加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
P社はすでに支配を獲得しているS社株式の10%(取得価額1,200円)を追加取得した。追加取得時のS社の資本勘定は10,000円である場合、のれん200円が追加計上され、非支配株主持分が1,000円減少する。
解答
×
のれん200円ではなく、資本剰余金200円を減額する。
連結修正仕訳
(借)非支配株主持分 1,000
資本剰余金 200
(貸)S社株式 1,200
根 拠
企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」
子会社株式の追加取得及び一部売却等 28. 子会社株式(子会社出資金を含む。以下同じ。)を追加取得した場合には、追加取得した株式(出資金を含む。以下同じ。)に対応する持分を非支配株主持分から減額し、追加取得により増加した親会社の持分(以下「追加取得持分」という。)を追加投資額と相殺消去する。追加取得持分と追加投資額との間に生じた差額は、資本剰余金とする。 |
ワンポイントアドバイス
経済的単一体説により、非支配株主との取引は資本取引となるため、追加取得や一部売却により生じる差額は資本剰余金に計上します。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。