【日商2級から税理士へ ステップアップ会計教室】第13回:特殊商品売買⑤


(4)補足

利息を区分する方法

利息を区分する方法は、現金販売価格と割賦販売価格の差額を利息として取扱い、現金販売価格を割賦売上高として会計処理を行う方法です。
利息の計算方法には、定額法(均分法)、級数法、利息法(利回法)などがあります。
設例により、具体的な会計処理を見ていきます。

<設  例>
 次の取引を仕訳しなさい。なお、割賦販売は利息を区分する方法により処理すること。

① 得意先に商品90,000円(現金販売価格88,230円)を割賦販売した。代金は3回の分割払いにより回収する。
② 上記①のうち、1回目の代金である割賦売掛金30,000円を現金で回収した。なお利息の計算は定額法により行う。

<解  答>(単位:円)

 借 方 科 目金 額貸 方 科 目金 額
割賦売掛金   90,000割賦売上 88,230
利息未決算*1 1,770
現金   30,000割賦売掛金 30,000
利息未決算*2 590受取利息590

*1 90(割賦販),000(売価格)円-88(現金販),230(売価格)円=1(利息),770(相当額)
*2 1(利息),770(相当額)円÷3回=590円

 また、2回目と3回目の利息の金額も定額法のため、1回目と同額の1,180円となります。
ここで、級数法と利息法(月利1%とします)で処理した場合の利息の金額を次に示します。

利息法:計算上端数が生じた場合は、円未満を四捨五入する。

1回目 88(現金販),230(売価格)円×1%≒882円
    2回目 (88,230-(30,000円-882円))×1%≒591円
    3回目 1,770円-882円-591円=297円
最終回は全体の利息から1回目と2回目で計算した利息額の差額により求めます。


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