【1日1問!〇×会計クイズ】連結会計・キャッシュフロー計算書・企業結合④


加藤大吾
(公認会計士・税理士)

公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題! 

もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。

○×問題

支配獲得時に子会社の資産のうち土地(帳簿価額10,000円、時価12,000円)を時価評価したときの法定実効税率は30%であったが、翌期以降の法定実効税率が32%となった。このとき、連結貸借対照表では繰延税金負債600円が計上される。

解答

×

解消年度の法定実効税率32%に基づき、繰延税金負債は2,000円×32%=640円となる。よって、税率変更に伴い、次の連結修正仕訳を行う。

(借)法人税等調整額 40
 (貸)繰延税金負債 40

根 拠

企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」

52. 子会社の資産及び負債の時価評価により生じた評価差額に係る一時差異について、子会社において税率が変更されたことによる繰延税金資産及び繰延税金負債の修正差額は、当該税率が変更された連結会計年度において、法人税等調整額を相手勘定として計上する。

ワンポイントアドバイス

時価評価により税率変更する場合は、繰延税金負債を修正するとともに、子会社に非支配株主持分が存在する場合には、非支配株主持分の金額も修正します。

〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。


関連記事

ページ上部へ戻る