【税理士試験】1ヵ月前~本試験当日、合格者はどうしてた?(第1回:既習の論点に絞って簿・財独学合格)


 はじめて受験する人、再挑戦する人、あと1科目で官報合格を果たす人、仕事や学校と両立している人など、税理士試験にチャレンジする方はさまざま。
 本試験を約1ヵ月後に控えたいま、自信のある方もいれば、焦る気持ちがどうしても出てしまい、勉強に集中できていない方も多いのではないでしょうか。
 そこで、税理士受験生の皆さんが少しでも気持ちを落ち着かせることができるよう、先輩合格者の方々に本試験前の過ごし方を伺いました。
 7月12日より5日間にわたって、タイプの違う方々にお話しいただきます。ぜひ、参考にしてみてください!(編集部) 

先輩合格者を紹介!

北田 正人(きただ・まさと)

1980年岩手県宮古市生まれ。2000年に専門学校盛岡カレッジオブビジネスを卒業後、仙台国税局に入局。2005年に財務省に入省し、仙台国税局管内の各税務署へ配属。10年以上にわたって税務調査担当官を務める。2018年に退職し、FP事務所を開設。2019年に税理士試験に合格し、2020年3月に北田正人税理士事務所を開業。「国税OB組」×「試験組」の税理士として、税務調査対応・税務コンサルティングを行う。

合格科目:財務諸表論(2018年)・簿記論(2019年)※税法科目は国税従事者の経験により免除
学習時間:平日1~3時間/休日3~8時間
学習場所:主に自宅
学習方法:独学
出身校:地元岩手の専門学校を卒業

Q1 本試験1ヵ月前はどうしてた?

 簿記論では過去問をひたすら解いていました。試験日に計算力と知識がピークとなるように、過去問を使って「最終調整」するイメージです。

 ただし、過去問で出題されていない論点もあります。そのような論点は、1週間に一度、個別問題集のほか、月刊誌「会計人コース」の付録や総合問題集、直前予想問題集などをコピーし、「論点整理ノート」に貼り付けて、解いていました。

 財務諸表論では、理論の反復に努めました。私は独学だったので、「会計人コース」を使っていたのですが、「会計人コース」に掲載されている確認問題を毎日解き、理論を反復していました。

 本試験1ヵ月前は総復習の時期です。「知識の確認」「忘却の防止」「計算力の向上」これに尽きます。この時期に「新しい知識・論点」を覚えることはしません。

 仮に、この時期に「新しい知識・論点」を習得しなければ本試験に対応できないのであれば、合格は厳しいかと思います。

Q2 本試験1週間前はどうしてた?

 勉強については本試験1ヵ月前と変わりませんでしたが、1週間前から体調管理には特に注意していました。食事・睡眠を十分にとり、飲酒はしませんでした。

 とはいっても、緊張で眠れず、結局は睡眠不足だったと記憶しています。

 ただ、「眠れないから」といって勉強することはせず、布団の中で目を閉じて理論を思い出したり、過去問の計算問題を解く姿をイメージしたりして過ごしていました。

Q3 本試験前日はどうしてた?

 苦手な論点や苦手な計算問題のみ解き直し、早めに寝るようにしていました。食事も軽めにし、試験当日に腹痛や下痢にならないように注意します。

 ただ、やはり緊張して眠れないときもありました。そのときは、”成功イメージ”をもつように心がけました。成功イメージは具体的に、試験会場の椅子に座り、問題が配られ、試験がスタートし、問題を見た瞬間に「イケる」と確信している姿を想像していました。

 ほかにも、苦しかったときのことを振り返っていました。「どんなに疲れていても、眠くても、ひたすら問題を解いていた自分」。「こんなに苦しい思いをしてまで、なぜ自分は勉強しているのだろう、なぜ税理士を目指しているのだろう…と自問自答した日々」。そんな過去のことを思い返していました。

 そうすることで、「こんなに自分は努力したんだ。明日すべてが報われる」と思うことができ、強い気持ちをもって眠りにつくことができました。

 また、私は地方に住んでおり、家から一番近い試験会場までは、新幹線などの公共交通機関を利用して片道2時間くらいかかります。試験当日の移動でも間に合いはするのですが、私は必ず、試験会場に近いホテルに泊まっていました。そのおかげで、心に余裕をもって試験会場に向かうことができていました。

Q4 本試験当日はどうしてた?

 試験当日の朝は、早く起き、簿記論の総合問題を1つ解きました。「脳の準備体操」のようなものです。スポーツでも、朝起きていきなり全力疾走するよりは、ウォーミングアップをしてから全力疾走をしたほうが、きっと良い成績が出せると思います。

 また、水分はほとんど摂りませんでした。試験中に尿意を催さないためです。

 そして、試験会場には、なるべく早めに到着するようにしていました。

 試験会場に到着したら、使い慣れたボールペンのほか、新しいボールペンもパッケージを破って机の上に置き、実際に使用していました。「新しいボールペンで新しい世界をつかむ」というゲン担ぎです。

 一方でシャーペンは、使い慣れたものを机の上に並べていましたが、実際に使用するわけではありません。試験中、不安な気持ちになったとき、使い慣れたペンを握ることで不安な気持ちを払拭していました。「このペンで苦しいときも勉強してきた。きっと大丈夫。」と自分に言い聞かせていました。

 そうして、試験官によって「試験終了」の合図がなされたとき、「合格した」と確信していました。ホッとした気持ちと同時に、涙があふれてきたのを覚えています。

◆使っていたシャーペンやボールペン。ボールペンはジェットストリーム派。

 簿記論・財務諸表論に独学で合格された北田先生。
 苦しかったことも糧にして、前向きな気持ちで試験に臨む姿が印象的でした。
 本試験当日の“ゲン担ぎ”を真似しようと思った方もいるのでは♪
 簿記論・財務諸表論の受験生は、「税理士試験そのものがはじめて」という方も多いと思います。
 緊張や不安でいっぱいかもしれませんが、そんなときはぜひ、北田先生の過ごし方を参考にしてみてください!(編集部)


この記事を読んだ方にオススメ!
北田先生による『税理士試験 直前予想問題集』の使い方も、ぜひご覧ください。


関連記事

【広告企画】会計大学院(アカウンティングスクール)12校の魅力を探る!

重版出来✨『わかる! 使える! うまくいく! 内部監査 現場の教科書』

【広告のご案内】掲載要領(PDF資料)

ページ上部へ戻る