加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
連結修正仕訳を示しなさい。
P社(親会社)はS社(子会社)へ土地(帳簿価額10,000円)を3,000円で売却し、S社は当該土地を保有している。なお、売却価額は時価を反映したものである。
(借)土地 7,000
(貸)固定資産売却損 7,000
解答
×
回収不能である部分の未実現損失は消去することができないため、連結修正仕訳は不要である。
根 拠
企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」
未実現損益の消去 36. 連結会社相互間の取引によって取得した棚卸資産、固定資産その他の資産に含まれる未実現損益は、その全額を消去する。ただし、未実現損失については、売手側の帳簿価額のうち回収不能と認められる部分は、消去しない。 |
ワンポイントアドバイス
未実現損失の場合、未実現損失を消去すると連結上、資産の評価益を計上することになります。しかし、当該資産の回収可能性を考慮した場合、回収不能である金額については消去しないこととされています。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。