ギャル会計士おりさが答える 受験生のお悩み相談【キャリア編】


はじめまして、“ギャル会計士おりさ”こと栗林利紗です。

20歳まで地元の福島で過ごし、早稲田大学に編入学後、25歳のときに公認会計士試験に合格しました。その後、監査法人で3年半働き、独立してからは、自身の公認会計士事務所を経営する傍ら、アパレル事業の運営や母校での非常勤講師など、さまざまな仕事に挑戦しています。

こんな私ですが、SNSで受験生や会計士に興味がある方から質問をいただくことがあります。私と同じ女性からの質問が多いのですが、よく寄せられるのが

「20代後半の社会人なのですが、今から会計士を目指しても大丈夫でしょうか?」

といったものです。併せて、

「受験勉強ばかりしていたら恋愛や結婚ができないのではないか」

「実際に会計士になってもやっていけるのか」

という声をいただくこともあります。

キャリアに結婚、たしかに悩みますよね。

私自身が公認会計士試験に挑戦したのは22歳のときですが、「自分を変えたい」という気持ちは痛いほどわかります。私も受験するまでは、周りと自分を比べてはコンプレックスを抱いていました。

憧れの早稲田大学に編入学すると同時に上京したのですが、周りはもちろん早稲田生。付け焼き刃で勉強して合格した私は、中高一貫校で育った大学の同期生の、教養のある本物の「頭の良さ」に勝てるわけもなく、疎外感。地元ではお洒落大好きなギャルだったはずが、サークルやバイト先にはテレビに出演しているような赤ちゃん肌でお洒落も完璧な天然美人がいて、こちらも完全に自信喪失。

一念発起して公認会計士試験に挑戦したのも、「そんな自分を変えたい!」という思いが強くあったからです。

この記事では、そんな私の実体験を踏まえながら、キャリアにまつわるお悩みや質問に答えていきたいと思います。

◆上京したての巻き髪ギャル時代

【Q1】キャリアと結婚、どちらを優先?

私は何の資格も持っていない28歳の会社員女性です。今の仕事にやりがいが見つけられず、会計士の資格に憧れをもつようになりました。一方で、周りの友達が結婚しはじめているなかで焦りもあります。キャリアか結婚か、どちらを優先すべきでしょうか。

まずはキャリアを優先しましょう!

自分自身がそうしてきたこともありますが、私なら「キャリアを優先すること」をおすすめします。

キャリアか結婚か、人生の大きな岐路に悩むのも、「幸せになりたい」という想いがあるからですよね。私は、幸せは自分自身の心が決めるもので、そのためには何歳になっても“自分が好きな自分でいること”が大事だと思っています。そして、“自分が好きな自分”でいるためには、いつもワクワクできるような、やりがいのある仕事が欠かせないと思います。

私は、昔から好奇心が旺盛で、会計士になる前から「起業したい」と考えていました。しかし、そうは思っても、当時は何の取り柄もないギャル。起業したとしても成功できる自信がなく、これといった秀でたビジネスアイディアもありません。

それが会計士資格をとったことで、自分の武器が明確になり、自信をもって色んなことにチャレンジできるようになりました。

よく会計士は「仕事の幅が無限大」といわれます。何歳になっても“自分が好きな自分”でいるために、挑戦する価値のある資格だと思います!

【Q2】勉強と恋愛は両立できる?

とはいっても、難関の会計士試験。受験勉強をしているうちに婚期を逃さないか、不安もあります……。

恋愛は会計士試験に受かってから!

私も受験勉強中は「一生結婚できないんじゃないか」とよく不安になっていたので、受験と結婚の両立が気になる気持ちは痛いほどわかります。

大学の同級生が社会人になって徐々に結婚していくなか、私は彼氏がいないどころか部屋にこもって受験勉強。鏡に映った姿はスッピンにスウェット。

恋愛しながら会計士試験に合格した友達もいましたが、私はそんなに効率のいい人間ではなかったので、「恋愛は会計士試験に受かってから」とキッパリ割り切っていました。

自分の人生の主役は自分です。誰かに幸せにしてもらおうと思うよりも、まずは自分で自分を幸せにしてあげることが大事だと思っています。私の経験上、他人依存の幸せって結局長く続かないんですよね(笑)。

ただ、会計士になると新しい世界が広がります。素敵な出会いもたくさんあるはずですよ!

【Q3】独立したら、どんなことができる?

会計士になったら、いずれは独立することも気になっています。独立したらどんなことができますか?

事業経営、学校の先生、税理士……色々なことに挑戦できます!

公認会計士試験に合格して7年経った今でも、私はいまだに夢を見ながら色々なことにチャレンジしています。

試験合格後は、監査法人で監査事業部とアドバイザリー事業部を経験したのですが、もともと「自分で事業に挑戦してみたい」という気持ちが強くあったことから、思い切って「独立」という道を選びました。

なかでも、昔から大好きだったアパレル分野で事業を一からスタートできたことが大きいです。商材を選んだり、ECサイトを設計したり、ポップアップを開催したり、会計士になって憧れの世界に飛び込むことができました

高校生のとき、マルキュー(渋谷109)の“カリスマ店員”に憧れていたものの、そのときは叶わずに終わっていたアパレル業界への道。結果として10年後、経営側として携わることができ、昔の夢が叶ったような気がしました。

この事業は2020年に売却したのですが、最近では会計事務所にもアパレル企業やインフルエンサーの方々からの依頼が増えています。自分のアパレル事業での経験や知識がお客様の事業に役立っていると思う瞬間です。

ほかにも、母校の高専で非常勤講師をしています。10歳以上も離れた後輩たちが経営や会計に興味をもつきっかけをつくれることに、とてもやりがいを感じています。

また、会計士になると税理士登録もできるので、現在は税理士としてのアドバイスも行っています。

◆独立し、色々なことに挑戦中の最近の私。

【Q4】会計士になってよかったことは?

会計士になってよかったと思うことはどんなことですか?

自分に自信がついたことです!

会計士の資格を取り、自分に自信がついたことで、私は「起業する」ということに抵抗がなくなりました。

また、自分で稼ぐこともできるので、流行りのブランドバッグも買えるし、海外旅行で贅沢もできる。今は昔から憧れだった渋谷のマンションに住みながら、好きなときにネイルやヘアサロンに通っています。ギャルは固定費が高いので、このメリットはかなり大きいです(笑)。

また、社会的な信用を得られたことで、さまざまな場面で仕事の依頼をいただくことも多くなりました。会計士の資格をとって本当によかった、心からそう思っています。

★続いては、【勉強編】をお届けします。(5月中に掲載予定!)

〈執筆者紹介〉
栗林 利紗(くりばやし・りさ)
栗林利紗公認会計士事務所所長/株式会社Ri-speKt代表取締役/福島高専非常勤講師
2014年に公認会計士二次試験に合格し、有限責任監査法人トーマツに入社。監査事業部、アドバイザリー事業部を経て独立。
インスタグラム、Twitter(@cpa_risa)で会計士の魅力や勉強法について発信している。


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