(4)補足
利息を区分する方法
利息を区分する方法は、現金販売価格と割賦販売価格の差額を利息として取扱い、現金販売価格を割賦売上高として会計処理を行う方法です。
利息の計算方法には、定額法(均分法)、級数法、利息法(利回法)などがあります。
設例により、具体的な会計処理を見ていきます。
<設 例>
次の取引を仕訳しなさい。なお、割賦販売は利息を区分する方法により処理すること。
① 得意先に商品90,000円(現金販売価格88,230円)を割賦販売した。代金は3回の分割払いにより回収する。
② 上記①のうち、1回目の代金である割賦売掛金30,000円を現金で回収した。なお利息の計算は定額法により行う。
<解 答>(単位:円)
借 方 科 目 | 金 額 | 貸 方 科 目 | 金 額 | |
① | 割賦売掛金 | 90,000 | 割賦売上 | 88,230 |
利息未決算 | *1 1,770 | |||
② | 現金 | 30,000 | 割賦売掛金 | 30,000 |
利息未決算 | *2 590 | 受取利息 | 590 |
*1 90,000円-88,230円=1,770円
*2 1,770円÷3回=590円
また、2回目と3回目の利息の金額も定額法のため、1回目と同額の1,180円となります。
ここで、級数法と利息法(月利1%とします)で処理した場合の利息の金額を次に示します。
利息法:計算上端数が生じた場合は、円未満を四捨五入する。
1回目 88,230円×1%≒882円
2回目 (88,230-(30,000円-882円))×1%≒591円
3回目 1,770円-882円-591円=297円
最終回は全体の利息から1回目と2回目で計算した利息額の差額により求めます。