加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
連結キャッシュ・フロー計算書において、子会社株式の追加取得及び一部売却に係る収入及び支出は、投資活動によるキャッシュ・フローの区分に表示する。
解答
×
子会社の追加取得及び一部売却に係る収入及び支出は、財務活動によるキャッシュ・フローの区分に表示する。
根 拠
会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」
財務活動によるキャッシュ・フロー 9-2.子会社株式の追加取得又は一部売却(親会社と子会社の支配関係が継続している場合に限る。)による親会社の持分変動による差額は、資本剰余金に計上される(連結会計基準第28項及び第29項)。このため、連結範囲の変動を伴わない子会社株式の取得又は売却に係るキャッシュ・フローについては、当該変動に関連するキャッシュ・フロー(関連する法人税等に関するキャッシュ・フローを除く。)を、非支配株主との取引として「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載するものとする。 なお、上記に関連して生じた費用に係るキャッシュ・フローは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。 |
ワンポイントアドバイス
経済的単一体説の考え方により、非支配株主との取引は資本取引として捉えるために、非支配株主持分との取引による支出及び収入は、財務活動によるキャッシュ・フローの区分に表示します。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。