【税理士試験】メリット/デメリットで使い分け! 簿記論 計算メモの「まとめ方」


渡邉 圭
(千葉商科大学基盤教育機構准教授)

本記事は、税理士試験の簿記論を中心に、計算問題の出題形式に応じたメモの「まとめ方」について整理したものです。本試験で問題に応じて計算メモが使い分けられるように、いま一度それぞれの「まとめ方」を確認してみましょう。

目次
4種類の計算メモの「まとめ方」
〈設例〉
1.期中取引集計・財務諸表の金額推定問題
2.決算整理事項に関する問題

4種類の計算メモの「まとめ方」

計算メモの「まとめ方」は、大きく分けて「仕訳」・「T勘定」・「仮計算表」・「残高試算表への書込み」の4種類があります。まずは、それぞれの特徴とメリット・デメリットを紹介します。

仕訳 → ボリュームが少ない問題に適している!

【メリット】
・整理しやすい。

【デメリット】
・問題量が多いとメモが煩雑になる。
・逆算計算問題に対応できない。
・集計ミスしやすい。

T勘定 → 逆算計算に適している!

【メリット】
・残高計算しやすい。

【デメリット】
・勘定科目が多いとメモが煩雑になる。
・メモ用紙のスペースがたくさん必要。

仮計算表 →ボリュームが多い総合問題に適している!

【メリット】
・財務諸表や決算整理後残高試算表を作成する総合問題で集計しやすい。
・余りスペースに仕訳やT勘定も併用して記入できる。
・アウトプットしやすく、自己採点もしやすい。

【デメリット】
・問題にある決算整理前残高試算表の金額を記入しなければならず、時間がかかる。
・仮計算表に決算整理前残高試算表の金額をメモする際に、記入ミスをする可能性がある。

残高試算表への書込み →仮計算表のデメリットを回避できる!

【メリット】
・自分の計算過程を確認できるため、自己採点もしやすい。

【デメリット】
・問題ごとに残高試算表のページに戻らないといけないため手間がかかる。
・解答用紙に直接記入する項目と残高試算表から集計する項目があり、メモが多くなると読み取りづらくなる。

*残高試算表のページを切り取って問題を解く受験生もいます。本試験中に「ビリビリ」と紙を切取る音が聞こえるときがありますが、「残高試算表への書込み」を利用して問題を解こうとしている受験生がメモの準備をしているのかもしれませんね。

次のページから設例を解いてみましょう!


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