渡邉 圭
(千葉商科大学基盤教育機構准教授)
この連載講座では、「日商簿記では学ばないけれど、税理士試験の簿記論・財務諸表論では必要になる論点」を学習します。
簿記論・財務諸表論の学習は広範囲にわたるため、日商簿記では深く学んでいない論点も対策しなければなりません。
税理士を目指して簿記論・財務諸表論の学習を始めた方、「いずれは税理士に」と考えている方は、この連載講座を使って効率的に学習を進めていきましょう。
まずはじめに…
日商簿記での未学習項目
先日付小切手
税理士試験での出題傾向
現金預金は、簿記論・財務諸表論ともに総合問題で出題されています。過去の本試験で毎回の配点箇所となっているため、確実に点数を獲得したい論点です。
日商簿記3級の復習
【問題】
次の資料にもとづいて問いに答えなさい。
<資料>
当社では定額資金前渡制(インプレスト・システム)を採用して小口現金制度を設けている。毎月、月初に100,000円の一定金額になるよう前月の小口現金支払額を小切手を振出し補給している。(会計期間:X1年4月1日~X2年3月31日)
(1)X1 5/1の小口現金勘定残高100,000円(補給後)
(2)X1 5/31に小口現金係から当月における諸費用の支払報告を次のように受けた。
郵便切手 6,000円 収入印紙 5,000円 交通費78,000円
(3)X1 5/31における小口現金の実際有高は実地調査の結果10,000円であった。帳簿残高との差額は現在調査中である。
【問い】
X1 5/31の月末において(2)・(3)で必要な仕訳を示しなさい。