平井孝道
新型コロナウィルスの影響で資格試験の受験生にとっては、6月の日商簿記検定試験が中止になるなど、各種の資格試験に影響がでていますね。
今後も将来が不確実な状況が続くかもしれませんが、それでも、いま不安などと戦い、自分を信じて前に向かって進んでいる税理士・公認会計士・簿記検定試験の受験生にメッセージを捧げたいと思います。
まず、ここで1つ、私が感銘を受けたお話をご紹介いたします。
そのお話とは、20世紀少年などで有名な浦沢直樹作画による「MASTERキートン」という漫画で描かれたストーリーです。
その漫画の第3巻に描かれている「屋根の下の巴里」という話では、第二次世界大戦時に、ドイツから空襲を受けるイギリスにおいて、爆弾が落ちる中、大学で勉強に励む学生の姿が次のように描かれています。
【屋根の下の巴里】
第二次世界大戦のロンドン、ナチスによる連日の空襲。
キートンの恩師である若きユーリー先生はオックスフォードの社会人大学で教鞭をとっていた。
大学の授業中、敵であるドイツ空軍によるロンドン大空襲に逢い、大学の建物の多くが燃え、駆けつけた先生達は、学生達と一緒に救助活動に専念します。
しかし「鉄の睾丸」と学生からニックネームをつけられたユーリー先生はスゴかった。
可能な限りの人を助けた後に、煤で真っ黒に汚れた顔のままテキストを出し、学生達にこう言ったのです。
「さあそれでは諸君、授業を始めよう。あと15分ある。
敵の狙いは、我々英国民の向上心を挫くことだ。
ここで私たちが学ぶことを放棄したら、それこそヒトラーの思うつぼだ!
今こそ学び、この戦争のような殺し合い憎しみ合う人間の愚かな性を乗り越え、新たな文明を築くべきです。」
もう、多くを語る必要はないですね。
こんな時だからこそ、「学び続ける」ときだと思います。
しかし、そうは言っても、簿記という科目は、習得するにはおそろしく時間がかかり、地道な努力が要求されますよね。
わたくしも受験生時代に、地道に勉強をしていましたが、やはり時には簿記の勉強に嫌気がさし、やめたくなるときは何度もありました。
しかし、物事を成し遂げるときには一番重要なことは「続ける」ことなのです。