加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
ファイナンス・リース取引により売買処理されている場合、リース料に含まれる元本返済額はリース債務の返済額は、投資活動によるキャッシュ・フローの区分に表示され、利息相当額は「利息の支払額」として表示される。
解答
×
リース債務の返済額は投資活動ではなく、財務活動によるキャッシュ・フローの区分に表示される。
根 拠
会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」
34.リース取引に係る支払リース料及び受取リース料の表示区分については次のとおりとする。 (1) 借手側の支払リース料 会計上、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理された借手側のファイナンス・リース取引に係る支払リース料のうち、元本返済額部分は、当該リースが資金調達活動の一環として利用されているものと認められることから、「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載し、利息相当額部分については、企業が採用した支払利息の表示区分に従って記載する。なお、利息相当額部分を区分計算していない場合は、支払リース料を「財務活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。 オペレーティング・リース取引に係る支払リース料のキャッシュ・フローは、通常は営業損益計算の対象に含まれるため、原則として「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に記載する。 |
ワンポイントアドバイス
ファイナンス・リース取引は、借入金と同様に資金調達して、その元本を返済していくものと考えられることから、財務活動の区分に表示されます。なお、賃貸借処理されるリース料は営業活動の区分に表示されます。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。