【第70回税理士試験合格発表】結果通知書を見た受験生が、今すぐやるべき3つのこと


今日は第70回(2020年)税理士試験の合格発表。

官報合格された方、科目合格された方、おめでとうございます!

今年の試験結果は、以下のとおりでした。

【簿記論】
 受験者 10,757名 → 合格者 2,429名
 (合格率 22.6%)

【財務諸表論】
 受験者 8,568名 → 合格者 1,630名
 (合格率 19.0%)

【所得税法】
 受験者 1,437名 → 合格者 173名
 (合格率 12.0%)

【法人税法】
 受験者 3,658名 → 合格者 588名
 (合格率 16.1%)

【消費税法】
 受験者 6,261名 → 合格者 782名
 (合格率 12.5%)

【相続税法】
 受験者 2,499名 → 合格者 264名
 (合格率 10.6%)

【酒税法】
 受験者 446名 → 合格者 62名
 (合格率 13.9%)

【国税徴収法】
 受験者 1,629名 → 合格者 198名
 (合格率 12.2%)

【住民税】
 受験者 381名 → 合格者 69名
 (合格率 18.1%)

【事業税】
 受験者 335名 → 合格者 44名
 (合格率 13.1%)

【固定資産税】
 受験者 874名 → 合格者 118名
 (合格率 13.5%)

(詳細は、国税庁HPをご覧ください)

結果通知書は、翌日もしくは週明けに届くことが多いようですね。

これが届くと、SNSなどでは合格者の喜びにあふれた書込みが目につくと思います。

しかし、合格率が10~20%ということは、8~9割の受験生は涙をのんでいるということ。

今はつらくても、来年は笑って合格したいですよね。

そのためには、立ち直って、すぐにスタートダッシュをきる必要があるでしょう。

そこで、2021年8月の税理士試験を目指す受験生に向けて、結果通知書を受けてどう闘っていけばよいのか、税理士の穂坂治宏先生に3つのアドバイスをいただきました!

① 点数によって勉強法を変える!

結果通知書を見て点数がわかることで、A・B・Cといったランク以上に、自分の合格ラインまでの距離感がはっきりします。

この距離感をもとに、今後の学習のやり方を変えていくことが大切です。

40点未満の方

このレベルの方は、学習量と内容の理解が不足している方がほとんどです。

また、この点数の方は、まだ勉強そのものに本腰が入っていないと思われます。

そのため、根本的な勉強姿勢と学習方法を見直す必要がありそうです。

1からやり直すくらいの気持ちで学習しましょう!

40点台の方

本試験でちょっとしたミスをすると、このくらいの点数になってしまうことも多いですよね…。

そのため、アドバイスも難しいのですが、やはりミスをしてしまうのは基礎が固まっていない証拠

誰もが得点する基本的な論点を中心に学習していきましょう。

50点台の方

この点数でもう1年勉強しなければならないことを考えると、ホントに悔しいですよね。

しかし、あと一歩でボーダーを超えるレベルなので、実戦的なトレーニングを中心にしていきましょう!

40点台の方と同じく、誰もが得点する基本的な論点を確実に押さえるとともに、自分に合った「より速く・正確に」解ける方法を考えてみてもよいかと思います。

なお、このレベルの方は、実力はあるのに足踏みをしてしまってなかなか合格できない方も多いです。

「あと一歩」が何年も続かないように、「2021年で決める」という強い決意のもと、気を抜かないで勉強していきましょう!

② 点数によって科目を変える!

本試験後の9月から、来年に向けて学習をスタートしている方も多いと思います。

ただ、8月に受験した科目が残念な結果だった場合、これからどうすればよいかは悩みどころですよね。

本試験が終わった後に、受験した科目を継続して学習している方は、そのまま学習を続けて問題ありません。

問題は、8月に受験した科目ではなく、新たな科目に取り組んでいる場合。

簿記論・財務諸表論の場合で考えてみましょう。

たとえば、「8月に簿記論を受験し、9月から財務諸表論を始めた」という場合は、科目の親和性が高いので、来年に向けて2科目学習も可能だと思います。

ただ、ひとつ注意が必要です。

8月に受験した簿記論の成績が40点台以下だった場合、来年は欲張らず「簿記論1本」にしぼったほうがよいでしょう。

また、よくある相談として、「8月に簿記論もしくは財務諸表論(あるいは両方)を受験し、9月から税法科目を学習しているものの、簿もしくは財(あるいは両方)が残念な結果になった」というケースです。

この場合、簿・財と税法の両立は非常に難しいので、まずは受験した簿もしくは財(あるいは両方)にしぼって、確実な合格を目指しましょう。

「もったいないっ」という気持ちは、よくわかるのですけどね…。

特に、まだ1科目も合格されていない方は、まず1科目に確実に合格するための方法を考えましょう。

なぜなら、1科目に合格すると、学習の感覚や合格までの距離感がつかめるからです。

それが自信にもつながり、その後の学習にも活きてきますよ。

③ 気持ちを切り替え、決意を新たに今すぐ勉強する!

結果通知書を見て意気消沈し、なかなかヤル気のでない方もいるでしょう。

しかし、試験合格を目指すのであれば、今すぐ勉強しなきゃダメ。

たしかに、今年受験された皆さんは、コロナ禍で勉強の環境やペースなどが狂ってしまい、十分に準備ができなかったという方もいると思います。

しかし、そのようなコロナ禍の真っただ中でも、第70回(2020年)税理士試験は実施されました。

公認会計士試験も、5月の短答式・8月の論文式は延期されましたが、実施されています。

コロナの影響で先が見通せず不安でも、合格したいなら、「試験は予定どおり実施される」ことを前提に勉強するしか途はありません。

大切なことは、1日も早く気持ちを切り替えること。

ライバルより少しでも早く、本格的な学習をスタートさせることが大事です。

そのために、おおいに活用したいのが「年末年始」。

誘惑の多い時期ですが、この時期の地道な勉強は、来年の本試験にきっと活きます!

<お話を聞いた人>
穂坂 治宏(ほさか・はるひろ)
税理士 受験指導に情熱を燃やすカリスマ講師
これまで簿記論・財務諸表論の合格者を多数輩出。主な著書に『新なるほど合格塾 日商簿記3級』『同・2級商業簿記』『同・2級工業簿記』(中央経済社)、『税理士財務諸表論 穂坂式つながる会計理論』(ネットスクール)などがある。


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