コロナ対策でクライアントに紹介したい給付金・補助金の支援制度


坂根崇真

最近のコロナ情勢により、給付金や補助金など、非常に多くの支援制度が拡充されています。

この記事では、実務でよく聞かれたり、活用されるであろう給付金、補助金についてご紹介します。

■給付金

  1. 特別定額給付金
  2. 持続化給付金
  3. 感染拡大防止協力金(東京都)

➢ 特別定額給付金(10万円)

特別定額給付金は、給付対象者1人あたりにつき、10万円が世帯主に対して支払われる給付金です。

銀行口座を記入するなどのかなり簡単な書類手続きのため、特に税理士など専門家のサポートなく、各自で行うことができます。

専門家のサポートは必要ありませんが、顧問先のお客様には、制度について簡単にご案内されると良いでしょう。

➢ 持続化給付金

持続化給付金は、売上が前年同月比で50%以上減少した中小企業や個人事業主に対して支給される給付金です。

給付額は、個人事業者等が100万円、法人は200万円が限度とされています。

なお、この給付金は、前年同月比で50%以上売上が減少した場合の支給が原則とされていますが、2019年に設立したばかりのケース(創業特例)や法人成りしたケースでは特例が設けられており、かなり多くの方が給付を受けられる可能性があります。

売上の時期に偏りが出る会社では、前年同月比で50%以上の売上減少が発生することが容易に予測でき、適用を受けられる可能性が高いです。

また、たとえば、2019年11月に会社を設立し、2019年中の2カ月間の売上が35万円、2020年1月の売上が0円のケースでは、最大の200万円が給付される可能性があります。

35万円÷2カ月×12−0円×12
=210万円 → 限度額の200万円

持続化給付金も非常に簡単な手続きのため、基本的には 税理士など専門家のサポートは必要なく行えるでしょう。

ただし、添付書類として売上台帳などの書類が求められているため、これらの書類を税理士事務所側で管理している場合には、顧問先のお客様に対してご案内されることをおすすめします。

なお、注意点として、財源があまり多くないため早めに対応した方が良いことが挙げられます。

申請期間は令和2年5月1日(金)から令和3年1月15日(金)までとされていますが、想定以上に申し込みがあり、すぐに財源が枯渇する可能性があります。

➢ 感染拡大防止協力金(東京都)


感染拡大防止協力金とは、飲食店など、休業の対象施設を運営している都内の事業者が、令和2年4月16日から令和2年5月6日まで休業等を行った場合、50万円(2以上の事業所で休業する場合は100万円)が支給される協力金です。

なお、義務ではありませんが、申請書類には税理士や公認会計士、中小企業診断士、行政書士などの専門家による事前確認が要請されています。

手続き自体は簡単ですが、事前確認を求められた場合には、不正受給とならないように、状況を確認したうえで手続きを行いましょう。

■補助金

  1. 小規模事業者持続化補助金
  2. 経営資源引継ぎ補助金

➢ 小規模事業者持続化補助金


小規模事業者持続化補助金は、Web広告やホームページ作成などに活用できる補助金です。


補助上限額は50万円で、一定の要件を満たした場合には特別枠で100万円活用することができます。 補助率は2/3と高く、Webによる売上を伸ばしていきたい会社にとっては、ぜひ活用したい補助金です。

たとえば、75万円の広告をかけた場合に、3分の2の50万円が補助されることから、負担を少なく広告をかけることができ、非常に使い勝手の良い補助金です。

➢ 経営資源引継ぎ補助金


経営資源引継ぎ補助金とは、新型コロナウイルスの影響を受けた後継者不在事業の承継に際し、M&Aアドバイザリーフィーやデューデリジェンス費用等の専門家報酬などの支払いに対して補助される制度です。

買い手は最大200万円、売り手は最大650万円(廃業費用が無い場合には200万円)が補助されるため、「バトンズ」などを活用して第三者承継を行うチャンスです。

この他にも数多くの補助金などの情報がありますが、今回は、使い勝手が良さそうな補助金についてご紹介しました。

給付金や補助金は、必ずしも受け取れるものではありませんが、要件に当てはまりそうなお客様がいらっしゃる場合には、積極的に活用をすすめていくと良いでしょう。

【執筆者紹介】
坂根崇真(新宿税理士事務所 代表・税理士)。相続税のメディア 新宿相続支援センター、資産運用ブログ、税理士試験ブログ、会社設立新宿センターを運営。
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