税理士試験 簿・財一発合格者のボザイさんに聞いてみた iPad勉強法の始め方と、その極意とは?


「iPadで勉強する人がもっと増えたらうれしいです!」

2021年1月、ご自身のTwitterにあげた「財表理論の体系図」がたちまち税理士受験生の中で話題となったボザイさん(@bozai888)に取材したとき、話されていた言葉です。

ボザイさんは、2019年に独学で日商簿記1級に一発合格され、2020年には、これまた独学で税理士試験の簿記論・財務諸表論にも一発合格されました。

そんな勢いのあるボザイさんの勉強を支えていたのがiPad! 
「財表理論の体系図」もiPadで作られたというので驚きですよね。

ただ、ボザイさんがTwitterで「勉強にiPadを利用しているかどうか」アンケートをとってみたところ、こんな結果に。

「利用していない」「興味はあるが利用していない」が合わせて50%近くを占めています。

1人1台スマートフォンを持っている時代とはいえ、iPadも持っている方は、まだ多くはないのかもしれません。

また、持ってはいるけれどうまく使いこなせていない、そういった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、この記事では、ボザイさんに「iPadを使った勉強法」についてお話を伺いました。

iPadを勉強にどう取り入れているのか? そもそもまずは何を準備すればいいのか?

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iPad勉強法、まずは何を買えばいい?

――本日は、「iPadを使った勉強法」についてお話をお伺いしたいと思います! まずはiPadを準備しよう……というわけで、勉強におすすめのモデルはありますか?

ボザイさん 僕は10.2インチのiPad(無印)を使っていますが、普通に勉強するだけなら無印で十分だと思います。少し値は張りますが、「大きな画面で勉強したい」という方は、iPad Proがいいでしょうか。ただ、proは、画面は大きいのですが持ち運びがしづらいです。そのぶん無印は持ち運びができてリーズナブル、また画面も決して小さくはないので、勉強にはちょうどいいと思います。

――無印で十分なのですね! 他に、「これは揃えたほうがいい!」というものはありますか?

ボザイさん スキャナー、パソコン、Apple Pencilです。

スキャナーとパソコンはテキストをiPadに取り込むのに、Apple PencilはiPadを操作したり文字を書き込んだりするのに使います。

――Apple Pencilの使い方は想像がつくのですが、テキストをiPadに取り込むのにパソコンも使うのですね。

ボザイさん 手順は “テキストを裁断する→スキャンしてPDF化する→iPadに取り込む” なのですが、この「スキャンしてPDF化する」段階でパソコンを使います。スキャンしたテキストのデータを直接iPadに取り込まないのは、それだとスキャンしたテキストがただの画像としてしか認識されないからです。ただの画像だと、テキスト内の文字を検索することはできません。そのため、いったんパソコンを使ってテキストを検索可能なデータにする必要があります。

【テキストがiPadに取り込まれるまでの流れ】

ボザイさん作成

――なるほど! しかし、iPadだけでなく全部揃えると結構な値段になりそうです……。安く抑えるために、iPadを中古で買うというのは“アリ”なのでしょうか?

ボザイさん iPadに関しては,新品をおすすめします! 中古だと、見た目がきれいでも誰がどう使ったのかわかりませんし、電池の減りが激しい可能性もあるので……。買ってしまえば数年は使えるので、惜しまず新品を買ったほうがいいと思います。

ただ、スキャナーは中古で十分です。僕も中古でスキャナー(富士通のScanSnap iX500)を買いました。スキャナーの部品は、スキャンしたページが20万枚程度になると交換時期なようなので、それを頭に入れて中古品を選ぶとよいかもしれません。僕が購入したものは15,000枚スキャンされたものでした。

結局、初期費用としては、iPadとApple Pencil、スキャナーを合わせて8万円にいかないくらいだったと思います。(パソコンはすでに持っていたものを使いました。)

――長く使えることを考えると思ったより安いかも……? ちなみに、iPadを購入する際、容量はどれくらいあるといいのでしょうか?

ボザイさん 128GB以上をおすすめします。僕はこれまで簿記論・財務諸表論・消費税法に使ってきましたが、現時点で70GBくらいです。たまに、普段本を読んで気になるページがあったら写真に残しているので、それらの写真や今後の勉強も踏まえると、128GBくらいあれば安心かなと思います。

「間違いノート」で凡ミス克服

――次に、iPadをどのように勉強に取り入れているのか、具体的にお話をお聞きしたいと思います。テキストのデジタル化の他に、どのようなことにiPadを使われているのでしょうか?

ボザイさん 「GoodNotes 5」というアプリで、「間違いノート」「理論暗記予定表」を作っています。「間違いノート」は計算に、「理論暗記予定表」は理論に使っています。

――計算と理論、どちらにも使われているのですね! それでは、まず「間違いノート」がどのようなものか教えてください。

ボザイさん 僕は、普段から間違いを①凡ミスで不正解になった問題と②わからなくて解けなかった問題の2つに分けているのですが、間違いノートには計算での間違いをまとめています。特に、「凡ミスで不正解になった問題」の克服に重点を置いているので、そのページには「ぼん」と書いて、他の間違いと区別するようにしています。

ページの左上に「ぼん」の文字

そうして、検索窓に「ぼん」と入力すると、間違いノート全体の中で「ぼん」と書かれたページだけが出てくるので、それを週2回、30分くらいでひたすら回します。こうすることで、凡ミスを繰り返し把握するようにしていました。

「ぼん」で検索して凡ミスをひたすら確認

――簡単に見たいページだけをまとめて見れるのはいいですね

ボザイさん 他にも気になるキーワードで検索すれば、それに関する問題だけを復習することもできます。たとえば「減価償却」と入力すれば、減価償却での間違いだけが出てくるので、特定の論点をまとめて復習できたり。

――お~すごい!

ボザイさん あとは、GoodNotesには書き込みができるんです。なので、間違った部分を貼り付けてまとめるだけじゃなく、自分なりにコメントを書き込むようにしています。

たまに、自分自身をけなすコメントを書いたりして(笑) こうやってコメントを入れると、なぜか記憶によく残るんですよね。同じような問題を解くときに「間違いノートで見たやつだ! 気をつけなきゃ」となります。

――たしかに、そのときの気持ちをコメントに残しておくことで記憶が定着しそうですよね。ちなみに、大きく「×」と書かれていますが、これはどういう意味なのでしょう?

ボザイさん すでに克服できたページには「×」をつけています。問題集とかを解いてみて「もう大丈夫だな」と思ったら、「×」とマークしておいて、あとで一括して消すようにしています。

――なるほど。この「間違いノート」で、計算の苦手は十分に克服できそうです!

ボザイさん そうですね! ただ、iPadでできるのは、あくまで間違いをまとめること。というのも、iPadで計算問題を解くのは難しいです。僕も一回やってみたのですが、計算するには画面が狭くて、やりづらいことが多いです。計算は問題用紙や計算用紙の使い方に慣れることもかなり大事なので、そういった意味でも、問題を解くときには紙で、復習するときにはiPadで、と使い分けることをおすすめします。

「理論暗記予定表」で抜けをなくす!

――次に、理論学習に使われていた「理論暗記予定表」がどのようなものか教えてください。

ボザイさん たとえば、これがちょうど今使っている消費税法の理論暗記予定表です。左側に覚える論点をAランクからCランクまで、右側に日付を書いています。

――すごく緻密な予定表! ところどころマーカーが塗られていますが、どういう意味なのでしょう?

ボザイさん 僕は、理論学習を定着度で「暗記」「復習」(定着度50~70%になったら)→「リスニング」(定着度90%~100%になったら)と段階分けしているのですが、一から新しく覚える論点は、その論点名と覚える予定日をオレンジでマークしています。そうして「復習」の段階になったら、でマーク、「リスニング」の段階になったら水色でマーク。それで、実行できたら予定日をピンクで塗りつぶして、やったことがわかるようにしています。

2月の予定表をズーム。

たとえば、上の図だと、「課税標準及び税率」が水色になっています。これは定着度が90%~100%なので、リスニングの段階に突入しているということです。緑でマークされている「調整対象固定資産を~」とかは、まだ定着度が50~70%なので「復習」の段階。オレンジの「確定申告」は、これから新しく覚える部分です。

たまに、本当に定着しているか確認するため、「リスニング」に突入している段階でも「復習」を予定に組み込むこともあります。

たとえば、「課税の対象」。2日と4日に「リスニング」の予定だが、6日に「復習」の予定を入れている。

――こうすることで一目で各論点の定着度合いと学習予定がわかりますね!

ボザイさん この予定表に沿って勉強することで、理論の復習のタイミングを間違えることが本当になくなります。かつ重要なAランクから覚えていける。しかも、やらないとどんどん予定だけが溜まっていくので、締め切り効果もあります(笑)

――何事も“締め切り効果”って大事ですよね。ちなみに、最終段階の「リスニング」ですが、どのように行っているのでしょう?

ボザイさん 「PCM録音」という録音アプリに自分の音声を吹き込んで、朝の支度の時間や通勤電車に乗るまでの時間など、スキマ時間にひたすら聴いています。1日でトータル1時間くらいでしょうか。ただ、これは「覚える」というよりは「忘れないようにする」ためにやっています。新しい論点を覚えていくと、前に覚えた論点は何もしないと忘れてしまうので、こうやってリスニングすることで、記憶をキープするようにしています。そうしたら、前にやった論点を覚えなおす必要もないですし、時間も効率的に使えます。暗記がある程度定着したら、リスニングする “ながら暗記” がおすすめです。

――本当に万能なiPad! 色んな使い方があるのですね。本日は、大変参考になるお話をありがとうございました♪


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