<直前期集中連載>財表理論 インプット&アウトプット同時マスター講座(第32回)―ストック・オプション会計基準・株主資本等変動計算書会計基準


Ⅴ 純資産会計⑤

3.ストック・オプション等に関する会計基準

65.ストック・オプションが費用認識される根拠
 ★★
 ストック・オプションを付与し,これに応じて企業が従業員等から取得する①サービスは,その取得に応じて②費用として計上し,対応する金額を,ストック・オプションの権利の行使又は失効が確定するまでの間,貸借対照表の純資産の部に③新株予約権として計上する。
 この根拠は,従業員等に付与されたストック・オプションを④対価として,これと引き換えに,企業に⑤追加的にサービスが提供され,⑥企業に帰属することとなったサービスを消費した点に求められる。

66.権利不行使による失効が生じた場合の会計処理とその根拠 ★
 権利不行使による失効が生じた場合には,新株予約権として計上した額のうち,当該失効に対応する部分を①利益として計上する。
 この場合には,結果として会社は②株式を時価未満で引き渡す義務を免れ,③無償で提供されたサービスを消費したことになる。それゆえ,新株予約権が行使されずに消滅した結果,新株予約権を付与したことに伴う④純資産の増加が,株主との直接的な取引によらないことになるからである。

4.株主資本等変動計算書に関する会計基準

67.株主資本等変動計算書の必要性
 ★★
 株主資本等変動計算書が導入されるに至った理由は次の2点からである。
(1) ①資本の部に直接計上される項目や②資本の部の変動要因が増加していること等から,③ディスクロージャーの透明性確保のため。
(2) 会社法上,いつでも④剰余金の配当の決定や⑤株主資本の計数の変動が可能となったので,資本金,準備金及び剰余金の⑥数値の連続性を把握するため。

*自宅学習などで音読可能であれば、ぜひ音読しましょう!


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