凡ミスが目立ちました。たとえば、「8」と「0」を見間違うとか、ケタを間違えるとか、くだらないミスばかりです。そういった凡ミスに注意していれば、もう10点くらいは点が取れたと思います。ただ、簿記論は、このようなミスをいかになくすかが大切だと思うので、今後気をつけていきたいです。

藤野さん 僕も白木くんと同じでCPAが難しく、それ以外は合格ラインを超えることができました。CPAは第一問・第二問が難しく、それなのに“切り上げる”ことができず、第三問にはほとんど手をつけていません。普段から簿記論は30分・30分・60分で解こうと決めているのですが、CPAに関しては、120分になる頃にようやく第三問に突入といった感じでした。

梶井さん 僕も2人と同じでCPAが一番難しかったです。ただ、全体的に時間配分がうまくできず、凡ミスも多かったように思います。パッと見ると簡単に解けそうなのに、いざ2時間を計ると解けないんです。藤野くんも言っていましたが、第一問・第二問に時間をとられ、第三問の最後になるにつれて疎かになる傾向があるので、時間を上手に使っていきたいです。

★1回目、簿記論の点数は?
(一番点数が高かった問題と低かった問題をご回答いただきました)

白木さん 
学者×実務家のコラボ 87点
東京CPA会計学院 39点 

藤野さん
LEC東京リーガルマインド 92点
東京CPA会計学院 28点

梶井さん
学者×実務家のコラボ 75点
東京CPA会計学院 47点
◆ミスした部分をルーズリーフにまとめる方も。

――財務諸表論はどうでしたか?

白木さん 財務諸表論も簿記論と同じで、2時間では解き終わらなかったです。僕は、計算を全部解いてから理論を解くのですが、計算を1問1問解いていたら、理論は4分の1くらいしか解けませんでした。時間さえあれば解ける問題だったので悔しいです。また、これまでは資格の大原(以下、大原)の理論問題集を使って勉強していたのですが、『税理士試験 直前予想問題集』では別の学校の問題も解きます。学校によって、同じことを聞いていても問題の文章や解説が違うので、それもまた難しく感じました。

藤野さん 財務諸表論に関しては、僕も白木くんと同じで大原の理論問題集を使っていたので、大原の問題では点がそこそこ取れました。他の学校は手も足も出なかったです。まだ完全に覚えていない理論が問われると、どう解答すればいいのかわからなくなりました。計算に関しては、平均的に40点は取れました。目標として計算で満点近くを取りたいので、今後も計算を伸ばしていけるよう頑張りたいです。

梶井さん 僕も計算→理論という順番で解いているのですが、計算にも時間がかかってしまい……。その結果、理論では焦りから、文章の構成や表現を考えることなく、今あやふやに覚えている知識だけでなんとなく解答してしまいました。計算を正確に解くことは大切だと思いますが、理論もしっかり理解したうえで解答できるようになりたいです。

★1回目、財務諸表論の点数は?
(一番点数が高かった問題と低かった問題をご回答いただきました)

白木さん 
資格の大原 74点(理論29点・計算45点)
東京CPA会計学院 43点(理論5点・計算38点) 

藤野さん
資格の大原 70点(理論30点・計算40点)
東京CPA会計学院 49点(理論9点・計算40点)

梶井さん
資格の大原 66点(理論26点・計算40点)
東京CPA会計学院 36点(理論7点・計算29点)

★渡邉先生から、理論を攻略するアドバイス!

渡邉先生
渡邉先生

瑞穂会の学生を見るかぎり、「○○について書きなさい」といったような、1つの項目に関する問題は解くことができています。ただ、Aの項目とBの項目を掛け合わせたような問題となると、Aの解答とBの解答をどのように組み合わせて1つの解答にすればよいのか、と悩む受験生が多い印象です。

理論暗記が不十分だと、あやふやな解答しかできません。そのため、瑞穂会の学生には、理論暗記の精度を上げるように指導しています。精度を上げるためには、頭の中に知識を詰め込むだけでは足りません。詰め込んだ知識を、さらに頭の中で整理することが大事です。そうすると、頭の中の引き出しから自在に知識をアウトプットすることができるようになります。

ただ、理論は計算と違い、基本的にはセカンドベストな解答しか求められません。受験生も、模範解答そのままのベストな解答をするのは難しいでしょう。そのため、合格ラインに届くためには、計算で取れるところを確実に取ることが大事です。

◆実際の財務諸表論(理論)の答案。渡邉先生からは「最初に1マス空けるとよい」「漢字は大きく、ひらがなは小さくするとバランスがよくて読みやすい」といった答案の書き方のアドバイスも!

解きなおすときに心がけたいこと

――『税理士試験 直前予想問題集』を解いて、普段の学習とギャップを感じた部分はありますか? また、そのギャップを受け、解きなおす際に注意したいことは何ですか?

白木さん 今まであまり制限時間を意識してこなかったので、「時間の壁」を意識できたのが大きかったです。特に、理論に関しては、これまではじっくり思い出して解いていました。ただ、本試験では、その「思い出す時間」は限られてしまいます。「わかっていても時間が足りなければ解けない」ということを改めて実感しました。

そのため、とにもかくにも2回目は「時間配分」に気をつけたいです。本当は2時間で全部解きたいですが、それは無理なので、切るところは切って、最後までたどり着けるように意識したいと思います。

切る基準としては、「日商簿記1級でやってきたかどうか」です。僕としては、日商簿記1級のほうが難しく感じたので、日商簿記1級で見たことがない問題なら、周りの受験生も解けないだろうと。そのように判断基準をもって、問題を飛ばす勇気をもちたいです。

藤野さん 僕も白木くんと同じです。しかも、計算では、制限時間を意識するとケアレスミスが増えることに気づきました。「四捨五入」の指示を読み飛ばしていたり、違う方法で処理していたりとか。ケアレスミスがないように注意したいです。理論に関しても、覚えたのに忘れているものが多かったので、テキストを見返したり問題集を繰り返し解いたりして、学習の精度を上げていきたいと思います。

梶井さん 日商簿記1級まで学習してきたので、計算はできるだろうと思っていましたが、抜けている部分が多いことに気づきました。理論は、意外と漢字の間違いが多かったです。内容はもちろん、普段使わないような用語や漢字にも、しっかり注意を払いたいと思います。

★渡邉先生から、『税理士試験 直前予想問題集』の使い方をアドバイス!

渡邉先生
渡邉先生

学生たちも言っていましたが、『税理士試験 直前予想問題集』を解くと、専門学校によって問題の問い方や解説が違うことに気づくと思います。それに面食らう方もいらっしゃるかもしれませんが、財務諸表論の理論で問われるのは「会計の考え方」です。

そのため、『税理士試験 直前予想問題集』の出題校のなかに、普段から利用している学校があるようなら、その学校の解答や解説をベースに学習してもよいと思います。他の学校と言い回しや表現は違ったとしても、「考え方」は同じはずです。まずは、普段の学校をベースに勉強し、他の学校の問題も解くことで、「解いたことがある」「見たことがある」問題を増やしていきましょう。

――貴重なお話をありがとうございました! またお話を伺うことを楽しみにしております。

★2回目のインタビューの様子は、7月27日公開予定!


『税理士試験 簿記論 直前予想問題集(令和3年度)』

中央経済社編
定価:2,640円(税込)
発行日:2021/04/13
B5判 / 244頁
ISBN:978-4-502-38441-7
ご購入はこちらから

『税理士試験 財務諸表論 直前予想問題集(令和3年度)』

中央経済社編
定価:2,640円(税込)
発行日:2021/04/13
B5判 / 192頁
ISBN:978-4-502-38451-6
ご購入はこちらから


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