Ⅲ 資産会計⑧
5 有形固定資産②
31.固定資産の取得原価の決定について②
(3) 交換の場合
① 固定資産と固定資産の交換→理由
自己所有の固定資産と交換に固定資産を取得した場合には,①交換に供された自己資産の適正な簿価を取得原価とする。これは,②同種資産の交換では,両資産の間で③純粋な等価交換が行われたものと考え,譲渡資産と取得資産との間には④投資の継続性が存在するとみるからである。
② 有価証券と固定資産の交換→理由
自己所有の有価証券等と固定資産を交換した場合には,当該有価証券の⑤時価又は適正な簿価をもって取得原価とする。これは,⑥異種資産の交換では,保有している有価証券を売却し⑦いったん投資を清算したとみて⑧交換損益を認識するとともに,⑨改めて時価にて固定資産に投資したとみるからである。
(4) 贈与の場合→理由
固定資産を贈与された場合には,時価等を基準とした①公正な評価額をもって取得原価とする。これは,無償取得資産であっても,②将来の収益獲得に貢献するにもかかわらず,簿外資産として処理するならば,③収益に対応すべき減価償却費が計上されないことになり,④期間損益を適正に算定できなくなるからである。
32.(正規の)減価償却の(1)意義,(2)目的および(3)効果 ★★★
(1) 減価償却は,①費用配分の原則に基づいて有形固定資産の取得原価をその耐用期間における②各事業年度に配分することをいう。
(2) 減価償却の最も重要な目的は,適正な費用配分を行うことによって,③毎期の損益計算を正確ならしめることである。
(3) 減価償却の効果には,固定資産に投下した資金が④貨幣性資産によって回収されるという⑤固定資産の流動化と減価償却費は⑥支出を伴わない費用であることから⑦自己金融効果がある。
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