ここが違った! コロナ禍での大学院生活
2020年1月、新型コロナウイルスの感染者が日本ではじめて報告されました。私にとっては1年次の終盤、「さぁ! これから修士論文に取りかかるぞ!」という時期です。最後に、コロナ禍で大学院生活がどう変わったのか、まとめてみたいと思います。
修士論文
テーマが確定したのは、1年次の1月。この時点で、最終的に集めた参考文献のうち、3割くらいを集めていました。引き続き文献収集を行っていくなか、新型コロナウイルス関係のニュースが毎日報道されるように。
まさか、国立国会図書館の遠隔複写サービスが使えなくなったりしないよな…? そんな不安がよぎった数週間後、緊急事態宣言により、予想が的中してしまいました。近くの図書館なども閉鎖。文献収集が完全に詰みました。このとき集めていた文献は、おそらく6割くらい。
しかし、この状態でも執筆作業だけはやめませんでした。救われたのは、6割でも文献を集めておいたこと。追加でほしい文献が出てきたら、いったん孫引きし、あとから元の文献を集めるようにしました。
スクーリング・自主ゼミ
2年次のスクーリングや自主ゼミは、コロナ禍の影響を思いっきり受けてしまったので、対面指導とZoom指導を織り交ぜて行われました。ゼミによっては、Zoom指導のみというところもあったようです。
公聴会
修士論文を書きあげたら、あとは提出するだけ……というわけではありません!「公聴会」という関門があります。(偉い先生方の前で自分の論文を発表し、厳しい質問をされるという、いま思い出してもお腹が痛くなりそうな)公聴会を突破しなければ大学院を修了できない、非常に大事なものです。
今回は、公聴会が史上初の完全オンラインで行われました。事前にZoomのテストが行われ、当日は、極力、有線LANの環境で、ヘッドセットを使って発表することが推奨されました。
メッセージ
「2年間の大学院生活で、つらかったことって何だろう?」と思い返してみましたが、思い当たることがありませんでした(いや、ホントに)。修士論文の執筆に苦戦したり、「コロナがなければ、もっとみんなと親睦を深められたのに…!」と思うこともありましたが、心から、2年間の大学院生活を楽しむことができたと思っています。
でも、そう思えるのも、早い段階で修士論文のテーマを確定できたことが大きいと考えています。テーマが確定しなければ、別のテーマを探さないといけませんし、焦りも出てきます。執筆に割ける時間もおのずと減り、時間的な余裕がなくなると、大学院生活を楽しむどころではありません。それを回避するためには、やはり、「早めの行動」と「コツコツした積み重ね」が大事だと思っています。
大学院で学ぶことは、税理士試験の勉強とはまったく違います。多くの人が、はじめて租税法を本格的に学ぶことになるのではないでしょうか。さまざまな学説や判例に触れ、今までに書いたことのない文字数に圧倒されながら、修士論文に取り組むことになると思います。しかし、余裕をもって取り組むことで、租税法を学ぶ楽しさ、面白さを味わうことができるはずです!
せっかく大学院に進学するのであれば、おおいに大学院生活を楽しんでください!
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会計人コース編集部・編
定 価:1,870円(税込)
発行日:2020/09/29
A5判/144頁
ISBN:978-4-502-36301-6
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