加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
【〇×問題】
当社はA社の保証人となっており、A社の財政状態の悪化のため、債務不履行となる可能性がある。当社は保証債務5,000円の履行し、その履行に伴う求償権が回収不能となる可能性が高い場合には、貸倒引当金5,000円を計上する必要がある。
【正解】 ×
貸倒引当金ではなく、債務保証損失引当金を計上する。
(借) 債務保証損失引当金繰入額 5,000
(貸) 債務保証損失引当金 5,000
【根拠となる実務指針】
監査・保証実務委員会実務指針第61号「債務保証及び保証類似行為の会計処理及び表示に関する監査上の取扱い」
4.債務保証損失引当金の会計処理と表示
(1) 計上基準 主たる債務者の財政状態の悪化等により、債務不履行となる可能性があり、その結果、保証人が保証債務を履行し、その履行に伴う求償債権が回収不能となる可能性が高い場合で、かつ、これによって生ずる損失額を合理的に見積もることができる場合には、保証人は、当期の負担に属する金額を債務保証損失引当金に計上する必要がある。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。