【会計士合格体験記】予備校選びより大事なのは、予備校を信じてやり切ること
- 2026/5/13
- 合格体験記

ユウキ(20代・受験専念)
【受験情報】
受験履歴:2024年12月短答× 2024年5月短答〇 2024年論文× 2025年論文〇
学習スタイル:短答期はCPA(通信)を利用、論文期にはTAC(通学)を利用。
はじめに
本稿では、CPA会計学院(以下CPA)とTACの比較を行います。
比較対象をこの2校に限定している理由は、私自身が利用したことのある予備校がこの2校のみであるためです。
SNS上では「CPAとTACのどちらがよいか」という議論が頻繁に行われていますが、実際に両校を利用した立場から体系的に比較している意見は多くないように感じています。
また、近年は他校からCPAへ移籍して合格した方の発信が目立つことから、「CPAの方が優れているのではないか」という印象を受ける方も多いと思われます。
しかし、私自身の経験から言えば、CPAとTACはいずれも非常に優れた予備校であり、どちらを選択しても合格は十分に可能だと感じています。
ただし、両校にはそれぞれ明確な強みと弱みが存在し、どちらがより適しているかは受験生の状況や性格によって異なります。
勉強法そのものを紹介する合格体験記は既に数多く存在しており、私の勉強法も特段特殊なものではありません。そのため、本稿では勉強法の詳細には立ち入らず、合格者の目線から見たCPAとTACの特徴を整理することで、予備校選びに悩む方の参考となることを目的としています。
私の予備校歴
私は2024年5月の短答式試験(2回目の受験)に合格し、同年8月の論文式試験に不合格となるまではCPAを利用していました。その後、2025年8月の論文式試験までの約1年間はTACを利用しました。
はじめにCPAを選択した理由は、オンライン学習環境の充実度です。私は大学4回生から学習を開始し、卒業後は実家で学習を継続していました。下宿先・地元のいずれにもCPAの校舎はなく、TACの校舎のみが存在する環境でしたが、TACについても通信で受講する予定であったため、オンライン環境に力を入れているCPAの方が学習しやすいと判断しました。
その後、短答式試験には合格したものの、2024年8月の論文式試験に不合格となりました。この不合格を機に、自宅学習の限界を強く感じるようになりました。当時は完全に一人で学習しており、論文期にかかる精神的負担は想像以上に大きかったです。そこで、校舎で学習し、最低限の交流がある環境の方が学習を継続しやすいと考え、TACへの移籍を決めました。
CPAの強み・弱み
強み① 教材が豊富
CPAの大きな特徴は教材のラインナップの豊富さです。
初学者コースで配布されるテキストに加え、過年度生も利用できる短答対策講義、論文対策講義で使用するレジュメ、コントレというオプション教材など、学習者のレベルや目的に応じた教材が用意されています。
私は「すべての人に最適な教材は存在せず、それぞれの受験生に合った教材を選択することが重要である」と考えています。CPAでは自分の状況や好みに応じて教材を選択できる点が大きな魅力だと感じました。
強み② 教材のデザインが良い
CPAのテキストは余白が適度に確保されており、図解も豊富で、講師の説明や自分の気づきを書き込みながら理解を深めやすい構成になっています。また、論点ごとに重要度(A・B・C)が細かく示されているため、学習の優先順位を意識しながら効率的に勉強を進めることができます。
弱み① 校舎が少ない
CPAの校舎は関東で4校、関西で1校と数が限られています。これらの校舎を利用できる地域に住んでいる方にとっては問題になりませんが、地方の受験生にとってはデメリットとなります。
CPAにはラウンジや提携自習室といった学習環境は整っていますが、校舎でしか得られない利点もあります。例えば、答練を教室で一斉に受験することによる緊張感や、講師・チューターに直接相談できる点です。
弱み② 講師が少なく質問対応にばらつきがある
生徒数に対して講師の数が少ないため、質問はチューター対応になることが多いです。講師による質問対応は質が高い一方で、チューターの対応の質には個人差があると感じました。成績が優秀であることと、教えることが上手であることは必ずしも一致しないため、この点は注意が必要だと思います。
弱み③ 教材が多く、学習方針がぶれやすい
CPAの弱みとして特に感じたのは、教材が豊富であるがゆえに、学習方針がぶれやすい点です。どの教材を使うかを自分で選択できる反面、「選ばなかった教材の方が良かったのではないか」という不安が生じやすく、複数の教材に手を出してしまう危険があります。
特に、大学受験で参考書選びの経験が少なかった方や、自分なりの学習方針を立てることに慣れていない方は注意が必要だと感じました。CPAでは、教材選択の自由度が高い分、一度決めた教材を信じてやり切る強さが求められる予備校だと思います。
TACの強み・弱み
強み① 校舎が多い
TACは全国に多くの校舎を展開しており、地方の受験生でもライブ講義や答練を受講しやすい環境が整っています。私が利用していた校舎では、講師に直接質問でき、問題の解法や下書きについて具体的なアドバイスをいただくことができました。
強み② 講師が多く質問対応が充実している
講師の数が多いため、論点について講師に直接質問しやすい環境が整っています。特に論文期においては、この点が学習の安定につながったと感じました。近年、CPAにシェアを奪われていることから、より質問がしやすい状況になっていると思います。
強み③ 教材が少なく、教材選びに迷わない
TACでは、初学時に配布されたテキストを中心に学習を進めます。補助教材はありますが数は限定的で、学習の軸が明確です。そのため、どの教材で学習するかという迷いが生じにくく、集中して学習に取り組むことができます。
弱み① 教材が少なく、個人の状況に合わせた学習がしにくい
教材が少ないことは強みでもありますが、個々の受験生の状況や好みに応じた調整が難しいと感じました。私の場合、論文過年度として利用しましたが、テキストは初学生向けの構成であり、説明が冗長に感じる場面もありました。過年度生向け教材があるCPAの方が学習しやすいと感じました。
弱み② 教材のデザイン・情報の持たせ方
TACのテキストは全体として情報がコンパクトにまとまっています。一方で余白や図解が少ないため、理解を書き込みながら整理するにはやや窮屈に感じました。TACはテキストのページ数が少ないことを強みとしていますが、その分余白や図解が犠牲になっています。
また論点に対して重要度が十分に付されていないと思います。特にそのように感じたのが、財務理論のテキストです。本文は整理されている一方で、多くの論点が脚注として掲載されていますが、その脚注部分には重要度が付されておらず、どこまでをどの程度の深さで押さえるべきか判断しにくいと感じました。
おわりに
本稿では、近年よく話題にのぼる「合格者占有率」についてはあえて触れませんでした。その理由は、CPAとTACのいずれにおいても、扱われる論点自体に大きな違いはなく、最終的には各予備校の教材を信じてやり切ることができれば、占有率の高低は合否に直接的な影響を与えないと考えているからです。
確かに、合格者占有率は予備校選びの一つの参考指標にはなりますが、それだけで予備校の優劣を判断することは難しいと思います。実際に私自身、CPAとTACの両方を利用してきましたが、どちらの予備校にも合格に必要な論点・教材・学習環境は十分に整っていました。
重要なのは、予備校そのものの優劣ではなく、自分がどのような点を補いたいのか、そしてどの環境であれば最後まで学習を継続できるのかを見極めることだと感じています。本稿が、予備校選びに悩む方の一助となれば幸いです。











