【イメージでつかむ会計基準】第10回:真実性の原則(2)


あるフットボール(サッカー)の試合で、AチームとBチームが試合をしてAチームが2点を取り、Bチームが1点を取り試合が終了したとしましょう。

Aチームのプレイヤーは試合に勝ったと思いますが、Bチームのプレイヤーは試合に負けたと思いますよね。

AチームとBチームが試合をしたという1つの事実に対して、AチームとBチームの結論は異なります。しかし、どちらの結論もウソではなく真実です。

もう1つ例をあげてみます。 たとえば、「車を買った」という1つの事実があったとしましょう。車を買った都心に住むAさんは、耐用年数を7年と設定したとします。一方で、車を買った海沿いに住むBさんは、潮風で車がサビやすくなると思い、耐用年数を5年と設定しました。AさんもBさんも、「車を買った」という事実に対して、AさんとBさんが設定した耐用年数は異なりますが、どちらの結論もウソではなく各人が導いた真実です。

企業会計では1つの会計事実に対して、複数の会計処理の原則または手続きの選択適用が認められています。企業の実状に応じて、計算結果の異なる会計処理基準の選択適用と見積り計算が認められています。

車の購入の例でみたように、有形固定資産の償却においては、定額法と定率法のどちらを採用するかといった会計処理の選択や耐用年数の見積りによって、「減価償却費」の金額は異なります。どちらの金額も虚偽ではなく真実です。
このことから、真実性の原則でいう「真実」とは、相対的真実であるといえます。

それでは確認テストに挑戦しましょう!


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